自動車整備士の自己PR文の書き方と転職に成功する職務経歴書作成のポイント
自動車整備士の転職活動に欠かせない「自己PR文」の書き方を、キャリアアドバイザーが解説。書類通過率が上がり、採用面接が成功する自己PR文と職務経歴書の書き方を伝授します。
- 目次
- 自己PR文だけでなく、履歴書・職務経歴書全体を充実させる
- 履歴書の職務経歴欄はシンプルに
- 職務経歴書では担当実務の内容と経験年数を具体的に書く
- シニア自動車整備士ならではの履歴書・職務経歴書の書き方ポイント
- 自動車整備士の自己PRの書き方
- 「自己PR」の本質に立ち返る
- 履歴書には自己PRの概略を、職務経歴書には自己PRの本文をしっかり書こう
- 採用担当者が自動車整備士を評価するポイント
- 自己PRで伝えたいのは、経験やスキルだけでなく、柔軟で謙虚な人間性
- 自動車整備士の自己PR文、良い例と悪い例
- 経歴・スキルの伝え方:良い例
- 経歴・スキルの伝え方:悪い例
- 自動車整備という仕事への考え方・姿勢:良い例
- 自動車整備という仕事への考え方・姿勢:悪い例
- 頑張りや熱意:良い例
- 頑張りや熱意:悪い例
- 自動車整備士の転職成功の近道は、人材エージェントの活用にあり!
自動車整備士の転職・就職では、スキルや経験が重要です。特にシニアの自動車整備士の場合は、経験年数や担当してきた業務の内容が大きな武器となるため、自身のスキルと経験をわかりやすく、そして効果的に伝えることが必要です。
採用面接では、ご自分の経歴を整理して伝えるだけではなく、自動車整備士としての知識や技術をまとめて、自己PRとして伝えることが重要になります。
シニアの自動車整備士の場合、これまで転職経験がなかったり、履歴書・職務経歴書・自己PR文を作成したことがなかったりする人もたくさんいらっしゃいます。そのような、転職活動の経験があまりない人にもわかりやすいように、自己PR文の書き方のポイントを、キャリアアドバイザーがお伝えします。
自動車整備士の平均年収や給料アップの秘訣については、下記の記事を参考にしてください。
【2022年版】自動車整備士の平均年収が454万円よりも高い理由+給料アップの方法と転職術
自動車整備士の仕事内容や1日の作業の流れについては、下記の記事を参考にしてください。
自動車整備士の1日の流れと仕事内容を解説!休日・残業・繁忙期・給与体系は?
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自己PR文だけでなく、履歴書・職務経歴書全体を充実させる
自動車整備士の自己PR文の書き方の前に、履歴書・職務経歴書の書き方についても簡単に整理してみましょう。
シニアの場合は特に、面接よりも書類選考で落ちてしまう率が高いため、自己PRの文面だけではなく、履歴書や職務経歴書の書き方にも注意が必要です。
ほかの項目にも気をつけて、履歴書と職務経歴書を充実したものにしてください。
履歴書の職務経歴欄はシンプルに
まずは履歴書と職務経歴書の役割の違いから解説します。
履歴書は、応募者の学歴や職歴の流れ、志望動機、特技・趣味などのプロフィールを企業の採用担当が把握するためのもので、職務経歴書は業務の経験やスキルを把握するためのものです。
履歴書にも職務経歴の欄がありますが、ここでは転職回数などの概要がわかれば問題なく、詳細を書く必要はありません。
履歴書と職務経歴書の両方に重なる項目も、履歴書では詳細を書かず、職務経歴書のほうで詳しく書くようにします。
履歴書は、シンプルでわかりやすいものにすることが重要です。一般的に職務経歴書よりも履歴書を先に確認する採用担当が多いため、シンプルかつ丁寧に書くよう心がけてください。
職務経歴書では担当実務の内容と経験年数を具体的に書く
職務経歴書は、特にシニアの自動車整備士にとって、非常に重要な書類です。
シニアの自動車整備士がこれまで現場で積んできた経験の豊かさに対し、若い整備士では太刀打ちできません。
