【仕事を辞めたい】ときの対処法|辞めるべきかの判断基準も解説
「疲れた…仕事辞めたい…」 辞めても後悔しない判断基準とは?
「仕事を辞めたい…」社会人なら一度は感じたことがある人も多いでしょう。しかし、本当に辞めていいのか判断できない人も多いはず。この記事では、仕事を辞めたいときの対処法をご紹介します。
- 目次
- 仕事を辞めたいと思う理由にはどんなことがある?
- 職場の人間関係が悪く精神的ストレスが多い
- 労働条件が悪いため体力的に辛い
- ミスやできないことが多く今の仕事に向いていないと感じる
- 今の仕事がつまらないためやりがいを感じない
- 社風が合わないため居心地が悪い
- 給与や役職などで正当な評価をしてもらえない
- 年代別でも会社を辞めたい理由は異なる
- 【仕事が疲れた・辞めたい…】まずどうすればいい?
- 辞めたい理由をリストアップしてみる
- 今の会社の良いところと辞めた場合のリスクを比較してみる
- 気分転換できる趣味をみつける
- 長期休暇を取る
- 仕事を辞めたい理由別の対処法とは?
- 人間関係が理由の場合は人との接し方の見直しと相談
- 労働条件が理由の場合は労働時間や業務の確認と相談
- 今の仕事が向いていないと感じる場合は自己分析と相談
- 仕事をつまらないと感じる場合は業務内容の工夫と相談
- 社風が合わないと感じる場合は周囲の人への調査と相談
- 正当な評価がされていないと感じている場合は制度確認と相談
- ライフスタイルによる変化があった場合は公的制度の確認と相談
- 仕事を辞めない方がいいケースとは?
- 休暇をとることで問題解決できそうな場合
- 仕事を辞めた直後から経済的な不安が大きい場合
- やりたいことが明確でない場合
- 【ただ働きたくない】場合
- 仕事を辞めた方がいいケースとは?
- 自分の努力だけでは問題解決できない場合
- ストレスや過労から体調に支障をきたした場合
- 1年以上勤務したが今の会社が自分に合ってないと感じる場合
- やりたいことが明確な場合
- ライフスタイルの変化があった場合
- 辞める前にやっておくべきことはある?
- 現職でキャリアを作っておく
- 資格の取得やスキルアップのための勉強をする
- 転職活動を行う
- まとめ・仕事を辞めたい場合はよく考えて後悔しない選択を
仕事を辞めたいと思う理由にはどんなことがある?
社会人なら一度は「仕事を辞めたい」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか?「仕事を辞めたいと思うなんて甘えなのかな…」そんなことを考える人もいるかもしれません。
しかし、仕事を辞めたい理由は人それぞれ。必ずしも甘えではありません。まずは、世の中の人が仕事を辞めたいと思う理由を確認してみましょう。
同じ思いを抱いている人がいることで「自分だけではない」と安心できるかもしれません。
職場の人間関係が悪く精神的ストレスが多い
1つ目の理由は、職場の人間関係が悪く精神的ストレスが多いためです。
こんなケース
- 日々、上司からの理不尽な叱りを受けている
- 同僚や先輩の機嫌のムラが激しい
- まともに仕事を教えてもらえない・フォローしてもらえない
- 派閥やグループによる対立が激しく、孤立してしまう日がある
- 自分のいないときに悪い噂をたてられる など
人が集まる場所では多かれ少なかれ人間関係が存在します。プライベートでは気の合う人とだけ付き合うことも可能ですが、仕事となるとそうはいきません。職場での人間関係は年齢や立場も異なるため、難しく感じる人も多いでしょう。
パワハラ・モラハラ・セクハラなどハラスメントに苦しめられ、ストレスを抱える人も多くいます。
仕事とは関係ないこととはいえ、長い時間を過ごす職場の人間関係がうまくいかない場合、仕事を辞めたいと感じても無理はありません。
労働条件が悪いため体力的に辛い
2つ目の理由は、労働条件が悪く体力的に辛くなってしまったためです。
こんなケース
- 深夜残業や早朝出勤が日常的
- サービス残業が多い
- 人手不足のため仕事量が多い
- 仕事が終わらなくても誰も手助けしてくれない
- ノルマが厳しすぎる など
入社する際は必ず労働条件を確認しますが、実際には労働条件通りの勤務ではない会社もあるようです。
