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履歴書の志望動機の書き方を徹底解説!文字数やポイントから例文まで

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

働く

履歴書の志望動機の書き方ガイド
例文12選!おさえておくべきポイントも!

履歴書を書く際にもっとも頭を悩ませる人が多い、志望動機。「どんなことを伝えればいいのか」「避けた方がいい内容はあるのか」など、迷う人も多いでしょう。 志望動機は採用担当者が重視する項目の1つです。書類選考を突破するために、採用担当者に納得してもらえるような志望動機や入社意欲を伝えることはとても重要です。 この記事では、履歴書の志望動機の書き方のポイントや状況別・職種別の例文、注意すべき内容などをご紹介します。

目次

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履歴書の志望動機|基本構成

履歴書の志望動機|基本構成

まずは、履歴書の基本構成を確認しておきましょう。

志望動機は、冒頭と締めくくりが大切です。冒頭で志望動機を端的に伝え、次に志望動機を理由付けるエピソードを伝え、最後に入社意欲や意気込みを伝えます。

①志望動機を端的に伝える

まずは、志望動機や入社後にやりたいことを端的に伝えます。

履歴書の志望動機欄は、書くスペースが限られています。採用担当者が冒頭の1文だけを読んでもあなたの志望動機が伝わるよう、端的に記入することが大切です。

重要なのは「志望した会社でなければならない理由」を伝えることです。

②志望動機を理由付けるエピソードを伝える

次に、志望動機を理由付けるエピソードを伝えます。

なぜこの会社を志望するのか、理由付けができるエピソードや体験、自分の考え方を伝えましょう。入社後にやりたいことも伝えられると尚良いです。

そして、入社後にやりたいことを叶えられるスキルや経験があることも伝えてください。

③入社意欲や意気込みを伝える

最後に、入社意欲や意気込みを伝えます。

自分が即戦力になれることや会社に貢献できることを伝え、強い入社意欲をアピールしてください。

話の最初と最後は人の記憶に残りやすいものです。ありきたりな定型文で済ませることのないよう、しっかりと意思を伝えましょう。

履歴書の志望動機|書き方のポイント

履歴書の志望動機|書き方のポイント

志望動機の基本構成と共に書き方のポイントも把握しておきましょう。

文字数は200〜300文字程度

1つ目のポイントは、文字数は200〜300文字程度にすることです。

履歴書の志望動機の文字数は200〜300文字程度を目安にしてください。文字数が多過ぎると、伝えたいことが曖昧になってしまいます。

採用担当者が読む際に負担のない文字数かつ、端的に志望動機が伝えられる文字数を考えると、200〜300文字程度がベストです。

パソコンで作成する際は読みやすいように適宜改行し、大きさは14pt程度に設定しましょう。

冒頭で結論を伝える

2つ目のポイントは、冒頭で結論を伝えることです。

「貴社を志望した動機は〇〇です」
「貴社の〇〇に魅力を感じ、志望いたしました」
「自分の強みである〇〇が貴社で活かせると思い、志望いたしました」

など、まずは「志望動機を教えてください」に対する結論を伝えてください。

PREP法を意識する

結論から伝える「PREP法」はビジネスの基本です。

PREP法とは、「結論→理由→例→再度、結論」の順に物事の説明や自分の意見を述べる手法のこと。相手にわかりやすく物事を伝える際の基本的な手法です。

PREP法とは
  • Point :結論
  • Reason :理由
  • Example:例
  • Point :結論・主張

履歴書の志望動機欄に書く場合は、スペースが限られているため「Example:例」を省いても問題ありません。

企業が応募者に志望動機を聞く理由を把握する

3つ目のポイントは、企業が応募者に志望動機を聞く理由を把握することです。

人に何かを質問する際は必ず「これが知りたい」という目的があるはずです。企業がなぜ応募者の志望動機を知りたいと思っているのか把握することで、的を得た志望動機を伝えられます

企業が応募者に希望動機を聞く理由
  • 入社意欲がどれくらいあるのかを知りたい
  • 自社のどこに魅力を感じているのかを知りたい
  • 自社のことをどのくらい把握しているのかを知りたい
  • 退職理由と一貫性があるか確認したい など

