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定年後の再就職・60歳からの仕事の探し方を紹介!

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

定年後の再就職で60代の定年前後の年代の方で、再就職に困っていませんか? 今回はそんな悩みを解決すべく、60代の転職事情をお伝えいたします。

目次

年金の受給開始年齢が65歳へと引き上げられています。
さらに70歳へと引き上げる案も!
また年金だけでは2000万円足りないという話題もありました。
定年後の生活を守るためにどうすればよいのか?
60歳からの再就職や仕事の探し方をご紹介します。

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定年後に再就職先を探す方法

定年後に再就職先を探す方法には、大きく6つの方法があります。
それぞれ長所・短所がありますが、慣れない動きになるため、自分だけで悩まずに、詳しい人物から助言をもらうことがスムーズな再就職につながります。

人材紹介サービスの活用

60歳以上を対象とした人材紹介サービスが増えています。
民間のサービスと公的なサービスがあり公的なものはハローワークです。

ハローワークや民間のサービスの多くは、60歳以上を対象としていても、全年齢を扱っていて60歳以上が不利となる場合があるので注意が必要です。
相談する場合は、60歳以上を専門に扱う人材紹介サービスが安心できるでしょう。

また、人材紹介サービスと似たものに人材派遣サービスがあります。
紹介の場合は紹介先への転職を支援してもらえるのに対し、派遣は派遣会社に所属して派遣先で働きます。人材派遣サービスにも60歳以上を専門に扱うサービスがあります。

起業・フリーランス

最近ではクラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングのサービスでもシニア向けの窓口が登場しています。
これは個人事業主=フリーランスとして個人で仕事を請け負う働き方です。

また、シニアの方が自ら会社を立ち上げる起業という形もあります。
起業やフリーランスでは自ら働く時間や内容を決めやすいといったメリットがあるものの、若い方を含めた多数の競合と純粋に仕事内容で競うことになるため、注意が必要です。

継続雇用制度の活用

年金支給開始年齢が引き上げられたため、企業はその年齢まで継続雇用しなければならなくなりました。
定年後もこの制度に沿ってこれまでと同じ職場に勤め続ける選択肢もあります。

企業ごとに制度が違い、一旦退職となって再び雇用される再雇用制度と、そのまま雇用が続く勤務延長制度があります。
再雇用の場合、給与などが下がる可能性があります。

知人からの紹介

シニアの再就職先の探し方として古くから候補に挙がるものが知人からの紹介、いわゆる縁故です。
過去には公務員の天下りといったものがあり、民間でも確実性の高い就職方法と考えられていますが、縁故を頼った就職も、60歳以上では若い頃より格段に難しくなる、という声もあります。

シルバー人材センターの活用

シニア専門のお仕事紹介として有名なのがシルバー人材センターです。

しかし、転職支援ではなく、収入が少ない傾向があります。
また、年齢の上限はないとしながらも、職種ごとに年齢制限があったり、同じ仕事で勤められる年数が制限されていたりするため、実質的に長く勤められないケースがあります。

シニア向け転職サイトの活用

シニア向けの転職サイトも増えてきました。
注意が必要なのは転職サイトでは人材紹介サービスほど手厚いサービスが受けられず、シニアの方が自分で応募や交渉をしなければならない場合があることです。

求人数も人材紹介サービスより少ない場合があります。
サービスによっては転職サイトと人材紹介サービスの両方がある場合もあるので、提供サービスの内容を確認してみましょう。

このように60歳からの仕事探しには様々な方法があります。
相談できるのかできないのか、どんな仕事があるのか、どんな条件なのかなどをしっかり確かめて方法を選ぶとよいでしょう。

定年後、60代以上の方が就いている仕事の傾向

定年後の60代以上の方はどれくらいの方が働いているのか?
そして、どんなお仕事に就いているのか?
国のデータなどからその実態をご紹介します。

定年後 再就職 60歳 就業率

出典:「年齢階層別 就業率」内閣府(平成23年)

定年後 再就職 60歳 就労意欲

出典:「就労希望年齢」内閣府(平成26年)

定年後 再就職 60歳 働きたい

7割が働きたいのに4割しか働けていないシニアの現状

定年後、働いている方の割合は、平成23年の内閣府の調査で、60〜64歳で57.3%、65〜69歳では36.3%となっています。

一方、シニア層の就労意欲調査では、71.9%の方が「65歳を超えても働きたい」と回答しています。
最近では国が年金受給開始年齢を引き上げ、企業に継続雇用を義務付けたため、定年後、60歳以上の再就職も進んできましたが、まだまだ「働きたいのに働けない」という60歳以上の方が多いことがわかります。

