薬剤師関連の用語
DI業務
医薬品に関する情報を国内外から収集・評価・整理・加工し、医療従事者(医師、看護師、薬剤師など)や患者に対して、適切かつ迅速に提供する専門業務のことです。医薬品の適正使用の推進、副作用情報の伝達、新薬情報の提供、問い合わせ対応などが含まれます。
登録販売者
OTC医薬品(一般用医薬品)のうち、第二類医薬品と第三類医薬品の販売を行うことができる専門資格です。薬剤師とは異なり、第一類医薬品の販売や調剤業務は行えませんが、ドラッグストアや薬店などで、購入者への情報提供や相談対応を行い、セルフメディケーションの推進に重要な役割を果たします。
ドラッグストア
OTC医薬品や健康食品、化粧品、日用品などをセルフサービス方式で販売する小売店です。薬剤師や登録販売者が配置され、医薬品の相談販売を行います。近年では、調剤薬局を併設し、処方箋の受付も行う店舗が増加しており、地域住民の健康維持・増進の拠点としての機能も強化されています。
ドーピング
スポーツ競技において、競技能力を不正に向上させるために、世界アンチ・ドーピング規程(WADAコード)で禁止されている物質や方法を使用することです。薬剤師は、アスリートが意図せずに禁止物質を摂取してしまう「うっかりドーピング」を防ぐため、使用する医薬品やサプリメントの成分を確認し、適切な情報提供を行う重要な役割を担うことがあります(スポーツファーマシストなど)。
認定実務実習指導薬剤師
薬学部の学生が行う実務実習において、学生の指導・教育を行うために必要な資質と能力を有すると認定された薬剤師のことです。薬学教育協議会などが実施する養成研修を修了し認定を受けます。学生に対して、実際の調剤業務や服薬指導などの実践的な指導を行い、将来の薬剤師育成に貢献します。
認定薬剤師
特定の専門分野(例:がん薬物療法、感染制御、精神科薬物療法、妊産婦・授乳婦薬物療法、緩和医療など)において、高度な知識と技能、豊富な実務経験を有することを、関連する学会などが認定する制度、またはその資格を持つ薬剤師のことです。専門性を高め、より質の高い薬物療法や患者ケアを提供することを目的としています。
ハイリスク薬
特に安全管理が必要な医薬品とされ、副作用が発現した場合に重篤な健康被害(入院や死亡など)につながる可能性が高い医薬品のことです。抗がん剤、免疫抑制剤、抗凝固薬、インスリン製剤、ジギタリス製剤などが代表的です。薬剤師は、これらの薬剤の調剤・交付時に特に慎重な監査と、患者への丁寧な服薬指導、副作用モニタリング、投与量の確認などが求められます。
バイオ医薬品
遺伝子組換え技術や細胞培養技術などのバイオテクノロジーを応用して製造される医薬品のことです。インスリン、成長ホルモン、エリスロポエチンといったタンパク質製剤や、特定の分子を標的とする抗体医薬、ワクチンなどが代表的です。従来の低分子医薬品とは異なり、複雑な構造を持ち、製造工程や品質管理、保管・取り扱いに専門的な知識と注意が必要です。
副作用
医薬品を使用した際に現れる、治療目的以外の好ましくない作用のことです。発疹、眠気、吐き気などの比較的軽微なものから、アナフィラキシーショックや重篤な肝機能障害、間質性肺炎など生命に関わるものまで様々です。薬剤師は、服薬指導の際に主な副作用について説明し、患者が初期症状に気づけるように情報提供を行い、副作用が疑われる場合は速やかに医師への連絡を促したり、厚生労働省へ報告したりする役割を担います。
服薬指導
薬剤師が患者に対して、処方された医薬品の名称、用法・用量、効能・効果、主な副作用、保管方法、相互作用(他の薬や食品との飲み合わせ)、服用上の注意点などについて、分かりやすく説明し、患者が薬物療法を正しく理解し、安全かつ効果的に実施できるように支援することです。お薬手帳を活用し、患者の服薬状況や体調変化の確認、アドヒアランス(服薬遵守)の向上も目指します。