そこで職務経歴書をわかりやすく記載して、応募企業が求める経験とスキルを持っていることを示すことが重要になります。
転職回数が多い人は、職務経歴書に記載する項目が長くなり、反対に転職回数の少ない人は、昇進や転属以外に書くことがない、と悩むことがあるかもしれません。
ですので、職務経歴書には、実務内容や、その実務を何年経験しているか、といったことを具体的に書くようにして、転職や昇進、配属だけの記載にならないように気をつけましょう。
志望動機についても、十分な分量と簡潔な内容を記載し、読みやすさを心がけてください。
シニア自動車整備士ならではの履歴書・職務経歴書の書き方ポイント
シニアの自動車整備士が履歴書や職務経歴書を書く際に、特に気をつけたいことは、次の5点です。
- 志望動機:応募企業で活躍や成長ができる旨を書く
- 退職理由・転職理由:ネガティブな表現は避け、なるべくポジティブに言い換える
- 職務経験:作業内容にまで細かく落とし込んで、経験年数と合わせて書く
- 資格:資格を取得した大学・専門学校は、職務経歴書にも書く
- 役職・表彰歴:最終役職以外の役職は書かない。表彰歴や所属企業の規模も記載不要
志望動機や退職・転職理由などは、現実的な条件や待遇が理由であることが多いとは思いますが、嘘のない範囲で、ネガティブな表現は避け、ポジティブに言い換えたほうが書類選考を通過しやすくなります。
職務経験は、同じ自動車整備士の仕事であっても企業が変わると大きく異なる場合もあります。細かく作業内容のレベルに落とし込んで記載し、経験年数を伝えるようにしてください。そうすると、採用担当に経験スキルが伝わりやすくなります。
資格や学歴は、通常ですと履歴書のみに簡潔に書くものですが、自動車整備士の場合は若干異なります。
大学や高等専門学校、専修学校などで機械学科や自動車整備科などの専門課程を経て整備士資格を取る人が多いため、職務経歴書にも書き込むと効果的です。
なお、一般的には応募者の評価アップにつながりやすい「表彰歴」ですが、シニアの面接では自慢として受け取られるケースが多く、尊大な印象にもなりやすいため、記載は控えておきましょう。
企業規模や最終役職以外の役職に関しても、同様の理由で悪い印象につながりやすいため、記載は避けてください。
自動車整備士の自己PRの書き方
続いては、自動車整備士が転職・再就職を目指す際の自己PR文の書き方について解説していきます。
「自己PR」の本質に立ち返る
そもそも、自己PRとはどんなものなのかを簡単にご説明します。
PRとは、Public Relationsの略で、広報と訳されることもあるように、「社会との関係性の構築」を意味する単語です。
自分の長所を伝えることになりがちな自己PRですが、実は一方通行ではなく、社会との関係性を考えた内容が望まれています。
客観的な視点から自分自身を見つめ、それをわかりやすく企業や採用担当に知ってもらい、相手から評価と信頼を得るのが、自己PRの本質です。
自分の経験やスキル(できること)を、具体的に相手先(応募企業)へ伝えるのはもちろん、その内容が相手と合っていなければ意味がありません。事前の企業研究を踏まえて、入社した際には、どういった貢献や活躍ができるかを、自己PRのコーナーで語ってください。
これまでのことを踏まえて、自己PRは下記のような構成で考えましょう。
- これまでやってきたこと(経験)
- できること(スキル)
- 入社後にやりたいこと、貢献できること
- 自身の長所、短所
履歴書には自己PRの概略を、職務経歴書には自己PRの本文をしっかり書こう
自己PR文は、市販の履歴書にも枠が設けられていることがありますが、履歴書上のスペースはとても小さいため、十分な自己PR文を書くことは難しいでしょう。
ですので、職務経歴書にも自己PRの枠を設け、しっかりと自己PRをした上で、履歴書のほうには概略を書いてください。
なお、職務経歴書上で自己PR文を書いたからといって、履歴書の自己PR枠を空欄にはしないでください。
採用担当者が自動車整備士を評価するポイント