これらに対する回答を志望動機に織り込むことを意識しましょう。

具体的に伝える

4つ目のポイントは、具体的に伝えることです。

具体的と抽象的
  • 具体的とは:形の見えるもの。ハッキリした実体がある様子を示す言葉。
  • 抽象的とは:物事の共通の性質を切り取ったもの。ぼんやり概念化させた言葉。

例えば「果物は好きですか?」はやや抽象的ですが、「いちごは好きですか?」は具体的な質問になります。

この抽象的・具体的表現を理解したうえで、志望動機に活かしましょう。

「貴社の企業理念に魅力を感じた」ことを伝えたい場合は「企業理念のどんな部分に魅力を感じているのか」、「貴社に貢献したい」ことを伝えたい場合は「どんな部分に貢献したいのか」、伝えたいことを明確に表現してください。

普段から「抽象的→具体的」にする練習をしておくと自然と具体的表現が身につくはずです。

状況別|履歴書の志望動機例文

状況別|履歴書の志望動機例文

志望動機の基本構成とポイントを理解したら、実際に志望動機を書いてみましょう。ここでは、状況別の志望動機例文をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

経験のある業界や職種に応募する際の履歴書の志望動機例文

まずは、経験のある業界や職種に応募する際の履歴書の志望動機例文から見てみましょう。

私が貴社を志望した理由は、同業他社にはない商品と顧客ファーストのサービスに惹かれたためです。
前職では法人営業を担当し、新規顧客開拓では毎年度目標を達成してきました。
しかし、新規顧客先の要望と既存の自社商品の特徴が見合わないケースも多々ある中で、もっと顧客の要望を叶えられる商品を提案したいと感じるようになりました。
貴社の独自の商品ラインナップなら、顧客のさまざまな要望に対応できると感じております。
今後は、これまでの営業職でつちかったコミュニケーションスキルや分析力を活かし、貴社の顧客拡大に貢献できると自負しております。

同業職種への志望動機は、「前職ではできなかったことが応募先企業なら叶えられるため志望した」ということを、自分の強みをアピールしながら伝えられるとよいでしょう。

未経験の業界や職種に応募する際の履歴書の志望動機例文

次は、未経験の業界や職種に応募する際の履歴書の志望動機例文です。

私が貴社を志望した理由は、これまでの経験を活かしつつ、より専門性の高いスキルを習得したいと考えたためです。
これまでは一般事務として、データ入力・書類作成・見積書作成などを担当してきました。Word・Excel・PowerPointのスキルを習得する中で、強い興味を持ったのは数字の管理です。
経理としての知識を身につけるために、簿記2級の資格も取得しました。
今後は業務幅の広い貴社の経理部門で、売上管理から決算書作成まで幅広く経理の知識を身につけ、業務効率化に貢献したいと考えております。

未経験の職種へ応募する場合、「未経験というハンデを背負ってでも自分を採用した方がいい」と思ってもらえるようなアピールをすることが重要です。

応募職種で働くためにどのような努力をしているか、今までの経験がどのように役立つかをしっかり伝えましょう。

アルバイトやパートに応募する際の履歴書の志望動機例文

次は、アルバイトやパートに応募する際の履歴書の志望動機例文です。

アルバイトやパートに応募する際は、正社員への応募と少し事情が異なります。入社意欲や熱意を伝えることも大切ですが、「自分の働きたい条件と合う」ことを伝えても問題ありません

■例文①家から近いため

長く働けることを重視して、貴社を志望いたしました。
通勤時間が短いため、仕事と家庭の両立や突然のシフト変更にも対応可能です。

■例文②条件が合うため

希望している勤務時間が貴社の募集している時間と合致したため、志望いたしました。
週3日程度を希望しておりますが、状況によって変更可能です。

■例文③家計の足しにしたいため

生活費や教育費に充てる資金を作りたいと思い、志望いたしました。
通勤は徒歩で10分程度と自宅から近いところにも魅力を感じております。
今後は、仕事と家庭の両立を目指して努めてまいりたいと思っております。

■例文④経験を活かしたい

子育てが一段落したため、再度、社会との関わりを持ちたいと思い志望いたしました。
結婚前は営業事務を8年間行っていたため、業務に必要なPCスキルは習得しています。
即戦力になれるよう精一杯努めていきたいと思っております。

企業にとって、アルバイトやパートは人材が不足している時間を埋める存在。そのため、求職者が「条件を第一に志望した」ことを伝えても、それほど失礼にはあたらないケースが多いです。

