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シニアができる夜勤のお仕事はある?中高年も活躍できるお仕事7つご紹介

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

夜勤は大変と思われがちですが、実はシニアでも働ける夜勤のお仕事はあります。ここではシニアでもできるおすすめしたい夜勤のお仕事をご紹介します!

目次

転職や再就職を考える際に、夜勤業務を視野に入れたことがあるでしょうか。

なんとなく、「夜勤業務はきついのではないか?」と思ってしまいがちですが、実は夜勤業務はシニアでもできる職種が豊富です。
また、ライフスタイルによっては夜勤の方が働きやすい場合もあります。

夜勤は金銭的にもよく、今よりももっと稼ぎたいと考えている方には夜勤で働くほうがいいこともあるでしょう。

ここでは、シニアでもできる夜勤について、メリットやデメリットも併せてご紹介します。

夜勤とは?

夜勤とは深夜帯の業務のことをいいます。労働基準法第61条では、深夜労働の時間帯は「午後10時から午前5時」と定められています。

夜勤で働ける仕事には警備員・運転手・介護などのさまざまな業種があり、今まで経験してきたことを生かせるものもあるかもしれません。

もちろん、労働基準に定められた休憩時間があるため、働き通しということはありません。
夜勤は日中の仕事と違い、特に人手が不足しています。

夜勤の時間帯と割増賃金

夜勤勤務は業種や事業所によって業務時間は異なります。

深夜労働時間である22時~5時の間の業務で、残業でない場合、夜勤と呼んでいる事業所が多いですが、夜間に交代のある3交代制の事業所などでは独自の時間帯や呼び名となっていることもあります。

また、事業所によって例えば19時~4時の勤務など、深夜労働時間前後の様々な時間と呼び名があります。

労働基準法第37条第4項に、「午後10時から午前5時の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と定められています。

夜勤は、少ない勤務でも良い収入が見込める仕事です。

夜勤で働くメリット

では、夜勤で働くメリットにはどんなものがあるでしょうか。

給料が高い

深夜労働時間帯の仕事は、割増料金の時給が支払われます。そのため、深夜帯時間外の勤務より125%高い給料を得ることができます。

例えば、通常時給1,000円の仕事だとすると、夜勤は時給1,250円となり、その結果、4時間あたり1,000円高く給料を得ることができます。

ちなみに、法定休日の深夜労働時間帯に仕事をした場合、深夜時間帯の25%増に法定休日労働の35%増も加わり、日中の時間帯よりも60%多い賃金となります。

また、夜勤ではないケースを含め、深夜労働時間帯に残業(時間外労働)を行った場合、深夜時間帯の25%増に時間外労働の25%増が加わり、通常より50%多い賃金となります。

通勤が混まない

夜勤の仕事時間帯は、サラリーマンや学生の通勤や通学の時間と時間軸が逆になります。
時間軸が重ならないため、夜勤への出勤の際は通勤がスムーズです。

通勤ラッシュで込み合った中の大変な移動は避けることができるので、仕事前に通勤で疲れる事は少なくなると言えます。

通勤はストレスになる原因のひとつですので、ストレスに感じている方にとっては、少しでも負担が減るでしょう。

平日の昼の時間帯をゆっくり過ごすことができる

夜勤は深夜から朝までの勤務のため、平日の昼の時間帯が空きやすくなります。
睡眠や家事に時間を充てたり、また、ゆったり買い物やランチ、ティータイムに使ったりなんてことも可能です。

土日とは違った自由な時間を平日に過ごしたい方にはおすすめです。

夜勤で働くデメリット

一方、デメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

体調を崩しやすい

夜勤業務に慣れないうちは体内時計が狂い、体調を崩す恐れがあります。
十分な休息を取らずに通常の日中と同じような生活をしてしまうと免疫が弱くなることもあります。

夜勤の休憩時間のみでは休息は取り切れません。無理をして体調を崩さないように配慮しましょう。

生活リズムが崩れやすい

通常は寝ている時間に仕事を行うため、生活リズムの逆転が起きます。
例えば、洗濯や掃除などの家事をいつも通り行うと体を休める時間に充てられなくなります。

生活リズムが崩れると体調も崩しやすくなってしまうので、日中の仕事とは異なるリズムではあっても、独自のリズムを整えて規則正しい生活を心掛ける必要があります。

人と都合が合わせづらい

メリットで紹介した平日にゆったりと過ごすことができる一方、日中に仕事をしている人とは仕事の時間軸が異なるので、予定を合わせる事が難しい一面もあります。

毎日夜勤でなければ大丈夫なこともありますが、突発的な予定は合わせにくいです。

夜勤に向いている人ってどんな人?

では、夜勤に向いている人はどんな人でしょうか。

体力に自信がある

昔に比べ、50代以上のシニア世代になっても健康で長く働くことができるようになりました。

生活リズムを整えるために休息や睡眠をしっかりと取り、栄養管理もしっかりとおこなうことができれば、この先も長く働き続けることができるでしょう。

体力に自信があり、しっかりと自己管理を行える方は夜勤の仕事にうってつけです。

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規則正しく生活ができる

特に夜勤は日中よりも人員体制が少ないため、心と体の体調管理が必要です。
特に日勤と夜勤が切り替わる職場では、生活のリズムが崩れやすくなります。

オンとオフをうまく使い分け、メリハリをつけながら働くことで短時間でリズムを整えられる方や、日勤とは異なるリズムでも規則正しい生活を送ることができる方は充実した仕事が可能で、向いていると言えるでしょう。