シニア整備士の書類選考や採用面接では、人間性はもちろん、即戦力として十分な経験スキルがあるかが見極められるため、しっかり自己PRを行うことが重要です。
自動車整備士は、保有する資格の等級や種類によって、従事できる仕事が分類されています。書類選考や面接の場では、必ず資格の欄が確認され、ときには質問されることもあるでしょう。
面接では、実際にどんな作業をどれだけの年数のあいだ行い、何ができて何ができないのか、経験とスキルを細かく問われることになります。
自動車、大型車、二輪、ガソリンエンジン、ジーゼルエンジン、シャシ、タイヤ、といった資格でも分類されている内容のほかにも、ディーラーと整備工場といった前職の形態、フロント業務や営業経験、外車・輸入車、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)といった国産車以外の車種への対応経験なども確認されることがあります。
つまり、自動車整備士の選考と面接では、細かい具体的な経験スキルを、応募先企業が求める人物像に合わせてまとめる必要があるのです。
自動車整備士の資格については、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
自動車整備士の資格種類・受験資格・費用・年齢制限について解説
自己PRで伝えたいのは、経験やスキルだけでなく、柔軟で謙虚な人間性
採用担当者は、応募者の経験やスキルだけでなく、仕事への姿勢や人間性も応募書類から読み取ろうとします。
自己PRの欄に記載された内容が、経験やスキルの説明だけになってしまうと、人間性をうかがい知ることは困難です。
そのため、自動車整備士が自己PRで経験スキルを語る場合には、下記のことにも注意してください。
- これまでどのような姿勢で経験を積んできたのか
- どのような努力をして、そのスキルや資格を獲得したのか
- これまでの経験・スキル以外のことを求められた場合、どのように乗り越えるのか(たとえば未経験のフロント業務を兼務するよう依頼された場合、どう対応するのか)
- 応募企業でこれまでの経験やスキルを活かし、どのように貢献できるのか
このように、これまでの経験とスキルにプラスして、自身の姿勢や取り組みを語ることが重要なのです。
謙虚に学ぶ意思があることや、柔軟性などがアピールできれば、採用担当者に好印象を持ってもらえることでしょう。
自動車整備士の自己PR文、良い例と悪い例
それでは具体的に、自動車整備士の自己PRの良い例と悪い例を挙げてみます。
「経歴・スキル」「自動車整備という仕事への考え方・姿勢」「頑張り・熱意」の項目ごとに、良い例と悪い例をご紹介します。
自動車整備士の方は、自己PR文を書く際の参考にしてください。
経歴・スキルの伝え方:良い例
- 二級ガソリン・エンジン自動車整備士と自動車検査員の資格を持っています。整備工場では主に普通自動車の整備と検査に30年間携わりました。国産車への対応がほとんどでしたが、輸入車やビンテージカーの整備経験もあります。資格外ではありますが、ディーゼル車についても一通りの知識を持っています。
経歴・スキルの伝え方:悪い例
- 最初の職場では新卒から10年過ごしましたが、フロント業務に配属となり、整備業務がやりたかったために転職しました。次の職場では20年勤めました。(業務内容が具体的でない)
- 前職では技術力を評価され、最年少で主任となり、最終的に場長を任されました。御社でも技術力を存分に活かして活躍したいと思います。(職務内容が具体的ではなく、尊大な印象になりやすい)
上記の良い例に挙げた内容も十分ではありませんが、とにかく経験スキルについては、細かく、具体的に書くことが重要です。
また、社内の役職については、職場独自のものとして評価されづらく、前職で得た抽象的な評価を、社外の人に理解してもらうのは難しいため、書かないほうが無難です。
自動車整備という仕事への考え方・姿勢:良い例
