入社時に必要な身元保証書とは?書き方や本人との関係を解説!
入社時に必要な身元保証書とは? 書き方や保証人がいない場合の対処法も!
入社時に提出を求められることの多い「身元保証書」。あまり馴染みのない書類のため、身元保証書がどのような書類なのかわからない人も多いでしょう。 この記事では、身元保証書とはどのような書類なのか、書き方や注意点、保証人と本人の関係などを解説します。 今後、就職予定のある人はぜひ参考にしてください。
- 目次
- 身元保証書とは?
- 身元保証書とは労働者と保証人が連携して損害賠償責任を負うことを証明するための書類
- なぜ必要なの?企業が身元保証書を求める理由とは?
- 身元保証書を求められるタイミングは主に入社時
- 身元保証人は1〜2人必要になるケースが多い
- 身元保証人は誰に依頼すべき?本人との関係は?
- 条件を満たしていれば家族や親族でなくても問題ない
- 依頼する際のポイント
- 身元保証人を頼める人がいない場合はどうすればいい?
- 採用担当者に相談する
- 身元保証代行サービスに利用する
- 身元保証書の書き方と注意点
- 入社予定者が記入する内容
- 身元保証人が記入する内容
- 印鑑は認印で問題ない
- 今すぐ使える身元保証書のテンプレート
- 身元保証書に関するQ&A
- Q:身元保証書の提出を拒否しても問題ない?
- Q:パートやアルバイトの人でも身元保証人になれる?
- Q:身元保証書の保証人が記入する部分を自分で書いたらどうなる?
- Q:外国人が日本で働く際の身元保証人はどんな人がなる?
- まとめ・身元保証書の提出が困難な場合はまず会社に相談を!
身元保証書とは?
まずは、身元保証書がどのような書類なのか、企業が身元保証書を求める理由と合わせて確認していきましょう。
身元保証書とは労働者と保証人が連携して損害賠償責任を負うことを証明するための書類
身元保証書とは、労働者が企業に損害を与えた場合に、労働者と保証人が連携して損害賠償責任を負うことを証明するための書類のことです。
その他にも、「労働者は会社の規則に従い、真摯に仕事に取り組む人間である」ことを証明する意味も含まれており、英語では「personal reference guarantee」と呼ばれます。
なぜ必要なの?企業が身元保証書を求める理由とは?
なぜ、企業は従業員に身元保証書を求めるのでしょうか?企業が労働者に身元保証書を求める理由は主に以下の4つです。
入社予定者が仕事に真摯に取り組む人であることを証明するため
1つ目は、入社予定者が仕事に真摯に取り組む人であることを証明するためです。
企業が内定通知をだすまでには、書類選考や面接を通して応募者の人柄やスキルを把握します。しかし、実技試験を行わない限り、経歴やスキルは基本的に応募者の自己申告になります。
そのため、経歴やスキルに虚偽の申請があっても見抜くことは難しいのが現状です。
しかし、身元保証人を立てることで入社予定者には「身元保証人に迷惑をかけてはならないという」責任感が生まれ、「仕事に真摯に取り組まなければならない」と自覚することがで期待できます。
不正を抑止することへの意識付けのため
2つ目は、不正を抑止することへの意識付けのためです。
会社員として働く場合、会社の就業規則に従って働くことが重要になります。しかし、実際に働いてみると、横領や着服、機密情報の流出や誹謗中傷の書き込みなど、悪い誘惑にのせられてしまう人がいることも現実です。
労働者が会社に損害を与えた場合は保証人と連携して賠償をしなければならないため、身元保証書を提出することで、労働者に不正を抑止することへの意識を芽生えさせることが期待できます。
入社予定者と連絡がとれなくなった場合のため
3つ目は、入社予定者と連絡がとれなくなった場合のためです。
無断欠勤が続いたり、業務中に事故にあったり、労働者本人と連絡がとれなくなる可能性は意外とあります。
そんなときに身元保証書があれば、保証人に連絡することで対応が可能になります。
入社予定者が損害を賠償できなかった場合のため
4つ目は、入社予定者が損害を賠償できなかった場合のためです。
冒頭でお伝えした通り、身元保証書とは労働者が企業に損害を与えた場合に、労働者と保証人が連携して損害賠償責任を負うことを証明するための書類です。
入社予定者が入社後に会社に損害をおよぼす事象を起こし、本人だけで解決できない場合には、身元保証人と連携して損害賠償責任を負うため、身元保証書が必要になります。
身元保証書を求められるタイミングは主に入社時
企業から身元保証書を求められるタイミングは、主に入社時です。
ただし、身元保証書の提出は法律で義務付けられている訳ではないため、すべての会社で必要な訳ではありません。
身元保証人は1〜2人必要になるケースが多い
身元保証人の数は企業により異なりますが、1人もしくは2人で依頼されるケースが多いです。
2名依頼される場合は、1人は親族、もう1人は自立して生計を立てている人なら関係性は問わないケースが多いです。
身元保証人は誰に依頼すべき?本人との関係は?