ポリファーマシー
単に服用する薬剤数が多いことだけを指すのではなく、多種類の薬剤を併用することにより、副作用のリスク増加、薬物相互作用、服薬アドヒアランス(服薬遵守)の低下、医療費の増大などの問題が生じやすくなる状態を指します。特に高齢者において問題となることが多く、薬剤師は医師と連携し、処方内容の整理や減薬提案などを通じて、ポリファーマシー対策に積極的に貢献します。
薬学部
薬剤師を養成するための大学の学部です。現在の薬剤師養成課程は6年制であり、薬学に関する基礎科学から、医薬品の創製・製造・管理、臨床における薬物療法、公衆衛生、薬事関連法規・制度まで幅広い分野を学びます。カリキュラムには、病院や薬局での実務実習も含まれています。
薬剤師国家試験
薬剤師の資格を取得するために、年に一度実施される国家試験です。原則として6年制の薬学部の卒業者(または卒業見込みの者)が受験資格を持ち、薬剤師として必要な倫理観、基礎薬学、衛生薬学、医療薬学、薬事関係法規・制度など、幅広い分野の知識や実践的な問題解決能力が問われます。
薬歴
患者が過去から現在までに使用した医薬品(処方箋に基づく医薬品、OTC医薬品、サプリメントなど)、アレルギー歴、副作用歴、併用薬、既往歴、生活習慣、嗜好品、検査値などを、薬剤師が患者ごとに継続的に記録したものです。服薬指導の内容や疑義照会の結果なども記載され、薬物療法の有効性・安全性の評価、重複投与や相互作用の防止、患者への適切な情報提供などに活用されます。電子薬歴の導入も進んでいます。
薬価
医療保険制度において、保険診療で使用できる医薬品の公定価格(国が定める価格)のことです。厚生労働大臣が告示し、原則として2年に1度改定されます。薬局や医療機関は、この薬価に基づいて薬剤費を算定し、健康保険組合などの保険者に調剤報酬や診療報酬を請求します。
薬局製剤
薬局の開設者が、その薬局における設備及び器具をもって、薬剤師の管理のもとに、医師等の処方箋によらずに消費者の需要に応じて販売・授与する目的で製造(混合など)する医薬品のことです。薬局ごとに厚生労働大臣の承認を受けた品目に限り製造・販売が可能で、一般のOTC医薬品とは区別されます。
用法・用量
医薬品を効果的かつ安全に使用するための、具体的な服用(使用)方法(例:1日3回食後、就寝前など)と、1回に服用(使用)する量や1日の総量のことです。医師が処方箋に正確に記載し、薬剤師はそれに基づいて調剤し、患者に分かりやすく服薬指導を行います。
臨床薬剤師
主に病院内で、医師や看護師などの医療スタッフと連携し、チーム医療の一員として、患者の薬物療法に積極的に関与する薬剤師のことです。病棟での服薬指導、持参薬の管理、副作用モニタリング、処方設計への参画(処方提案)、TDM(薬物血中濃度モニタリング)業務、医薬品情報の提供(DI業務)など、より専門的かつ患者に近い立場で質の高い薬学的ケアを実践します。
レギュラトリーサイエンス
科学技術の成果(医薬品、医療機器、食品など)を、人と社会に役立てることを目的に、その品質、有効性、安全性を評価し、適切な規制や基準を策定・運用するための科学です。医薬品の開発から承認審査、市販後の安全対策(ファーマコビジランス)に至るまで、科学的根拠に基づいた的確な予測、評価、判断を行う上で重要な考え方となります。
レセプト
医療機関や薬局が、患者に対して行った診療行為や調剤について、その内容や算定した費用などを詳細に記載し、保険者(健康保険組合など)に医療費(診療報酬や調剤報酬)を請求するために作成する明細書のことです。薬剤師や調剤事務は、調剤内容に基づいて正確なレセプトを作成し、審査支払機関へ提出する業務を担います。
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