- 自動車の整備は、車を運転するお客様の生命に関わる、責任重大な仕事です。決してミスや修理漏れが発生しないよう、十分な点検と整備を実施しています。すでに判明している不具合だけでなく、些細な変化などのヒアリングを徹底することで、潜在的な不具合を察知し、お客様が期待している以上の整備や修理の提案が行えるよう、心がけています。
- 整備に関することをお客様に説明する場面では、極力専門的な用語を使わずに、誰にとってもわかりやすい説明ができるように気をつけています。
- ミスを減らすために、チェックシートの作成やシートの改善などを担当しました。チェックシートの改善により、作業時間の短縮や、作業品質の向上、お客様満足度の向上にもつなげることができました。
自動車整備という仕事への考え方・姿勢:悪い例
- 大手カー用品店の勤務経験があり、スピードには自信があります。お客様をお待たせしない作業スピードが整備では重要ですし、整備台数をこなすこともできます。繁忙期には1週間で●台を1人で整備したこともあります。今でも2晩なら徹夜できます。
求人企業にもよりますが、「作業スピード重視」のアピールは、安全への配慮が重要な自動車整備士の履歴書や職務経歴書では、マイナスの印象になりかねません。
自動車整備の仕事は繁忙期と閑散期の差がある仕事ですが、過度な根性アピールは、現在の風潮に合わないこともあります。
頑張りや熱意:良い例
- 御社の評価と制度次第ではありますが、定年後も体が動く限りは働き続けたいと思っています。そのためにも、日々体力維持の努力を行い、健康面にも気をつかっていきます。
- 新しいことをたくさん学び、成長していきたいと思っております。どのような業務でも、意欲的に取り組む所存です。未経験ではありますが、フロント業務などにも興味がありますので、ぜひご検討ください。
- とにかく車が大好きで、一生を車の整備に捧げたいと思っています。
- 御社の理念である、「○○○」という考え方は、自身の人生観にも近く、大変共感しております。一日も早く御社のお客様や、社員の皆様に信頼してもらえる整備士になれるよう、精いっぱい頑張ります。
頑張りや熱意:悪い例
- 体力には自信があります。今でも毎朝10キロジョギングしていますし、まだまだ若い方には負けません。重いものを持つのも平気です。一人で何でもできるので、安心して任せてください。
- 以前の職場では、整備からフロント業務に転属となったため、整備に専念したくて転職を考えました。
シニアの自動車整備士の転職・再就職の場面で見かける悪い例として、過剰に健康面や体力面をアピールする、というものがあります。
自動車整備士の仕事は重いものを持ったり、不自然な姿勢になったりすることも多いため、腰痛にもなりやすいものです。ですので、健康で体力のある自動車整備士はとても重宝されますが、シニアの健康や体力アピールに全幅の信頼を寄せる企業は少ないものです。
採用活動では、健康や体力をアピールするよりも、柔軟性や学びの姿勢、会社の理念・方針への共感をアピールするほうが、効果的に働きます。
また、若い人材への対抗心から体力自慢を行うよりも、協調性やコミュニケーション力が高い人材のほうが好まれます。
以上を参考にして、自動車整備士としての魅力を伝えられる自己PR文を作成してください。
自動車整備士の転職成功の近道は、人材エージェントの活用にあり!
良い自己PR文を書くためには、これまでの職務経験を整理し、自分自身を客観的に見つめる必要があります。
しかし、自分一人で職務経歴書を書くのは面倒なものです。転職活動を挫折してしまう人も中にはいるでしょう。
そこでおすすめなのが、シニア専門の人材エージェントの活用です。人材エージェントは、無料で再就職や転職の相談に乗り、面倒な履歴書や職務経歴書の作成もしっかりサポートしてくれます。
シニアの自動車整備士の転職なら、シニア専門人材エージェントにぜひお任せください!
この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。