自動車整備士関連の用語|職種別用語集

シニアジョブエージェントの職種別用語集

自動車整備士関連の用語

アライメント調整 自動車のホイール(車輪)が車体に対して取り付けられている様々な角度(主にトー角、キャンバー角、キャスター角など)を、メーカーが定める基準値に精密に調整する作業です。「ホイールアライメント調整」とも呼ばれます。縁石への乗り上げ、事故による足回りの損傷、サスペンション部品の交換、車高の変更などによってアライメントは狂うことがあり、これを適正な状態に調整することで、直進安定性の向上、タイヤの偏摩耗防止、燃費の改善、ステアリング操作感の改善などが期待できます。専用のコンピュータ化されたアライメントテスターを使用して測定と調整が行われます。 1級小型自動車整備士 自動車整備士国家資格の最上位に位置づけられる資格の一つで、主に普通自動車、小型自動車、軽自動車などのいわゆる「小型自動車」に関する極めて高度な整備知識と診断技術、さらには環境保全や安全管理に関する深い知識、他の整備士への指導能力、顧客への適切なアドバイス能力などを総合的に有することを示す資格です。受験資格として二級整備士資格取得後の実務経験が必要で、複雑な電子制御システムの故障診断や最新技術への対応力が特に求められます。 ECU (Electronic Control Unit) 自動車の各システム(エンジン、トランスミッション、ABS、エアバッグ、エアコン、パワーステアリング、ADASなど)を最適に動作させるために、プログラムに基づいて電子的に制御するコンピュータ(マイクロプロセッサ)の総称です。車両各部に配置された多数のセンサーからの入力情報をリアルタイムに処理し、その結果に応じてアクチュエーター(作動装置)へ適切な指示を送り、車両の性能、安全性、快適性、環境性能などを高度に制御します。現代の自動車には数十個から百個以上のECUがネットワークで接続されて搭載されており、故障診断にはスキャンツールが不可欠で、時にはソフトウェアのアップデートや書き換え(プログラミング、コーディング)が必要となる場合もあります。 運送会社・企業 トラック、バス、タクシー、その他多数の社有車など、事業活動に不可欠な車両を自社で保有・運用している会社や企業体を指します。これらの事業者は、車両の安全運行確保と高い稼働率の維持が事業運営の根幹となるため、多くの場合、自社内に車両の日常点検、定期点検、整備、修理、車検管理などを専門に行う整備部門や自社整備工場を設置・運営しています。そこでは、計画的な予防メンテナンスの実施や、突発的な故障に対する迅速なトラブルシューティング能力が極めて重要視されます。特に、大型車両、トレーラー、冷凍冷蔵車、クレーン付き車両といった特殊な構造や機能を持つ車両の整備経験や専門知識を持つ整備士が重宝される傾向にあります。 エンジンオイル交換 自動車のエンジン内部で使用されるエンジンオイルを、定期的に新しいものに交換する基本的なメンテナンス作業です。エンジンオイルは、エンジン内部の金属部品同士の摩擦を低減する「潤滑」、エンジンの熱を吸収・放出する「冷却」、部品の隙間を密閉する「密封」、燃焼によって発生する汚れを除去する「清浄」、金属部品の錆を防ぐ「防錆」といった多様な役割を担っています。走行距離や使用期間に応じて劣化し性能が低下するため、メーカー推奨の交換時期や車両の使用状況に応じて適切に交換することが、エンジンの性能維持や長寿命化に不可欠です。 ADAS(先進運転支援システム) Advanced Driver-Assistance Systemsの略。衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)、車線逸脱警報・維持支援システム、アダプティブクルーズコントロール(追従走行機能)、ブラインドスポットモニター、パーキングアシスト(駐車支援)など、車両に搭載されたカメラやレーダー、超音波センサー、LiDARといった電子デバイスを用いて周囲の状況を検知・分析し、ドライバーの運転操作を支援したり、危険を警告したり、場合によっては車両制御を一部自動で行ったりすることで、事故の未然防止や運転負荷の軽減を図るシステムの総称です。これらのシステムに関連する部品の交換や車体の修理を行った際には、センサーの再調整・校正作業(エーミング)が必要となるなど、整備にも専門的な知識と技術、そして専用の設備が求められます。 