ただし、週に数回働くのか週5回フルタイムで働くのかにもよって、志望動機の書き方は変わってくるため、臨機応変に対応してください。

業務に活かせる経験やスキルがある場合は、正社員の募集と同様、どのように活かせるか伝えることを忘れないようにしましょう。

応募職種別|履歴書の志望動機例文

応募職種別|履歴書の志望動機例文

応募する職種によっても志望動機の書き方は変わってきます。ここでは、応募職種別の履歴書の志望動機例文をご紹介します。

一般事務に応募する際の志望動機例文

まずは、一般事務に応募する際の志望動機例文です。

貴社を志望した理由は、業務を円滑に進める裏方として貢献したいと思うようになったためです。
前職では販売業務を担当しておりましたが、日常業務の中には報告書の作成や経費資料の作成、在庫管理や受発注業務など、PCを利用した事務作業も行っておりました。
販売の仕事にやりがいを感じる一方、事務作業を通じた業務の効率化にも楽しさややりがいを見出すようになりました。
現在は休日にスクールに通い、Word・Excel・PowerPointの技術を向上させています。
今後は、販売職でつちかったコミュニケーション力や判断力を活かしながら、貴社に貢献したいと考えております。

一般事務の仕事は、書類作成、伝票入力、電話応対、来客応対、ほかの社員の業務サポートなど多岐に渡り、迅速かつ正確な事務処理能力やコミュニケーション能力が求められます。

PCスキルはもちろんですが、他の社員と関わることが多いためコミュニケーション能力があることを伝えるのも良いでしょう。

経理事務に応募する際の志望動機例文

次は、経理事務に応募する際の志望動機例文です。

貴社を志望した理由は、将来的に経理部門のプロフェッショナルとして成長できる環境が整っていると感じたためです。
前職では、主に月次・年次決算業務を担当しておりましたが、担当業務の幅が狭く、成長の限界を感じておりました。
貴社は国内外にグループ企業があり、1人が担当する経理業務の幅が広いとうかがっています。
今後は今までの経理知識を活かしつつ、将来的には部下の育成を担えるような経理のプロフェッショナルを目指し、貴社に貢献したいと考えております。

経理業務に必要なのは、正確な事務処理能力や基本的なPCスキル、コミュニケーション能力や責任感です。自分にこれらのスキルがあることや、これから習得していきたいと思っている意気込みなどを伝えられると良いでしょう。

医療事務に応募する際の志望動機例文

次は、医療事務に応募する際の志望動機例文です。

貴院を志望した理由は、医療事務を生涯の仕事にしたいと考えているためです。
前職では一般事務を行っていましたが、一通り業務に慣れてきた頃からやりがいを見出せなくなっていました。
そんなとき、ふと目にした医療事務講座に惹かれ、生涯の仕事にしたいと思うようになった次第です。
医療機関はいつの時代も重要な役割があると感じており、医療事務は医療機関を支える要だと感じております。
また、貴院のできるだけ多くの患者様を診察しようとする姿勢や、最先端医療を積極的に取り入れるところに以前から強く惹かれていたため、今回志望いたしました。
今後は、今までの一般事務での経験と医療事務講座で学んだ知識を活かし、信頼される医療事務員として成長していきたいと考えております。

医療事務へ応募する際は、医療事務の仕事内容や求められるスキルにどう対応していくか伝えることが大切です。

未経験の場合は、今までの経験がどのように活かせるか、医療事務として働くために努力していることなどを伝えましょう。

営業職に応募する際の志望動機例文

次は、営業職に応募する際の志望動機例文です。

貴社を志望した理由は、土地活用に悩む人の手助けがしたいと思ったためです。
前職では生命保険の営業を行っておりましたが、顧客の定期訪問を行う中で、所有している土地の活用方法に悩んでいる人が多いことに気づきました。
ファイナンシャルプランナー資格を取得する際に不動産について多少学んだこともあったため、土地活用に興味をもつようになっていきました。
これまでの経験で得たお金や税金に関する知識は、土地活用提案業務で役に立つと自負しております。
今後は、土地活用最大手の貴社で顧客により添った最適なプランを提示し、売上拡大に貢献したいと考えております。