「業務量が多く定時では仕事が終わらない」「顧客次第で早朝・深夜・休日出勤が日常的にある」など、労働条件が悪いとゆっくり休める時間がとれなくなり、体力的に辛くなるでしょう。
また、ノルマを設けているような会社では「達成できるまでは定時で帰れない」など、精神的に追い詰められてしまう人もいるようです。
このような労働条件では体調をくずしてしまう可能性も高く、仕事を辞めたいと思っても仕方ないのかもしれません。
ミスやできないことが多く今の仕事に向いていないと感じる
3つ目の理由は、仕事上のミスやうまくできないことが多く、今の仕事が自分に向いていないと感じるためです。
こんなケース
- 注意しているつもりでもミスが多い
- 仕事が覚えられない
- 時間内に仕事が終わらない
- 何度やっても苦手な分野だと感じる
- 頑張っても同僚のように成果がだせない など
人が持っている「適性」はそれぞれ異なります。計算が得意な人・細かい確認作業が得意な人・プレゼンが得意な人・物を売るのが得意な人など、得意な分野は人それぞれ異なります。
つまり、異なる適性をもつ人が同じ仕事をした場合、結果に差が生じるのは当然のことなのです。もちろん「慣れ」である程度克服できますが、うまく結果がだせないことに劣等感を感じてしまう人もいるでしょう。
「自分の強みを活かせない」と感じる仕事を続けていると、仕事を辞めたい気持ちになってしまうのは仕方のないことなのかもしれません。
今の仕事がつまらないためやりがいを感じない
4つ目の理由は、今の仕事がつまらない・やりがいを感じないと思ってしまうためです。
こんなケース
- 単調な作業の繰り返しでやりがいを感じない
- 仕事中は時間が過ぎるのが遅く感じる
- 仕事で達成感を感じたことがない
- 仕事量が少なく必要とされていない気がする
- 任される仕事の範囲が狭くスキルアップできない など
仕事にやりがいを感じられない人に多いのが「自分がいなくても問題ない」と感じてしまうこと。誰にでもできる仕事を毎日やることに苦痛を感じる人は、仕事を辞めたいと思い始めてしまうようです。
また、任される業務内容が狭い場合に「このままだとスキルアップもできずに時間だけが経ってしまう」と感じる人も多いです。
社風が合わないため居心地が悪い
5つ目の理由は、社風が合わず居心地が悪いためです。
こんなケース
- 残業は当たり前、定時で帰れない空気感
- 間違った内容でも上司の言うことは絶対
- 飲み会の参加率で対応が変わる
- とにかく売上重視で顧客を大切にしない
- 業務開始30分前には出勤する
- 私語厳禁で水を打ったような静けさの職場 など
社風や職場の雰囲気は実際に働いてみないとわからないもの。入社してから、独特の社風に合わず、苦しい思いをする人もいるようです。
給与や役職などで正当な評価をしてもらえない
6つ目の理由は、給与面や役職面などで正当な評価をしてもらえないためです。
こんなケース
- 何年働いても昇給しない
- 業績を挙げても賞与がない
- 成果を挙げても給与に反映されない
- 明確な評価基準がない
- 成果を上げた人より接待上手な人が昇格していく
- 役職に付いても給与が上がらない など
仕事をする上で、給与や会社からの評価は重要なモチベーションの1つ。それらが正当に評価されない場合「報われない」と感じ、仕事を辞めたくなる人もいるようです。
年代別でも会社を辞めたい理由は異なる
仕事を辞めたい理由は年代によっても異なります。以下は、厚生労働省が発表している年代別の主な退職理由です。
年代 | 性別 | 仕事内容に | 能力・個性 | 職場の | 会社の将来 | 給与収入が | 労働条件が | 結婚のため | 出産育児の | 介護看護の | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20〜24歳 | 男性 | 9.6% | 5.1% | 6.0% | 7.5% | 5.4% | 14.3% | 0% | 1.0% | 0.3% | 29.0% |
女性 | 6.1% | 3.9% | 8.5% | 1.8% | 7.4% | 13.5% | 2.0% | 0.3% | 0% | 24.6% | |
