登録販売者とは?50代でも取得できる注目資格!多くのメリットも!
登録販売者資格は実務経験がなくても取得できる! パートで働く人にもおすすめ!
登録販売者とは薬のエキスパート。医薬品を扱う現場から高い需要のある資格です。この記事では、登録販売者のメリットや仕事内容、資格試験の難易度や登録販売者になるまでの流れを解説します。
- 目次
- 登録販売者とは?
- 登録販売者とは薬剤師に次ぐ医薬品のエキスパート
- 登録販売者になるためには資格を取得する必要がある
- 登録販売者の主な仕事内容は2つ
- 就職先はドラッグストアを中心に多岐にわたる
- 登録販売者の仕事には将来性がある!
- 登録販売者資格を取得するメリット
- 給与や時給が上がりやすい
- 全国各地に求人がある
- 正社員やパートなど柔軟な働き方を選べる
- 薬の知識が日常生活で役立つ
- 登録販売者の収入目安
- 登録販売者資格の詳細
- 登録販売者試験の試験日は年に1回
- 受験資格はなし!誰でも受験可能
- 試験内容は医薬品や薬事に関する5項目120問
- 合格率は4〜5割|難易度は中程度
- 登録販売者資格は独学でも合格可能?
- 登録販売者と薬剤師の違い
- 登録販売者になるための流れ
- ステップ①登録販売者資格を取得する
- ステップ②勤務先の都道府県に販売従事登録をする
- ステップ③実務従事証明書の申請をする
- まとめ・誰でも受けられる登録販売者資格でキャリアアップを
登録販売者とは?
2009年に誕生した登録販売者の資格。耳馴染みのない人もいるでしょう。まずは、登録販売者の詳細を解説します。
登録販売者とは薬剤師に次ぐ医薬品のエキスパート
登録販売者とは一般用医薬品の販売が可能な薬の専門家のこと。いわば、薬剤師に次ぐ医薬品のエキスパートです。
一般用医薬品とは処方箋がなくても買える医薬品のことで、「市販薬・家庭用医薬品・OTC医薬品」とも呼ばれます。医療用医薬品に比べ、効果が抑えめであることが特徴です。
今では当たり前のようにさまざまな場所で買える一般用医薬品。登録販売者の資格が誕生する前は、医薬品を販売する店舗には薬剤師が在中している必要がありました。
しかし、薬剤師不足により一般用医薬品を販売できる店舗が少ない上、薬の必要な情報を多くのお客さんに提供できないという問題が発生していました。
この問題を解決するために誕生したのが、登録販売者。登録販売者が販売できるのは、第2類・第3類の一般医薬品ですが、一般的なドラッグストアで扱っている市販薬の90%以上は第2類・第3類に該当します。
第2類 | 第3類 | |
---|---|---|
代表的な商品 |
|
|
特徴 | まれに入院相当以上の | 日常生活に支障を来す |
情報提供の義務 | 相談があった場合:義務 | 相談があった場合:義務 |
そのため、登録販売者がいれば大半の一般市販薬は販売できるようになりました。
薬剤師だけでなく登録販売者が一般用医薬品を販売できるようになったため、今ではドラッグストアはもちろん、コンビニ・ホームセンター・家電量販店など多くの店舗で一般医薬品を買えるようになっています。
登録販売者になるためには資格を取得する必要がある
登録販売者になるためには、都道府県が実施している「登録販売者試験」に合格する必要があります。
登録販売者資格は国家資格とは定義されていませんが、厚生労働省が「国の資格制度」として認めている公的な資格です。販売に従事する人は取得しておいて損はないでしょう。
登録販売者の主な仕事内容は2つ
登録販売者にはさまざまな仕事がありますが、主な仕事は「一般用医薬品の販売」と「所属店舗の接客販売に関わる業務」の2つです。
お客様の要望をヒアリングして一般用医薬品の適切なアドバイスをする
一般用医薬品の販売は、登録販売者の代表的な仕事です。お客様の症状や目的をヒアリングし、適切な医薬品をおすすめします。
一般用医薬品の販売に関わる主な業務
- 現在の症状のヒアリング
- アレルギーの有無
- 服用中の薬の有無
- 薬の成分や飲み方の説明
- 生活習慣改善のアドバイス
- 医療機関受診のすすめ など
医薬品の外箱には必ず含有成分が含まれていますが、一般の人は読んでもどのような成分なのかわからない場合が多いでしょう。そんな人に、薬の成分・効果・副作用などを説明し、安心して薬を購入してもらうことが大切な仕事になります。
店舗での接客販売に関わる業務全般
登録販売者は医薬品を販売している店舗で働くことがほとんどです。そのため、店舗での接客販売に関わる業務全般も主な仕事に含まれます。
店舗での接客販売に関わる主な業務
- 接客
- レジ
- 発注
- 品出し など
登録販売者として働くことになっても、医薬品の知識とは関係ない上記のような仕事も担当することが現状です。
就職先はドラッグストアを中心に多岐にわたる
登録販売者の就職先は一般医薬品を販売しているところです。昔に比べ一般医薬品を置いている店舗が増えたため、就職先は多岐にわたります。
登録販売者の主な就職先
- ドラッグストア
- 薬局
- 調剤薬局
- コンビニ
- スーパー
- ホームセンター
- 家電量販店
- コスメショップ
- 介護施設 など
登録販売者は化粧品や健康食品に関する知識も豊富です。そのため、医薬品を販売していないコスメショップでの需要もあります。
また、介護施設の入所者のために、薬の説明や管理をするような求人もあります。
登録販売者の仕事には将来性がある!
