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中高年の転職に有利な資格ってなに?業種・業界別に一覧でご紹介!

片桐吉晶 【キャリアアドバイザー】

中高年の転職に有利な資格があります。どの資格が有利になるのか、業種・業界別に一覧で分かりやすくご紹介!メリットや注意点も含め解説します。

目次

転職を考えたときに、多くの人が資格の取得を考えます。
中高年になると年齢で転職が難しくなりがちですが、資格を取得している50代の方が転職を成功させたケースもよく耳にします。
どのような資格が転職で有利になるか、おすすめの資格を業種・業界別にご紹介します。

資格を取得するメリット

資格勉強中の中高年男性
では、資格を取得することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリットをいくつかご紹介します。

資格が無いと働けない仕事に就くことができる

例えば、看護師、税理士、弁護士といった業務独占資格があります。
業務独占資格は、資格を持っている人だけが独占してその業務を行うことができます。
資格を所持することによって、このような職に就くことができます。

努力をアピールすることができる

仕事や家庭と両立しながら資格を取得することは、簡単なことではありません。
そのような状況において資格を取得できた人はかなりの努力をしたと採用担当は感じるでしょう。

資格手当などで高収入が期待できる

企業によっては福利厚生に資格手当があるところがあります。
資格によって手当の金額はさまざまですが、資格があることによって今までより高収入が期待できます。

定年後も長く働くことができる

定年後の時間を活用して資格を取得した結果、再就職が決定して定年後も働くことができたシニアもいます。
長く働くために資格を取得するのも一つの手です。

実務に役立つ有利な資格一覧:営業職編

職業ごとに持っていると実務に役立つ資格をご紹介します。まずは営業職に役立つ資格です。

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

営業職の場合、マイクロソフトオフィススペシャリストを取得しておくと実務の役に立ちます。マイクロソフトオフィススペシャリストは、エクセルやワードなどのマイクロソフトオフィス製品のスキルを証明できる資格です。
営業関連だけではなく、事務やオフィスワークなどでも幅広く生かせます。

営業士検定

営業士検定は、マーケティング・セールスのスペシャリストの資格です。

実務に役立つ有利な資格一覧:事務職・秘書・オフィスワーク編

続いては、事務職や秘書の実務に役立つ資格をご紹介します。

秘書技能検定

秘書技能検定は、事務や秘書を目指している人だけではなく、社会人としてのビジネスマナーや常識を身につけるために多く受験されています。

日商PC検定

日商PC検定は、MOSと並ぶ有名なPCスキルの検定です。PC操作以外にも文書作成、プレゼン資料の作成などのスキルが問われます。

実務に役立つ有利な資格一覧:清掃・建設業編

続いては、清掃業や建設業などの実務に役立つ資格をご紹介します。

ビルクリーニング技能士

ビルクリーニング技能士は、ビル清掃のスキルがあることを証明できる検定です。清掃業の実務に役立ちます。

フォークリフト運転技能講習修了証

フォークリフトは、動力付き荷役運搬車両です。最大積載荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには、フォークリフト運転技能講習修了証が必要です。
工場や物流倉庫などのさまざまな場面で利用されているので、この資格を持っていると幅広い場所で活躍できます。

アーク溶接

溶接の中でもっとも一般的な溶接技術がアーク溶接です。
事前の勉強などは特に不要で、講習をしっかりと受講すれば資格を取得できます。
自動車メーカーや修理工場、建設業などで活躍ができます。

ガス溶接

溶接の仕事を始めたいという方にまず必要な資格です。この資格があれば溶接の仕事ができます。
試験の難易度が低いため、多くの人が合格をしています。

玉掛技能講習

玉掛とはクレーンを使って荷物運搬をする際に、荷掛け及び荷外し作業を行うことをいいます。
玉掛は大きい荷物を運搬する際には必要な業務なので、建設現場で多く活躍しています。
移動式クレーンを所持している場合は受講が免除されます。

移動式クレーン免許

移動式クレーンを運転するにはつり上げ荷重によって、講習の受講や資格が必要になります。
5トン以上の場合、移動式クレーン免許が必要です。
移動式クレーンは建設現場で多く使用されています。

危険物取扱者乙種第4類

危険物取扱者にはいくつか種類がありますが、その中でも一番人気なのが、危険物取扱者乙種第4類です。
乙種第4類が人気な理由として、実務で役立つケースが多いという点が挙げられます。
この資格を所持していると、ガソリンスタンドのスタッフなどで活躍できます。

実務に役立つ有利な資格一覧・警備業編

続いては、警備の現場で役に立つ資格をご紹介します。

警備員検定

警備員として働く、またはステップアップを目指している人にとって有利になる資格です。この検定は6種類ごとにわかれています。
「施設警備業務検定」、「交通誘導警備業務検定」、「雑踏警備業務検定」、「貴重品運搬警備業務検定」、「核燃料警備業務検定」、「空港保安警備業務検定」があります。

警備員指導教育責任者

警備員の指導、教育をおこなうことができる資格です。これを受験すうるには警備員としての実務経験が3年以上必要です。

実務に役立つ有利な資格一覧・管理業編

続いては、管理などの実務に役立つ資格をご紹介します。

マンション管理員検定

 マンション管理員とは、マンションの現場に常駐している立場をいいます。
管理員としてのスキルアップを目指す方が取得する資格です。

衛生管理者

職場での健康障害を防止するために、50人以上の労働者がいる事業所には必ず置く必要があります。
受験するにはいくつか条件が必要で、労働衛生の実務経験が最低条件となっています。