25〜29歳 | 男性 | 4.4% | 4.0% | 8.9% | 9.2% | 8.5% | 16.9% | 1.2% | 0.4% | 0.1% | 22.8% |
女性 | 4.9% | 4.4% | 7.4% | 7.2% | 9.8% | 11.1% | 5.1% | 3.9% | 0.5% | 25.2% | |
30〜34歳 | 男性 | 5.3% | 4.1% | 9.4% | 9.6% | 13.4% | 17.2% | 1.0% | 0.3% | 0.2% | 16.8% |
女性 | 4.6% | 4.5% | 12.8% | 8.4% | 6.8% | 12.3% | 2.6% | 5.3% | 0.2% | 20.0% | |
35〜39歳 | 男性 | 4.0% | 5.6% | 9.7% | 15.4% | 8.3% | 8.9% | 0.6% | 0.7% | 0.3% | 18.8% |
女性 | 7.3% | 5.9% | 11.6% | 3.3% | 7.7% | 13.4% | 0.7% | 4.0% | 0.4% | 21.0% | |
40〜44歳 | 男性 | 5.7% | 4.9% | 12.9% | 8.3% | 14.6% | 9.6% | 0% | 0.6% | 0.6% | 10.0% |
女性 | 3.5% | 4.2% | 5.6% | 4.0% | 5.8% | 13.3% | 0.4% | 2.4% | 0.2% | 34.1% | |
45〜49歳 | 男性 | 6.0% | 5.2% | 10.7% | 6.0% | 6.7% | 4.9% | 0% | 0% | 0.4% | 18.9% |
女性 | 5.3% | 5.0% | 9.9% | 6.0% | 10.2% | 15.1% | 0% | 0.3% | 0.4% | 23.2% | |
50〜54歳 | 男性 | 1.8% | 6.7% | 14.9% | 6.6% | 5.0% | 3.3% | 0% | 0% | 0.3% | 14.7% |
女性 | 4.6% | 7.7% | 12.4% | 3.0% | 3.9% | 7.2% | 0.2% | 0% | 1.6% | 25.7% | |
55〜59歳 | 男性 | 4.7% | 3.4% | 4.8% | 5.3% | 12.1% | 3.5% | 0% | 0% | 0.6% | 16.3% |
女性 | 8.4% | 3.9% | 12.1% | 4.6% | 5.7% | 7.4% | 0% | 0% | 2.2% | 23.3% | |
60〜64歳 | 男性 | 2.3% | 2.0% | 4.1% | 4.4% | 2.9% | 1.0% | 0% | 0% | 0.7% | 9.0% |
女性 | 1.6% | 1.0% | 18.0% | 0.8% | 1.4% | 8.3% | 0% | 0% | 1.5% | 19.1% | |
65歳以上 | 男性 | 0.7% | 0.9% | 3.4% | 1.5% | 1.9% | 1.7% | 0% | 0% | 0.4% | 23.0% |
女性 | 2.1% | 0% | 11.7% | 8.5% | 2.6% | 3.0% | 0% | 0% | 6.2% | 21.4% |
20代の会社を辞めた理由の上位には「労働条件が悪かった」ことが男性女性共に上位にきています。仕事だけではなくプライベートも重視したい世代なのかもしれません。
また、男性は会社の将来に不安を感じて転職する人も多く、理想の会社に出会いたいと思っている人が多いことがわかります。これは、30代の男性も同様の傾向にあります。
一方、女性は給与や人間関係を理由に転職する人が多く、男性に比べて現実的な考え方をする人が多いようです。
30代女性になると、人間関係を理由に辞める人が多くなります。仕事をする上で人間関係がいかに重要なのかがわかる結果です。
40代になると、男性女性共に給与の低さが辞める理由の上位に入っています。結婚や育児などライフスタイルの変化が多い世代のため、仕事内容より収入を重視する人が増えてくるのかもしれません。
【仕事が疲れた・辞めたい…】まずどうすればいい?