専門の資格や経験はシニア転職でも有利

シニアに特化したお仕事紹介を提供する株式会社シニアジョブが発表したシニア求職者向けアンケート結果では、80.2%が週5日以上の勤務を希望し、76.9%が1日8時間勤務を希望しているなど、多くがフルタイムを希望しているという結果が出ています。

ただし、年齢が高くなるほど、少ない勤務日数や、短い勤務時間を希望し、パートタイムでの働き方を希望する傾向になるようです。
このアンケート結果では、フルタイム希望者が多いため、働き方としても正社員や契約社員の希望が多く、派遣社員の希望が少なくなっていますが、退職後の働き方として派遣社員という選択肢もあります。
職種によっては60歳以上を対象とした派遣社員の求人も多くあり、希望する60歳以上の方も少なくありません。

定年後の再就職では、専門的な技術を持ち、その資格や経験を持つ方が有利になります。
例えば、施工管理技士や自動車整備士、税理士といった国家資格の有資格者が代表的ですが、それ以外にも医療事務などは資格の有無に関わらず、経験者であれば評価されやすいお仕事です。
逆に有資格者であっても応募するお仕事についての経験が少ないと評価されにくい傾向があります。専門特化した「その道のプロ」のような人材が、60歳からの仕事探し、再就職では求められています。

定年後に60代以上の方が就いている仕事についてまとめると、

  • まだ、働きたいのに仕事に就いていない方も多い
  • 定年後すぐはフルタイムで働きたい方が多い
  • さらに年齢が高くなるとパートタイムの希望が増える
  • 有資格者や専門技術を持った方が活躍しやすい


といった傾向がわかります。
どんな仕事探しをするかの参考にしてみてください。

定年後、60代以上に人気の仕事5選

実際に定年後の60代以上の方に人気のお仕事には、どんなものがあるでしょうか?
応募や希望が多いだけでなく、実際に満足して働いている方が多い職種5つをピックアップしました。

  • 施工管理技士
  • 税理士・税理士補助
  • 自動車整備士
  • 医療事務
  • 製造業


施工管理技士

60代以上に人気で、転職後も満足して働く人が多い職種には、建設業の施工管理技士が挙げられます。
建設業は以前から60代以上の方が活躍していた業界なので、定年後の再就職も活発です。
資格や経験が細分化されており、電気工事施工管理、建築施工管理、土木施工管理などは特に人気です。建築士や建設営業職も人気のお仕事です。

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税理士

税理士も人気があり再就職が活発ですが、有資格者だけでなく経理経験の長い方が税理士補助として再就職するケースも増えています。

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自動車整備士

自動車整備士についても人材不足からニーズが高く、人気です。自動車整備士も資格や経験が細分化されているため、自身の経験に沿った仕事選びが必要です。

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医療事務

医療事務のお仕事は、資格よりも経験が重要となるお仕事の一つです。資格を持っていなくても、保険請求事務(レセプト業務)の経験が豊富であれば、再就職しやすくなります。

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製造業

製造業もシニアの人気が高いお仕事です。
製造業と言っても、エンジニア、生産管理、マシンオペレーター、作業員などと職種が細かく分かれ、業種も多種多様なので、やはり経験とお仕事が合っていることが重要です。どの職種であっても60代以上では専門技術への熟練度が問われます。

以前は「退職後は趣味を仕事にしたい」といった話をよく聞きましたが、こうして見てみると、すべて退職前からの専門的なお仕事の延長であることがわかります。
それでも実際に働いている60代以上の方からは、「この仕事で社会の役に立ちたい」「この仕事が好きだから生涯続けたい」といった声が聞かれます。
今一度、これまでの経験やスキルを振り返り、退職後、60歳からの仕事探しを成功させてください。

まとめ

定年後、60歳からの仕事探しは誰しも不安なものです。
体力や健康の心配、介護など家庭の事情、ブランクなど能力への不安など、若い頃の転職とは状況が違います。

しかし、一人で悩みを抱えても状況は改善しません。
シニア専門のキャリアアドバイザーなど、60歳からの仕事探しのプロに、再就職について相談することで、一度客観的にご自身のキャリアを見つめ直すのもよいでしょう。

この記事の監修者

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。

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