エーミング ADAS(先進運転支援システム)に搭載されたカメラ、ミリ波レーダー、超音波センサー、LiDARなどの検知装置が、車両の正しい取り付け位置や向きに対して正確に外界を認識できるように調整・校正する精密な作業です。フロントガラス交換、バンパー脱着や交換、サスペンション部品の交換、フレーム修正、アライメント調整など、センサーの取り付け角度や位置、車両の姿勢に影響を与える作業を行った後に必ず実施する必要があります。専用のターゲット(校正用の的)や測定器、スキャンツール、水平な作業スペースなど、特定の工場設備と専門知識が求められ、特定整備認証を受けた工場でのみ実施可能です。 OBD(On-Board Diagnostics) 自動車に搭載されている自己診断機能の総称です。主にエンジン制御システムや排気ガス浄化装置など、車両の主要な電子制御システムの状態を常時監視し、異常を検知した場合にはメーター内の警告灯(チェックエンジンランプ、MILなど)を点灯させるとともに、その故障の内容や発生箇所を示す診断トラブルコード(DTC:Diagnostic Trouble Code)をECU(電子制御ユニット)内に記憶します。整備士は、運転席付近に設置されたOBDコネクターにスキャンツールを接続してこれらの情報を読み出し、効率的な故障探求の手がかりとします。 カー用品店 タイヤ、ホイール、カーナビゲーション、ドライブレコーダー、オーディオ、エンジンオイル、バッテリー、ワイパーブレードといった多岐にわたる自動車関連用品を販売する小売店です。多くの店舗では「ピット」と呼ばれる整備スペースを併設し、購入した用品の取り付け作業や交換作業(タイヤ、オイル、バッテリー等)、アライメント調整、さらには車検や簡単な点検整備サービスも提供しています。多様なメーカーの車種や様々なアフターパーツに対応できる幅広い知識と応用技術、顧客のニーズに合わせた商品提案力が求められます。 ガソリンスタンド 主な業務である給油サービスに加え、洗車、タイヤ交換、エンジンオイル交換、バッテリー交換といった日常的なメンテナンスや軽整備を提供する施設です。近年では、地方運輸局長の認証を受けた「認証工場」の資格を取得し、車検の受付や一般的な整備・修理まで行う店舗も増えています。地域住民にとって手軽に立ち寄れるカーメンテナンスの窓口としての役割を担い、迅速な作業と丁寧な接客スキルが求められます。 吸排気系パーツ エンジンが効率よく燃焼するために必要な空気を取り込み(吸気)、燃焼後のガスを浄化してスムーズに排出する(排気)までの一連の経路を構成する部品群の総称です。吸気系には、エアクリーナー(エアフィルター)、エアフローセンサー、インテークマニホールド、スロットルボディなどが含まれます。排気系には、エキゾーストマニホールド、O2センサー(酸素センサー)、三元触媒(キャタライザー)、マフラー(サイレンサー)などがあります。これらの部品の詰まり(エアクリーナーの汚れ、触媒の目詰まりなど)、亀裂や穴あきによる排気漏れ、センサー類の不具合などは、エンジン不調、出力低下、燃費悪化、アイドリング不安定、排気ガス規制値超過といった問題の原因となるため、適切な点検と整備が重要です。 故障診断 自動車に発生した何らかの不具合や故障(例:エンジン不調、異音、警告灯点灯など)の原因を、様々な情報や点検結果、測定データなどから論理的に特定していく一連の作業プロセスです。顧客からの詳細な問診(症状のヒアリング、発生状況など)、症状の再現確認、五感による点検(目視、聴音、嗅覚、触診など)、試運転に加え、近年ではスキャンツール(電子制御システム診断機)を用いて車両のコンピュータシステム(ECU)に記録された故障コード(DTC)を読み取ったり、各センサーの出力データやアクチュエーターの作動状況をリアルタイムで監視・分析したりするなど、高度な技術と知識、そして豊富な経験が求められます。 コーティング 自動車の塗装面を保護し、美しい光沢や優れた撥水性・滑水性、防汚性を長期間維持するために、専用のコーティング剤(主成分によりガラス系、セラミック系、ポリマー系、フッ素系など様々な種類がある)を車体表面に均一に塗布し、化学反応や乾燥によって硬化させて透明な保護被膜を形成する作業です。洗車による細かな傷(洗車傷)、紫外線による色あせや劣化、酸性雨、鳥の糞、樹液、鉄粉など、様々な外的要因からデリケートな塗装面を守り、車両の美観を長期間維持する効果が期待できます。