一般医薬品がさまざまな場所で購入できるようになった今、登録販売者の仕事は将来性があると期待されています。
かつては「薬を買うのは薬局」でしたが、現在は全国各地にドラッグストアが存在します。2023年現在、その数は全国に22,084店。登録販売者の活動場所は今後も広がっていくと予想できます。
また、昨今は国の医療費抑制の対策によりセルフメディケーションが推進されています。セルフメディケーションとは、医療機関を利用せずに一般医薬品を適切に利用しながら自分自身で体調管理を行うこと。
セルフメディケーションが進むことにより一般医薬品の需要も高まるため、信用性の高い登録販売者はさらに必要とされるでしょう。
※1:薬事日報
登録販売者資格を取得するメリット
では、登録販売者の資格を取得することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
給与や時給が上がりやすい
1つ目のメリットは、給与や時給が上がりやすいことです。通常の販売職に比べ、有資格者は給与や時給が高くなる傾向にあります。資格手当がついたり時給がアップすることが多いため、収入増が期待できるでしょう。
また、ドラッグストアの店舗管理者になるためには登録販売者の資格が必須条件になるため、キャリアアップにも有利です。
全国各地に求人がある
2つ目のメリットは、全国各地に求人があることです。登録販売者が活躍しやすいドラッグストアや調剤薬局などは、全国各地に存在します。その分、求人も増えます。
パート希望の主婦や高齢者など、自宅の近くで仕事を探している人には大きなメリットになるはずです。
正社員やパートなど柔軟な働き方を選べる
3つ目のメリットは、正社員やパートなど柔軟な働き方を選べることです。登録販売者の資格には有効期限がありません。一度取得すれば一生涯有効のため、ライフスタイルに合わせた働き方を選べます。
「結婚後や子育て中はパート勤務」「子どもの独立後は正社員で働く」など、柔軟な働き方ができるでしょう。
薬の知識が日常生活で役立つ
4つ目のメリットは、薬の知識が日常生活で役立つことです。
体調不良は誰にでも起こること。そんなとき、登録販売者の知識があれば適切な薬が選べます。自分だけなく、家族の健康を守る手助けになるでしょう。
登録販売者の収入目安
仕事を選ぶ際の重要なポイントの1つである給与。では、登録販売者の給与はどのくらいなのでしょうか?
正社員で働く場合の月収目安は20〜32万円程度、平均月収は22万円程度になります。賞与を含めた年収目安は270~460万円程度、平均年収は300万円程度です。
収入に幅があるのは、地域や企業ごとで条件が異なるため。正社員として長く働きたい場合は、店舗管理者や店長など責任ある立場を目指せば給与アップが狙えます。
パートやアルバイトで働く場合の時給目安は1,000〜1,400円程度、平均時給は1,100円程度になります。この時給に、資格手当として数百円上乗せされるケースが多いようです。
登録販売者資格の詳細
登録販売者の資格は、薬剤師ほどハードルは高くありません。今、知識がない人でも的を絞って勉強すれば短期間で取得可能です。
登録販売者試験の試験日は年に1回
登録販売者試験は各都道府県が1年に1回、例年8〜12月頃に実施しています。
受験資格はなし!誰でも受験可能
登録販売者試験に受験資格は定められていません。年齢・性別・実務経験の有無に関係なく誰でも受験可能です。そのため、子育てが一段落した主婦や65歳を過ぎてから資格取得にチャレンジする人もたくさんいます。
試験内容は医薬品や薬事に関する5項目120問
試験内容は、医薬品や薬事に関する以下の5項目から出題され、問題数は120問です。
登録販売者試験で出題される項目
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識
- 人体の働きと医薬品
- 主な医薬品とその作用
- 薬事関連法規・制度
- 医薬品の適正使用・安全対策
解答は全てマークシート方式です。
合格率は4〜5割|難易度は中程度
登録販売者試験の合格率は40〜50%程度。2023年の全国の合格率は43.7%でした。年度や都道府県により合格率は多少異なりますが、難易度は中程度と考えていいでしょう。
合格ラインは以下の2つをクリアすることです。
登録販売者試験の合格ライン
- 全体の問題数の7割以上正解すること
- 5項目全てで3.5〜4割以上正解すること
登録販売者の資格は一生涯有効で、更新の必要もありません。気になる人はぜひチャレンジしてみてください。
登録販売者資格は独学でも合格可能?