労働者の代わりに企業に与えた損害賠償責任を負う可能性もある身元保証人。大きな責任があるように感じますが、誰に依頼すればいいのでしょうか?
ここでは、身元保証人は誰に依頼すればいいのか、本人との関係を解説します。
条件を満たしていれば家族や親族でなくても問題ない
身元保証人になれる人には、企業ごとに一定の基準が定められています。
身元保証人になれる人の主な条件
- 経済的に自立している
- 入社予定者とは生計が別
- 未成年・年金受給者ではない
ただし、上記の内容はあくまでも一般的なもの。収入があればパートでも問題ないとする企業や、年金受給者でも身元保証人になれる企業もあるため、参考程度にとらえてください。
上記の条件をみてわかるように、身元保証人と本人の関係は言及されていません。つまり条件を満たしていれば家族や親族である必要はなく、友人でも身元保証人になれることが一般的です。
依頼する際のポイント
身元保証人は企業が定める条件を満たしている人なら誰でもなれます。しかし、保証人の責任は重いため、依頼する際には身元保証人の保証する範囲や期間を説明し、納得してもらったうえで引き受けてもらうことが大切です。
説明ポイント
- 損害賠償の上限金額:身元保証書に記載されている金額
- 期間:最長5年、期間が記載されていない場合は3年
上記2点のポイントは、企業が用意する身元保証書に記載されていることが一般的です。なお、損害賠償の上限金額が記載されていない場合は契約自体が無効になるため、賠償責任を負う必要がなくなります。
保証期間は、身元保証書に期間が記載記載されている場合は最長で5年、記載されていない場合は3年になります。
保証人になってもらう人には、身元保証人になったからといって一生涯保証する訳ではないことをしっかり説明し、理解してもらいましょう。
身元保証人を頼める人がいない場合はどうすればいい?
「両親は高齢だし兄弟もいない…」「知人に条件を満たす人もいない」そんな場合はどうすればいいのでしょうか?