収入を増やしたい

なんといっても、収入を増やしたい方には向いています。先ほどふれた25%割り増し賃金の時間帯を含む仕事は、高収入が望めます。同じ時間働いても日中の仕事より125%収入が上がります。
人材不足の仕事が多いため、収入を多くしたい方はすぐに働き始める事が可能です。

シニアが夜勤で働ける職業

ここではシニアが働くことができる職業についてご紹介します。

警備員

警備員には交通誘導の警備と施設の警備があります。
交通誘導警備は、道路などの人や車の流れを潤滑に誘導する警備員です。

安全のために必要とするポジションであるため、人のためになにかしたいと考えている人におすすめです。

施設警備員は、夜間の見守りや施錠確認などがあります。
夜間は力仕事が少ないため、シニアの方に向いています。

清掃員

清掃のお仕事にもいくつか種類があり、主な勤務先としてビル・工場・病院があります。
夜勤での清掃業務は、稼働していない時間が主になるため清掃業務に集中できます。

日中と違い、人通りが無い中で気持ちよく清掃できるとストレスは少なくなります。
人生経験から、マニュアル作業だけではなくかゆいところに手が届くシニアの方の感覚はとても役立ちます。

工場作業員

工場作業員は力仕事が多くて体力的に難しいのではないかと思われがちですが、工場によるものの、稼働は日中メインのところが多いです。
そのため、夜間は軽作業が多い傾向にあります。

大型の機械音や大人数の作業員での仕事と違い、気持ちにもゆとりが持てるでしょう。
単調な作業が多いため、黙々と仕事をこなしたいと考えている方に向いています。

運転手

トラックなどの運転手は、大型や中型の免許を持っている方におすすめしたい仕事です。
道路の空いている時間帯、同じルートの仕事もあるため、慣れたらスムーズに仕事が行えます。

コンビニエンスストアやスーパーなど、毎日配送が必要なルートでは配送先の方と顔見知りになることも楽しみのひとつになる方もいます。

コンビニエンスストアの店員

大都市圏と地域密着店での違いはありますが、コンビニエンスストアは地域の人の生活に密接な場所のため、人々と関わる仕事をしたい人にはぴったりです。
昼食時とは違い、混む事は少ないためゆったり仕事ができます。

シニアにおすすめの夜勤のお仕事


ここまではシニアでもできる夜勤のお仕事をご紹介しました。
その中でも特にシニアにおすすめしたい夜勤のお仕事を紹介します。

介護職員

介護職員は多くの機関では2交代制と3交代制が採用されています。

2交代制は「日勤」と「夜勤」に分かれています。
2交代制でよくみられる例として「日勤」は「8時30分~17時30分」、「夜勤」は「17時00分~9時00分」です。
夜勤の1回の勤務は16時間ほどになりますが、途中で仮眠休憩をとることはでき、夜勤があった翌日は休みになり、出勤日数自体は減ります。

一方、3交代制は「日勤」、「準夜勤」、「深夜勤」と分かれています。
3交代制でよくみられる例として、「日勤」は「8時00分~16時30分」、「準夜勤」は「16時00分~24時00分」、深夜勤は「24時00分~8時30分」です。

2交代制に比べて勤務時間は短いです。しかし、3つの勤務のパターンがあるため、生活が不規則になりがちで、肉体的に負担になってしまう方もいるようです。

夜勤は日勤に比べてスタッフが少ないため、幅広い業務を任されることが多いです。
事業所にもよりますが、遅番や準夜勤が就寝準備に入るため、主な仕事は夜間巡回や必要に応じた排泄介助などがあります。

また、眠れない方の話を傾聴するなど、利用者に対して家族のように接する場面もあります。
人生経験があるシニアの方だからこそ、利用者の方に寄り添い話を聞けることも多いと思います。

また、今までの経験を生かした若い職員への人生の教育も大きく期待されます。

看護師

看護師のシフトは医療機関ごとに異なりますが、多くの機関では介護職員と同様で2交代制と3交代制が採用されています。
それぞれの勤務時間も医療機関ごとに変わりますが、介護職員とほとんど変わらないスケジュールです。

看護師は夜勤とひとくちに言ってもさまざまな勤務時間になるため、自分の体と相談をしながら働きましょう。

看護師は介護スタッフと違い、医療行為を行えるという点でも需要が高い職種です。経験が豊かなシニア看護師は新卒の看護師と違い、ベテランな経験を生かした業務が期待されます。

経験のある看護師は利用者さんや他職員にとって安心できる存在で、良い職場作りに役立つことでしょう。

夜勤の仕事は、給料面や働きやすさなど、日勤とはまた違ったメリットがあります。
企業側としても、長年の人生の経験を生かしたスタッフの教育面のサポートにもつながるため、採用したいと考えているところも多いようです。

まだまだ元気で働きたいと思っているシニアも多くいるので、自分の体と相談をしながら、無理のない範囲で新しいことに挑戦してみるのも良いでしょう。

まとめ


夜勤の仕事は、給料面や働きやすさなど、日勤とはまた違ったメリットがあります。
企業側としても、長年の人生の経験を生かしたスタッフの教育面のサポートにもつながるため、採用したいと考えているところも多いようです。

まだまだ元気で働きたいと思っているシニアも多くいるので、自分の体と相談をしながら、無理のない範囲で新しいことに挑戦してみるのも良いでしょう。

転職や再就職を考える際には、夜勤という選択肢を入れてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。

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