工場・製造関連の用語
ISO9001
製品やサービスの品質を保証するための国際規格です。製品そのものではなく、それらを生み出す組織のプロセス全体が適切に管理されていることを証明します。PDCAサイクルに基づく継続的な改善を基本原則としており、この認証を取得することで、顧客満足度の向上や取引先からの信頼獲得に繋がります。グローバルなサプライチェーンにおいて、品質レベルを統一するための重要な基準となっています。
安全衛生
労働安全衛生法に基づき、従業員が健康かつ安全に働ける職場環境を確保し、労働災害を防止するための一連の活動です。機械設備による負傷事故を防ぐ「労働安全」と、有害物質や過重労働から健康を守る「労働衛生」の二つの側面があります。具体的な活動には5S活動や危険予知訓練(KYT)、ヒヤリハット報告などがあり、企業の持続的成長に不可欠な要素です。
NC旋盤
NC(数値制御)装置を搭載した工作機械です。プログラムに基づいて刃物や加工物の動きを自動制御し、金属材料などを精密に加工します。手動の汎用旋盤と異なり、一度プログラムを設定すれば同じ製品を高い精度で繰り返し大量生産できるため、品質の安定化と生産性向上に貢献します。自動車部品や精密機器の製造に不可欠な設備です。
MRP
「資材所要量計画」とも呼ばれる生産管理手法です。生産計画と部品構成表(BOM)、在庫情報に基づき、製品の製造に必要な部品や原材料が「いつ、どれだけ必要か」を正確に計算します。これにより、資材の欠品や過剰在庫を防ぎ、適切なタイミングでの調達を可能にします。企業の資源を統合管理するERPシステムの基礎となる考え方です。
カイゼン
全従業員が参加し、日々の業務プロセスを継続的に少しずつ改善していく日本発祥の経営哲学です。大きな変革ではなく、「ムダ・ムラ・ムリ」を発見し、小さな改善を積み重ねることで品質やコスト、納期を最適化します。PDCAサイクルを用いて主体的に問題解決に取り組むことが奨励され、組織の競争力を長期的に向上させる原動力となります。
金型設計
プラスチックや金属製品を大量生産するために不可欠な「金型」を設計する専門技術です。製品図面を基に、材料特性や生産効率を考慮して、射出成形やプレス加工に用いる最適な型の構造を考案します。金型の品質が、その後に生産される数百万個の製品品質とコストを直接決定づけるため、ものづくりの根幹を担う極めて重要な工程です。
機械オペレーター
工場の生産ラインにおいて、NC旋盤やプレス機といった各種製造機械の操作、監視、保守点検を担当する技能職です。仕様書や図面に基づき、機械を正確に設定・操作し、定められた品質の製品を効率的に生産します。単なる操作だけでなく、稼働中の監視や品質チェック、トラブルへの対処も行い、製造ラインの安定稼働を支える重要な役割を担います。
機械設計・開発
製品のコンセプトに基づき、機能や性能を実現するための具体的な構造、形状、材料を決定し、図面や3Dモデルとして具現化する技術職です。材料力学などの工学知識を駆使し、CADやCAEといったツールを用いて、コストや生産性を考慮した最適な仕様を考案します。あらゆるものづくりの出発点であり、製品全体の性能やコストを左右する中核的な職務です。
組立・組付・加工
製造プロセスにおける基本的な作業工程群です。「加工」は原材料を設計図通りの部品に変える工程、「組付」は部品同士を接合して機能部品(モジュール)を作る工程、「組立」は部品やモジュールを組み合わせて完成品にする最終工程を指します。この「加工→組付→組立」の流れは、ものづくりの基本的な価値創造の連鎖を表しています。
軽作業
製造業や物流業において、専門資格や高度な技術を必要としない、比較的習得しやすい作業全般を指す職種分類です。具体的な業務には、検品、梱包、ピッキング(仕分け)、簡単な組立などがあります。作業の複雑度が低いことを意味し、必ずしも肉体的な負担が軽いわけではありません。製品の品質や納期遵守を支える重要な工程です。
5S
職場環境を維持・改善するための基本的な活動で、「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の5つの頭文字を取ったものです。不要な物を処分し(整理)、必要な物を使いやすく配置し(整頓)、職場をきれいに保ち(清掃)、その状態を維持し(清潔)、ルールを守ることを習慣化(しつけ)します。業務効率化、品質向上、安全確保の基盤となる活動です。
サプライチェーンマネジメント
原材料の調達から製造、物流、販売まで、製品が消費者に届く一連の流れ(サプライチェーン)を統合的に管理し、全体最適化を図る経営手法です。関係各社が需要や在庫情報をリアルタイムで共有することで、過剰在庫の削減やリードタイムの短縮、顧客満足度の向上を目指します。市場の変動に迅速に対応するための重要な経営戦略です。
射出成形
プラスチック製品を大量生産するための代表的な加工法です。加熱して溶かしたプラスチック材料を金型内に高圧で射出し、冷却・固化させて製品を作ります。金型の形状を精密に転写できるため、スマートフォンの筐体など複雑な形状の製品製造に適しており、高い生産性を実現します。現代の製造業に不可欠な基幹技術の一つです。
治具
製品の加工、組立、検査などの工程で、加工対象物(ワーク)を正確な位置に固定したり、工具の動きを案内したりするための補助的な器具です。「治工具」とも呼ばれます。治具を用いることで、作業者の熟練度に頼らずとも品質のばらつきを抑え、作業の精度と効率、安全性を高めることができます。多くは特定の製品や工程に合わせて専用に設計されます。
ジャストインタイム
トヨタ生産方式の柱の一つで、「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ」生産・供給する考え方です。後工程が前工程から必要な部品を引き取る「後工程引取方式」により、あらゆる在庫を徹底的に削減し、生産プロセスの「ムダ」を排除します。在庫管理コストの削減や生産リードタイムの短縮に繋がる一方、不測の事態に弱い側面もあります。
生産管理
製品の受注から納品まで、製造に関わる全プロセスを一元的に管理し、最適化する業務です。品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の三要素(QCD)を最適化することを目的とします。業務は生産計画の立案から資材調達、工程管理、在庫管理まで多岐にわたり、工場全体の司令塔としての役割を担います。
棚卸し
企業が保有する商品や原材料などの在庫(棚卸資産)の数量を、実際に数えて正確な在庫高を確定させる作業です。帳簿上の在庫数と実際の在庫数の差異を確認し、在庫管理の精度を高めることを目的とします。また、決算時に企業の利益を正確に算出するための会計上不可欠な手続きでもあります。
鋳造・鍛造
金属を成形する代表的な加工法です。「鋳造」は、溶かした金属を型に流し込んで冷やし固める方法で、複雑な形状の製品に適しています。「鍛造」は、熱した金属を叩いたり圧力をかけたりして成形する方法で、金属内部の結晶が整い、強度に優れた製品が作れます。航空機のエンジン部品などに用いられます。
TQC
「全社的品質管理」とも呼ばれ、製造部門だけでなく、設計、営業など全部門・全従業員が参加して品質向上に取り組む経営手法です。「品質は工程で作り込む」という思想に基づき、開発からアフターサービスまで全てのプロセスで品質向上を目指します。現場の自主的な改善活動である「QCサークル活動」も特徴の一つです。
TPM
「全員参加の生産保全」とも呼ばれ、生産設備の効率を最大限に高めるための活動です。保全部門だけでなく、現場のオペレーターも日常的な清掃や点検といった「自主保全」に参加し、設備の劣化や故障を未然に防ぎます。生産システム全体のロスをゼロにすることを目指し、企業の収益性向上に貢献します。
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