これまでの経験や実績、自分を採用するメリットなど、「自分なら営業職で結果をだせる」ことを伝えると効果的です。

マーケティング職に応募する際の志望動機例文

次は、マーケティング職に応募する際の志望動機例文です。

貴社を志望した理由は、営業職でつちかった市場ニーズを把握するスキルを貴社のマーケティング戦略に活かしたいと考えたためです。
前職の営業職で顧客のさまざまな要望をヒアリングしている中で、より多くの人の意見を聞き、分析することに興味を持ち始めました。
そんな中、常に新しいマーケティング手法を発信し続ける貴社の求人を拝見し、志望した次第です。
現在は、市場調査や分析、商品企画や開発、広告宣伝活動に関する知識を学ぶため、セミナーに通っております。
今後は、今までにつちかった提案力や分析力を活かし、貴社のブランド価値向上に貢献したいと考えております。

マーケティング職に必要なのは、分析力や論理的思考能力、発想力などです。志望動機では「自分ならこれらのスキルを発揮できる」ということをアピールすることが重要です。

製造業に応募する際の志望動機例文

次は、製造業に応募する際の志望動機例文です。

貴社を志望した理由は、今まで以上に多様な機械図面設計に携わり、技術者としてのスキルを広げたいと考えたためです。
前職では、自動車部品メーカーの設計部門で既存商品の改良を担当しておりました。個人個人の役割分担がしっかりしていたため仕事が進めやすい反面、業務幅の狭さに物足りなさも感じていました。
先日の会社説明会で、貴社では輸送機器や生産設備の設計を構想から製図まで幅広く担当できることや、社内の風通しが良く個人の意見を発信しやすいことを知り、強く惹かれております。
今後は、生産設備の設計に関する技術を習得し、貴社の商品開発に貢献したいと考えております。

製造業の職種は幅広いため、関わる工程により必要な適性は異なりますが、共通して必要なことはものづくりが好きなことや良いチームワークを保てるコミュニケーション能力です。

なぜ製造業にこだわるのか、なぜ応募先企業にこだわるのか、今までの経験がどのように活かせるのか、など、自分の想いがしっかり伝わるような志望動機を作りましょう。

SEに応募する際の志望動機例文

次は、SEに応募する際の志望動機例文です。

貴社を志望した理由は、新しい技術の導入やシステムの構築に携わりたいと考えたためです。
前職では、不動産会社の社内SEとして、主にシステムの運用や保守を中心に、業務効率化やトラブルシューティングに取り組んできました。
しかし、既存のシステムのメンテナンスを行う中で、よりよいシステムの提案を行いましたが、比較的保守的な考え方の会社のため良い回答はもらえず、業務内容に限界を感じることがありました。
貴社は、常に最新技術に目を向けている企業だとうかがっており、強く魅力を感じております。
今後は、より高度なIT戦略を推進できる環境で、既存システムの運用保守はもちろん、システム環境の構築を行うことで業務プロセスを最適化し、社員の皆様の業務効率に貢献したいと考えております。

SEに必要な要素は、ITに関する知識や技術をもっている人や論理的思考能力がある人、責任感や自己管理能力のある人です。

SEは単独で仕事をこなすイメージをもつ人もいるかもしれませんが、実は関係部署と協力して仕事を進めることが多いため、コミュニケーション能力も必須になります。そのあたりを把握したうえで、志望動機を考えましょう。

看護師に応募する際の志望動機例文

次は、看護師に応募する際の志望動機例文です。

貴院を志望した理由は、これまでの内科での経験を活かし、消化器内科でさらに専門的な知識と技術を深めたいと考えているためです。
前職では、〇〇病院の内科病棟にて6年間看護業務に従事してきましたが、困難な症例の患者さまへの対応が難しく、もどかしい思いを抱く中で、より専門性の高い看護業務を担当してみたいと考えるようになりました。
貴院は、消化器内科に力を入れ、最新医療も積極的に取り入れているとうかがっております。
今後は、急変時の迅速な対応力を活かしつつ、より専門的な看護を提供できる看護師として貴院に貢献していきたいと考えております。

病院の採用担当者はまず、募集している診療科と応募者の希望が合っているかを確認します。そのうえで、この病院でなければならない理由や応募者のスキルを知りたいと思っています。

