社労士事務所関連の用語
懲戒処分
従業員が就業規則に定められた服務規律などに違反した場合に、企業が科す制裁罰です。処分の根拠、種類(戒告、減給、出勤停止、懲戒解雇など)、該当事由は、あらかじめ就業規則に明記しておかなければなりません。処分の有効性は、違反行為の重大性と処分の重さのバランス(相当性の原則)によって判断され、不相当に重い処分は権利の濫用として無効となります。
適用事業所
法律に基づき、労働保険または社会保険への加入が義務付けられる事業所のことです。労働保険(労災保険・雇用保険)は、労働者を一人でも使用する事業は原則としてすべて適用事業所となります。社会保険(健康保険・厚生年金保険)は、法人の事業所であれば従業員数にかかわらず、個人事業所の場合は常時5人以上の従業員を使用する場合に強制的に適用事業所となります。
特定社会保険労務士
個別労働関係紛争において、裁判外紛争解決手続(ADR)における代理人として活動することが法的に認められた社会保険労務士です。厚生労働大臣が定める特別研修を修了し、紛争解決手続代理業務試験に合格することで、その旨が社労士名簿に付記されます。都道府県労働局などで行われる「あっせん」手続において、事業主または労働者の代理人となり、紛争の円満な解決を支援する、準司法的な役割を担います。
ハローワーク
「公共職業安定所」の愛称で、国民に安定した雇用機会を確保することを目的とした国の行政機関です。主な業務は、職業紹介や雇用相談、雇用保険に関する手続き(資格取得・喪失、基本手当の受給手続きなど)です。企業にとっては、求人の申込みや、従業員の入退社に伴う雇用保険手続き、各種助成金の申請窓口となります。
被保険者種別
国民年金の加入者を、その職業や立場によって分類する3つのカテゴリーです。「第1号被保険者」は自営業者や学生など、「第2号被保険者」は厚生年金に加入する会社員や公務員、「第3号被保険者」は第2号被保険者に扶養される配偶者を指します。この種別によって保険料の納付方法や手続きが異なるため、転職や退職、結婚などで種別が変わる際には注意が必要です。
標準報酬月額
健康保険や厚生年金保険の保険料を計算するために、被保険者(労働者)の報酬月額を一定の幅で区分したものです。毎年1回の算定基礎届(定時決定)や、報酬が大幅に変動した際の月額変更届(随時改定)によって決定・改定されます。この標準報酬月額に保険料率を乗じることで、毎月の社会保険料が算出されます。
紛争解決手続代理業務
個別労働関係紛争について、裁判によらない解決手段であるADR(裁判外紛争解決手続)において、当事者の代理人として活動する業務です。この業務は、特別研修を修了し試験に合格した「特定社会保険労務士」のみが行える独占業務です。都道府県労働局などで行われる「あっせん」手続で、労使間の円満な解決を支援します。
メンタルヘルス対策
労働者の心の健康を保持増進するための企業における取り組みです。ストレスチェック制度の実施、相談窓口の設置、管理職への教育(ラインケア)、職場環境の改善などが含まれます。労働者の安全配慮義務の一環として、企業に求められる重要な責務であり、生産性の向上や離職率の低下にも繋がります。
有給休暇
正式名称を「年次有給休暇」といい、労働者の心身の疲労を回復させることを目的とした、賃金が支払われる休暇のことです。雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、最低10日間付与されます。また、使用者は年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、年5日については時季を指定して取得させることが義務付けられています。
離職票
正式名称を「雇用保険被保険者離職票」といい、労働者が離職したことを証明し、雇用保険の基本手当(失業手当)の受給手続きを行うために不可欠な公的書類です。事業主がハローワークに「離職証明書」を提出することで交付されます。特に、離職理由の記載は、基本手当の給付日数や給付制限期間の有無を決定する極めて重要な項目であり、その判断には法的な正確性が求められます。
労災保険
正式名称を「労働者災害補償保険」といい、労働者が業務上の事由または通勤によって負傷、疾病、障害、死亡した場合に、被災労働者や遺族に対して必要な保険給付を行う制度です。保険料は全額事業主が負担します。労働者を一人でも使用する事業は、原則として加入が義務付けられています。
労使協定
使用者と、労働者の過半数で組織する労働組合(または労働者の過半数代表者)との間で締結される書面による協定です。労働基準法では、法定労働時間を超えて労働させる場合(36協定)や、賃金の一部を控除する場合(賃金控除協定)など、法律で定められた原則に対する例外的な取り扱いを認めるために、労使協定の締結と、多くの場合、所轄労働基準監督署長への届出が要件とされています。
労働基準監督署
労働基準法などの労働関係法令に基づき、事業場への立入調査(臨検)、法違反に対する指導・是正勧告、そして労災保険の給付などを行う厚生労働省の第一線機関です。就業規則や36協定の届出先でもあります。労働者からの申告に基づき調査を行うこともあり、企業にとって適正な労務管理を徹底する上で、その指導や監督は極めて重要です。
労働条件通知書
労働基準法に基づき、使用者が労働者との労働契約締結に際して、賃金、労働時間、その他の労働条件を明示するために交付する書面です。特に、賃金や労働時間、契約期間といった根幹的な事項は、書面での明示が義務付けられています。就業規則よりも労働者にとって有利な条件が記載されている場合は、この通知書の内容が優先されます。
労働保険の年度更新
事業主が、前年度(4月1日~3月31日)に支払った賃金総額に基づいて確定保険料を計算・精算し、同時に新年度の概算保険料を申告・納付する、年に一度の重要な手続きです。毎年6月1日から7月10日までに行うことが義務付けられています。この手続きを通じて、企業の一年間の雇用動向や人件費の変動を把握できるため、労務管理上の課題を発見し、コンサルティングに繋げる戦略的な機会ともなります。
老齢年金
公的年金制度の加入者が、原則として65歳に達したときに、老後の生活保障として支給される年金です。国民年金から支給される「老齢基礎年金」と、厚生年金保険の加入期間がある場合に上乗せされる「老齢厚生年金」があります。受給するためには、受給資格期間(原則10年以上)を満たした上で、本人による「裁定請求」という手続きが必要です。
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