ここまでの内容で登録販売者に興味を持った人は「独学でも合格できるの?」と不安に感じる人もいるでしょう。
登録販売者試験に合格するために必要な時間は、約400時間と言われています。土日を中心に週に12時間程度勉強すれば8〜9ヶ月、もう少し勉強時間を増やせば半年ほどで必要な知識は身につけられるはずです。
ただし、的を絞った勉強やたくさんの過去問を解くことが重要になります。独学が不安な人は、通信講座やスクールを受講することも検討してみましょう。
登録販売者と薬剤師の違い
医薬品を扱う代表的な仕事に薬剤師があります。「医薬品を販売できる」という共通点がある登録販売者とはどのような違いがあるのでしょうか?
■登録販売者と薬剤師の違い
登録販売者 | 薬剤師 | |
---|---|---|
処方箋に基づく | 不可 | 可能 |
販売可能な一 | ・第2類 | ・第1類 |
認定 | 「国の資格制度」 | 国家資格 |
大きな違いは、薬剤師は第1類医薬品の販売ができることです。第1類医薬品を販売する場合は、ドラッグストアでも必ず薬剤師が薬の説明をしなければなりません。
また、処方箋を基に調剤薬局で薬の調合をすることも薬剤師にしかできない仕事です。
薬剤師の資格を取得するためには6年生の薬学の大学を卒業することが受験資格にあるため、誰でも受験できる登録販売者よりだいぶ狭き門になっています。
登録販売者になるための流れ
「資格が取れたから晴れて登録販売者デビュー!」といきたいところですが、資格を取得するだけでは登録販売者にはなれません。ここでは、登録販売者になるための流れをご紹介します。
ステップ①登録販売者資格を取得する
まずは、各都道府県で実施している登録販売者試験に合格し、資格を取得します。
試験は毎年8〜12月に実施され、申し込みは試験日の3ヶ月前から開始されます。受験予定のある場合は、早めに手続きを行いましょう。
ステップ②勤務先の都道府県に販売従事登録をする
無事に資格を取得したら、勤務先の都道府県に「販売従事登録」を行います。
注意したいのは、自分の住所のある都道府県ではなく勤務先のある都道府県に申請を行わないといけないこと。つまり、勤務先が決まっていないと販売従事登録はできません。
登録販売者の資格を取得してから就職先を探す場合は、就職が決まってから販売従事登録を行いましょう。
なお申請時には、登録販売者試験の合格通知書や住民票のコピーなども必要です。
ステップ③実務従事証明書の申請をする
登録販売者として独り立ちするためには、実務従事証明書の申請を行う必要があります。実務従事証明書とは、医薬品の販売経験を証明するための書類。過去5年の間に2年以上の実務経験が必要になります。
実務経験のカウント方法
登録販売者としての実務経験は「月80時間以上の勤務を24ヶ月以上」ということ。月80時間としてカウントできるのは、同じ店舗で勤務した場合のみです。
ただし、上記の条件に満たない場合でも「過去5年以内に医薬品の販売経験が通算2年以上、かつ、合計1,920時間以上ある」場合は、実務経験として認められます。
すでに実務経験の条件を満たしている場合
資格を取得する前にドラッグストアなどで働いており、すでに実務経験の条件を満たしている場合は、勤務先に実務従事証明書を記入してもらいましょう。退職した会社に記入してもらうことも可能です。
実務従事証明書は都道府県のホームページでダウンロードできます。
販売従事登録と同様、実務従事証明書を勤務先の都道府県に申請すれば、登録販売者として独り立ちできます。
条件を満たしていない場合
医薬品の販売経験はあるけれど条件を満たすための勤務時間が足りない場合は、不足している期間を研修期間として勤務します。その後「月80時間以上の勤務を24ヶ月以上」の条件に達した時点で、実務従事証明書の申請を行いましょう。
登録販売者の資格を取得してから医薬品の販売を行う場合も同様で、条件を満たすまでの期間は研修中になります。
まとめ・誰でも受けられる登録販売者資格でキャリアアップを
登録販売者とは、一般用医薬品の販売が可能な専門家のこと。いわば、薬剤師に次ぐ医薬品のエキスパートです。
登録販売者として働くためには資格取得が必須ですが、受験資格はありません。年齢や経験に関係なく受験できるため、高齢になってからでもチャレンジできます。
活躍できる場も多く将来性のある登録販売者。この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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参考資料
この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。