これらを理解したうえで、的を得た志望動機を完成させましょう。

介護職に応募する際の志望動機例文

次は、介護職に応募する際の志望動機例文です。

貴社を志望した理由は、数年前祖母を自宅で介護したことをきっかけに介護職の重要さに気付いたためです。
当時は販売職をしながら見様見真似で介護をしておりましたが、スムーズに祖母のケアができず、申し訳ない気持ちを抱いておりました。
その気持がきっかけとなり、介護職員初任者研修を習得し、現在に至ります。
貴社の施設を見学させていただいたことがあるのですが、施設の明るさや入居者の生きがいを作り出そうとする雰囲気に強く惹かれたことを今でも覚えています。
今後は実務を習得し、入居者さまの声により添った介護を行い、貴社に貢献したいと考えております。

介護職に必要な要素は、ホスピタリティマインドや細やかな気配り、人を元気づけたいと思う気持ちなどです。

もちろん知識やスキルは必要ですが、常に人手の足りない介護業界は未経験者でも熱意があれば採用される可能性が比較的高い業界です。

志望動機では、介護職を目指そうと思った動機や入社意欲を積極的に伝えましょう。

志望動機を書く際のNGポイント

志望動機を書く際のNGポイント

「良かれと思って書いた内容が、採用担当者にはマイナスの印象を与えてしまった」そんな経験がある人もいるでしょう。

ここでは、志望動機を書く際のNGポイントを解説します。

学びたいアピールが強すぎる

1つ目のNGポイントは、学びたいアピールが強すぎることです。

「貴社で学ばせていただく」という姿勢は一見謙虚さのアピールにつながりそうですが、表現の仕方に注意が必要です。

中途採用の場合、企業は即戦力を求めています。もし、経験やスキルが不足していたとしても、自主的に学んで成長する人材を求めているのです。

そのため「学ばせていただきたい」というアピールが強すぎると、他力本願な人という印象を与えかねません。

学びたい気持ちを伝える際は、「教育制度が整っている貴社に魅力を感じている」「自分のスキルに固執することなく、業務に役立つスキルを貴社で習得したい」など、伝え方に注意しましょう。

勤務条件や福利厚生へのこだわりが強すぎる

2つ目のNGポイントは、勤務条件や福利厚生へのこだわりが強すぎることです。

勤務条件や福利厚生は長く働くことを考えると重要なポイントのため、実際にこだわりを持っている人も多いでしょう。

しかし、勤務条件や福利厚生に惹かれたことを志望動機で強くアピールすると、「条件が変わると退職してしまうのではないか?」「勤務条件以外に魅力を感じている部分はないのか」と不信感をもたれてしまう可能性があります。

勤務条件のこだわりを面接の際に追加で伝えるのは問題ありません。しかし、履歴書の限られた志望動機欄で勤務条件や福利厚生へのこだわりをアピールするのは避けた方が無難でしょう。

空欄が目立つ

3つ目のNGポイントは、空欄が目立つことです。

志望動機の空欄が目立つ履歴書からは、応募者の熱意が伝わりません。面接と違って、履歴書だけで自分のことを伝えるのは、実はとても難しいことなのです。

書類選考がある企業の場合、少なくても200文字程度は記入して、入社意欲をしっかり伝えましょう。

逆に、書ききれない場合は別紙に記入する方法もありますが、本来は履歴書内で伝えきることが基本です。文字の大きさを小さくしたり志望動機欄を大きくしたり、工夫して見栄えの良い履歴書を作成するよう心がけましょう。

履歴書の志望動機を書く際の注意点

履歴書の志望動機を書く際の注意点

最後に、履歴書の志望動機を書く際の注意点をご紹介します。些細なことで書類選考突破の機会を逃さないよう、ぜひ参考にしてください。

志望動機の使いまわしはしない

1つ目の注意点は、志望動機の使いまわしはしないことです。

複数の企業に応募する場合「考えるのが面倒だから…」という理由から、他の企業と同じ志望動機を記入する人もいるかもしれませんが、それはおすすめできません。

どの企業へも通用するような志望動機は、多くの履歴書をみてきた採用担当者に見抜かれてしまいます。また、無難な内容からは入社意欲も伝わらないでしょう。

履歴書を書く段階から就職活動は始まっています。志望動機は「入社意欲や自分の魅力を伝えるチャンス」と前向きにとらえ、真剣に考えることが大切です。

「企業理念に共感」は伝え方に注意する

2つ目の注意点は、「企業理念に共感」は伝え方に注意することです。

もちろん、企業理念に共感することがマイナスな訳ではありません。ただし、重要なのは企業理念のどんなところに共感したのか、なぜ共感したのかを伝えられるかどうかです。

「企業理念に共感した」は、多くの会社に通用するため、比較的志望動機で多く書かれがちな内容です。だからこそ、採用担当者に本当に共感していることが伝わらないと、「無難な志望動機を書いている」とマイナス評価につながる可能性もあります。