専門の施工業者やディーラー、カー用品店、一部のガソリンスタンドなどで提供されており、施工前の丁寧な下地処理(洗車、鉄粉除去、油分除去、場合によっては軽研磨など)がコーティングの性能や持続性を大きく左右します。 サスペンション修理・交換 路面からの衝撃や振動を吸収し、タイヤの接地性を適切に保つことで、乗り心地の快適性や操縦安定性を確保するサスペンション装置(構成部品例:ショックアブソーバー、コイルスプリング、リーフスプリング、各種アーム類、スタビライザー、ブッシュ類など)の部品交換や修理を行う作業です。走行中の異音(ゴトゴト音、ギシギシ音など)、乗り心地の悪化(フワフワする、突き上げ感が強いなど)、走行時のふらつきや不安定感、車高の異常な変化などの症状から、各部品の劣化(ショックアブソーバーのオイル漏れやガス抜け、スプリングのへたり、ブッシュの亀裂や摩耗など)を点検し、必要な部品を交換します。交換作業後には、多くの場合アライメント調整が必要となります。 3級自動車整備士 自動車整備士国家資格の入門的な位置づけの資格です。「3級自動車シャシ整備士」「3級自動車ガソリン・エンジン整備士」「3級自動車ジーゼル・エンジン整備士」「3級二輪自動車整備士」の4つの分野に分かれています。取得した分野の自動車について、タイヤ交換、オイル交換、バルブ交換といった基本的な整備作業や、2級以上の整備士の指示・監督のもとで分解整備の一部の補助作業などを行うことができます。整備士としてのキャリアをスタートさせるための最初のステップとなる資格です。 サービスフロント 自動車ディーラーや比較的規模の大きな整備工場などで、顧客からの整備や修理の依頼受付、車両の状態確認や具体的な症状の問診、適切な整備内容の提案と見積書の作成、作業スケジュールの調整、整備進捗の顧客への連絡、整備完了後の車両引き渡し時の作業内容説明、料金精算といった一連の顧客対応業務を専門に担当する職種です。「サービスアドバイザー」とも呼ばれます。整備に関する幅広い知識に加え、高いコミュニケーション能力、接客スキル、説明能力が求められ、顧客と整備現場の技術者との間の重要な橋渡し役として、顧客満足度向上に貢献します。 指定工場 道路運送車両法に基づき、地方運輸局長から「指定自動車整備事業」の指定を受けた整備工場のことで、一般に「民間車検場」とも呼ばれます。認証工場の資格を有していることに加え、自動車の点検・整備を行うための設備、自動車検査員を含む一定数以上の有資格者、管理組織などが国の定める基準に適合している必要があります。最大の特色は、自社工場内で車検(継続検査)に必要な点検、整備、そして最終的な完成検査までを一貫して行うことができ、「保安基準適合証」を交付する権限を持っている点です。これにより、利用者は車両を運輸支局などに持ち込む手間が省けます。 車検専門店 自動車の継続検査(一般に「車検」と呼ばれる)に特化、あるいは主力業務としてサービスを提供する整備事業者です。作業工程の効率化を図り、「短時間車検」「低価格車検」などを強みとして打ち出す店舗が多いのが特徴です。主な業務は車検の検査業務ですが、車検に合格するための予防整備や、保安基準に適合しない箇所の部品交換、関連するメンテナンス作業も行います。自動車検査員の資格を持つ人材や、迅速かつ正確な作業ができる整備士の需要が高い職場です。 車検 (自動車検査登録制度) 自動車が道路運送車両法に定められた保安基準(安全性や環境保全に関する技術基準)に適合しているかどうかの検査を、国(運輸支局など)が一定期間ごとに行う制度です。「自動車継続検査」が正式名称で、この検査に合格しなければ、その自動車を公道で運行することはできません。新車登録から3年後、それ以降は自家用乗用車の場合、通常2年ごと(一部の商用車や特殊車両は1年ごとなど期間が異なる)に受ける必要があります。 自動車検査員 地方運輸局長から指定自動車整備事業(指定工場、民間車検場)の指定を受けた整備工場において、車検時の最終検査である「完成検査」を行うことができる国家資格者です。整備主任者としての実務経験など一定の要件を満たした上で、自動車検査員教習を修了し、地方運輸局に選任・解任の届出を行う必要があります。整備された自動車が道路運送車両法の保安基準に適合しているかどうかを最終的に判定する非常に重要な役割を担い、その判断には大きな責任が伴うため、高い技術力、判断力、そして公正さが求められます。

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