業界の資格一覧:建設業界

ここでは中高年の転職でおすすめの資格を業界別にご紹介します。まずは建設業界の資格についてです。

施工管理技士

建設業界においては最も有名な資格で、国家資格です。
施工管理技士の資格には有名なものとして建築、土木、電気、管工事といった種類があります。
この資格にはそれぞれ1級と2級があり、仕事内容には大きな違いはありませんが、扱うことのできる工事現場の規模が異なります。

<施工管理技士に関連する記事>


建築士

建築士は建築物の設計および工事監理をおこなう職業の人が持っている資格です。
建築士にも一級と二級があり、施工管理技士と同様で、扱うことのできる建築物の案件規模が異なります。

電気工事士

建設業界の中でも比較的難易度の低い資格です。
住宅やビルなどの電気設備の欠陥工事による火災や感電などの事故を防止するために定められた資格です。
電気工事士には第一種と第二種があります。
第一種は第二種よりも試験の難易度が高めですが、第二種よりもより規模の大きな広い範囲の電気工事を受け持つことができます。

業界の資格一覧:士業

続いては士業の業界で役立つ資格を紹介します。

日本商工会議所簿記検定(日商簿記)

この資格は経理事務や一般事務だけでなく、会計事務所などに税理士補助として就職する際にも有利になります。
中高年であれば3級以上を所持していると評価されます。
2級や1級はかなり難易度が高く、シニアの場合、2級以上が評価されやすくなります。

税理士

税理士は難関国家資格のひとつとして有名です。
税理士試験に合格して税理士として活躍する人もいれば、科目の一部の合格だけでも、会計事務所などで税理士補助として働く人もいます。

<税理士の転職に関連する記事>


弁護士

司法試験に合格することによって、弁護士の資格が得られます。
弁護士資格を取得すると、「弁理士」、「税理士」、「社会保険労務士」、「行政書士」、「海事補佐人」に登録できます。
また、司法試験に合格すると「裁判官」、「検察官」、「弁護士」のいずれかになることができます。

社会保険労務士

社会保険労務士は労働問題と社会保険制度に関するスペシャリストです。
開業する人もいれば、企業で社会保険労務士として活躍する人もいます。

公認会計士

難関国家資格のひとつで、2006年から受験資格がなくなり、誰でも受けられるようになりました。

業界の資格一覧:整備業

続いては整備の業界で役立つ資格を紹介します。

自動車整備士

この資格は1級から3級まであり、自動車の点検や修理などを行う専門的な人が多く持つ資格です。
主な勤務先はディーラーやサブディーラー、整備工場、カー用品ショップです。
以前、シニアタイムズで自動車整備士の資格について詳しく書いた記事がありますので、参考にしてください。

自動車整備士に関連した記事


損害保険募集人

保険会社からの委託を受け、損害保険会社などでお客様に対して損害保険の販売を行うための資格です。
この資格を持つと、ディーラーや損害保険会社などで活躍することができます。

業界の資格一覧:医療・福祉

続いては医療・福祉の世界で役立つ資格を紹介します。

看護師

看護師は「正看護師」と「准看護師」があり、正看護師は厚労相から免許を受ける国家資格ですが、准看護師は都道府県知事から免許を受けます。
どちらも仕事の概要は類似していますが、准看護師では自身の判断で看護業務を行えない、管理職に就けず他の看護師への指示が出せないなど業務に制限があります。
この他、専門看護師や認定看護師といったより高度な専門知識と経験を認める資格もあります。
看護師は病院やクリニック、福祉施設などで活躍できます。

医療事務

医療事務の民間資格は非常に多く、女性からとても人気があります。
その中でも有名なものは「医療事務技能審査試験」、「医療事務管理士」、「診療報酬請求事務能力認定試験」です。
医療事務の資格の中には通信講座などで取れるものもあるので、手軽に取りやすい資格のひとつでしょう。

介護

介護業界は今後、高齢化もあるので市場拡大の見込みがあります。
有名な資格として、「介護職員初任者研修」、「介護福祉士実務者研修」、「介護福祉士」があります。
通信講座で取れる資格も多いので、働きながら取ることもしやすい資格でしょう。ただ「介護福祉士」など一部実務経験の必要な資格もあるので要注意です。
老人ホームや介護老人保健施設などの福祉施設が主な就業先です。

資格取得の注意点

資格取得のための講座(ケアマネジャー、介護福祉士、医療事務、登録販売者、調剤薬局事務、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士など)
ここで資格取得の際に注意をしておくべきポイントをご説明します。

時間がかかる

資格を取得するには、勉強する時間の確保が必要です。
働きながら勉強の時間を確保することは非常に難しいです。
すきまの時間や休日の時間を充てる必要があります。

費用がかかる

資格の取得には独学、通信講座などを受けるといった方法がありますが、
どちらも勉強するための教材代、受験代がかかります。
また、資格を得たあとも登録するための費用がかかる場合があります。

資格だけではなく、経験が必要な場合が多い

資格を所持しているだけでは採用されない場合があります。
中には経験を重視する企業もあるので、資格を取得してからある程度の経験を積んだ方がより採用されやすくなります。

まとめ


今回は転職や再就職に有利になる資格をご紹介しました。

中高年になると転職が難しくなると感じるかもしれませんが、資格を取得することで転職先の幅が広がるかもしれません。
資格の取得は転職だけではなく、自身のキャリアアップにもつながります。

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ぜひこの記事を参考にして、資格の取得にチャレンジしていただけたらと思います。

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この記事の監修者

片桐吉晶 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談5,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間800名の履歴書、職務経歴書を作成。建設業界や自動車業界、医療・介護業界の人材市場を熟知。「シニア人材の適切な採用・育成方法」などのテーマで、企業セミナーに講師として登壇中。

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