企業理念に共感したことを伝える場合は、特に具体的に伝えることが重要です。「どんなところに共感したのか」「その結果、応募する企業でどんなことに貢献できるのか」など、採用担当者に納得してもらえる内容を心がけてください。

企業研究をしっかり行う

3つ目の注意点は、企業研究をしっかり行うことです。

志望動機で重要なのは、同業の他の企業ではなくなぜ応募先企業を志望したのかを伝えること。応募先企業独自の魅力を見つけるために、企業研究は必須です。

企業研究に役立つツール
  • ホームページ
  • 募集要項
  • 業界紙
  • 企業情報を掲載している書籍
  • 投資家向けのIR情報
  • 業界のニュース
  • 企業が発表しているプレスリリース 
  • 経営者のSNS など

企業研究に役立つツールはたくさんあります。これらのツールを利用して、企業理念や事業内容はもちろん、同業他社との比較や将来性も確認してみましょう。

企業を深く知ることで、企業の求めている人材が把握できるはずです。

例文は丸写しせずに自分の言葉に変換する

4つ目の注意点は、例文は丸写しせずに自分の言葉に変換することです。

情報が溢れている現代、志望動機の例文は調べればいくらでも見つけられます。しかし、例文を丸写しすると、かなり高い確率で採用担当者に丸写しであることを気づかれてしまうため、避けた方が無難です。

例文は参考程度にとらえ、自分の言葉に変換することを意識してください。

自己PRと一貫性をもたせる

5つ目の注意点は、自己PRと一貫性をもたせることです。

履歴書の自己PRとは、自分の強みや習得スキルをアピールする場所。志望動機でも、自分に入社後にやりたいことを叶えられるスキルや経験があることを伝えるため、両者に一貫性をもたせることが重要です。

一貫性がないとアピールしたい内容が薄れ、訴求性が弱まってしまいます。志望動機を書く際には、自己PRと一貫性を持たせるよう注意しましょう。

【職務経歴書の自己PR】書き方と例文!思いつかない場合はどうすればいい?

面接で志望動機を話すことも意識する

6つ目の注意点は、面接で志望動機を話すことも意識することです。

書類選考が無事通過すれば、次は面接。面接でも必ずといっていいほど、志望動機は聞かれます。

当然ですが、面接で話す内容と履歴書の志望動機には一貫性がないと不信感をもたれてしまう可能性があるため、注意が必要です。

さらに、履歴書の志望動機欄は書くスペースが限られていますが、面接では本人に直接話しが聞けるため、志望動機について深堀りされることも考えられます。

履歴書の志望動機を書く際には、面接で深堀りされることを想定したうえで内容を考えることが重要です。

履歴書では「御社」ではなく「貴社」を使う

7つ目の注意点は、履歴書では「御社」ではなく「貴社」を使うことです。

志望動機を書く際に、応募先企業のことを何と表現していいか迷った経験はありませんか?企業を表す言葉は、文書で表現する場合と話す場合で表現が異なります。

応募先企業の表現の違い
  • 書き言葉:貴社
  • 話し言葉:御社

履歴書では「貴社」、面接では「御社」と使い分けるようにしましょう。

まとめ・志望動機は入社意欲や自分の魅力を伝えるチャンスの場

履歴書の志望動機欄は書くスペースが限られているため、必要なことを端的に伝えることが重要です。志望した会社でなければならない理由や入社意欲を端的に伝えましょう。

履歴書の志望動機は、入社への想いや自分の魅力を伝えられる絶好の機会です。スキルや経験が不足していても、志望動機から熱い想いが伝われば書類選考を突破できる可能性もあります。

志望動機を書くのが苦手…とネガティブにとらえずに、自分の想いをしっかり伝えられるような志望動機を完成させましょう。

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この記事の監修者

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。

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