ここでは、身元保証人を頼める人がいない場合の対処法をご紹介します。
採用担当者に相談する
まずは、採用担当者に身元保証人になれる人がいないことを相談しましょう。
身元保証人の条件を緩和するか、保証人不在でOKとするか、相談した結果どのような判断をするかは企業により異なりますが、どちらにせよ自分で判断することはできません。
できるだけ早く採用担当者の指示を仰いで対応しましょう。
身元保証代行サービスに利用する
「身元保証人を立てられなければ内定を取り消されてしまう」など、他に手段がない場合は、身元保証代行サービスを利用するのも1つの方法です。
身元保証代行サービスとは、料金を支払うことで身元保証人になってくれる民間のサービスのこと。インターネット上には、入社時の身元保証人を代行してくれるサービスが提供されています。
身元保証人になってくれそうな人が身近にいない人は、最終手段として、身元保証代行サービスがあることを頭の中にいれておきましょう。
身元保証書の書き方と注意点
身元保証人が保証する内容は企業により異なるため、身元保証書は企業側が準備することが一般的です。
保証内容を確認して問題がなければ、入社予定者、身元保証人のそれぞれが該当の場所に自筆で記入しましょう。
入社予定者が記入する内容
入社予定者が記入する内容は以下の部分です。
入社予定者が記入する内容
- 日付
- 氏名
- 住所
- 生年月日
日付は書類を記入した日ではなく、入社予定日を記入します。
身元保証人が記入する内容
身元保証人が記入する内容は以下の部分です。
身元保証人が記入する内容
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 本人との関係
たとえ遠方に住んでいる保証人に了承を得ていても、代筆することは厳禁です。必ず、保証人本人に記入してもらいましょう。
印鑑は認印で問題ない
身元保証書では入社予定者・保証人の記入欄にそれぞれ押印することが一般的ですが、印鑑は認印で問題ありません。
ただし、入社予定者と保証人の苗字が同じ場合、同一の印鑑を利用するのは避けた方がいいでしょう。
また、企業から印鑑証明書の提出を求められている場合は、認印ではなく実印で押印する必要があるため、注意してください。
今すぐ使える身元保証書のテンプレート
万一企業が身元保証書を準備していない場合や、あらかじめ内容を確認しておきたい場合は、以下のテンプレートをご利用ください。
身元保証書に関するQ&A
最後に、身元保証書に関するQ&Aをご紹介します。よくある声なので、ぜひ参考にしてください。
Q:身元保証書の提出を拒否しても問題ない?
A:身元保証書の提出に法的な義務はないため、拒否することは可能です。
ただし、入社予定の会社の就業規則で「入社の際には身元保証書を提出する」と記載されている会社で提出を拒否した場合、内定を取り消される可能性はゼロではないため、注意が必要です。
Q:パートやアルバイトの人でも身元保証人になれる?
A:入社予定の会社が定める身元保証人の条件により異なります。
入社予定者が損害賠償責任を負わなければならない事象を起こした場合、身元保証人は入社予定者と共に賠償責任を負う必要があります。
このような意味合いから一般的には身元保証人には経済力のある人が求められるため、パートやアルバイトの人が身元保証人になれるかどうかは会社の判断次第です。
相談次第ではパートやアルバイトでも身元保証人として認めてくれる会社もあるため、他に候補者がいない場合は会社に相談してみましょう。
Q:身元保証書の保証人が記入する部分を自分で書いたらどうなる?
A:重要書類の代筆が判明した場合、有印私文書偽造で訴えられる可能性があります。たとえ代筆が判明しなかったとしてもモラルに反する行動のため、代筆は避けましょう。
Q:外国人が日本で働く際の身元保証人はどんな人がなる?
A:保証人が海外に住んでいると万一のときに連絡がとれない可能性があるため、日本人の身元保証人が求められるケースが多いです。
外国人が日本で働く場合の身元保証人には、主に以下のことが求められます。
外国人が日本で働く場合の身元保証人に求められる主な内容
- 日本の法令を厳守させること
- 滞在費や帰国費用が支払えない場合の費用を負担すること など
一般的な身元保証人の責任とは異なり、道義的な責任が必要になることが一般的です。
まとめ・身元保証書の提出が困難な場合はまず会社に相談を!
身元保証書とは、労働者が企業に損害を与えた場合に、労働者と保証人が連携して損害賠償責任を負うことを証明するための書類のこと。「労働者が会社の規則に従い、真摯に仕事に取り組む人間である」ことを証明する意味も含まれています。
身元保証人になれる人には企業ごとに一定の基準が定められており、「経済的に自立している、入社予定者とは生計が別、未成年・年金受給者ではない」ことなどが一般的です。
身近に身元保証人を頼める人がいない場合でも会社に相談することで、他の対処法がみつかる場合もあります。困った場合は、まず会社に相談して指示を仰ぎましょう。
この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。