「仕事に疲れた」「仕事を辞めたい」と思ったとき…、ちょっとだけ待ってください。勢いに任せてすぐに辞めてしまうと、後悔してしまう可能性もあります。
まずは、一呼吸して、できる範囲で以下のことを行ってみましょう。
辞めたい理由をリストアップしてみる
1つ目は、辞めたい理由をリストアップしてみることです。
仕事を辞めたい場合に限らず、自分の気持ちを紙に書き出しリストアップすることは、自分の感じていることを把握するための有効な手段の1つです。
「どのようなことが原因で辞めたいと思っているのか」「問題解決のための方法はあるのか」などが整理できると、今後どうすればいいのかが見えてくるでしょう。
書き出す内容は整っていなくても構いません。「通勤時間が辛い」「定時より早く出社することに納得がいかない」など、普段感じているちょっとした不満を思いつくままに書き出してみてください。
リストアップが終わったら、自分で解決できることとできないことに分類してみましょう。
分類した結果、「人間関係・給与・社風・会社の将来性」など、自分では解決しづらい内容が多い場合は、退職しても後悔は少ないはずです。
後ほどご紹介する「辞めたい理由別の対処法」を試してみた上で、「仕事を辞めた方がいいケース」に当てはまる場合は、退職を検討してみましょう。
今の会社の良いところと辞めた場合のリスクを比較してみる
2つ目は、今の会社の良いところと辞めた場合のリスクを比較してみることです。
仕事を辞めたいと思っているときに良いところを探すのは難しいかもしれません。しかし、必ず良い面はあるはずです。「給与は低いが人間関係は良い」「社風は合わないが将来性がある」など、客観的に会社の判断をしてみてください。
思いつかない場合は、単純に「仕事をしているメリット」でも構いません。少なくても、「定期的な収入がある」というメリットはあるはずです。
一方、仕事を辞めると収入が途絶えてしまいます。健康保険や国民年金の保険料も全額自分で負担しなくてはならないため、さらに経済的な負担は大きくなります。
また、収入がない中で転職活動をしていると、焦りから条件の合わない会社に転職してしまう可能性も高くなるでしょう。
転職先が決まっている場合でも入社してからでないとわからない内容もあるため、必ずしも今より良い状態になるとは限りません。
今の会社の良いところと辞めた場合のリスクを比較してみて、辞めた場合のリスクを大きく感じる場合は、すぐに退職することは避けた方がいい可能性が高いです。
後ほど紹介する「辞めたい理由別の対処法」を試してから、退職を検討しましょう。
気分転換できる趣味をみつける
3つ目は、気分転換できる趣味をみつけることです。
「仕事」をどのようにとらえるかは人それぞれ。「仕事はあくまでも収入を得るための手段」と割り切れれば、仕事を辞めたい気持ちが抑えられるかもしれません。
「仕事は仕事」と割り切れる人は、気分転換できる趣味をもっている人が多いです。「プライベートを楽しむために仕事がある」と思えるような趣味があれば、仕事も頑張れるでしょう。
趣味といってもおおげさに考えることはありません。自分が何をしているときにリラックスしているか、楽しいと感じるかを思い浮かべてみてください。
その時間を作るために仕事があると考えられれば、仕事に費やす時間が早く感じられるようになるかもしれません。
長期休暇を取る
4つ目は、長期休暇を取ることです。
「何をしていても仕事のことが頭から離れない」そんな場合は、思い切って長期休暇をとってみましょう。
たとえ一時でも仕事から離れると、仕事に対する気持ちが変わることもあります。体や心が休まることで、「今の会社でもう少し頑張ってみよう」と前向きな気持ちになる人もいます。
メンタルケアの病院で治療の必要があると診断されれば、有給休暇を使わなくても、一定期間職場から離れることも可能です。
※2:全国健康保険協会:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
仕事を辞めたい理由別の対処法とは?
仕事を辞めたい理由は人それぞれ異なるもの。理由が違えば、当然対処法も異なります。ここでは、仕事を辞めたい理由別の対処法をご紹介します。
人間関係が理由の場合は人との接し方の見直しと相談
人間関係が理由の場合にできることは主に2つ。人との付き合い方を見直すこと、同僚や上司に相談することです。
まずは、会社での人間関係を見つめ直し、改善できることがあるか考えてみましょう。もちろん、人の考え方や価値観を変えることは簡単ではないため、相手の考えを尊重し歩み寄ることを意識してみてください。
特に、自分と異なる意見を持つ相手には「否定」から入るのではなく、「こういう考え方もある」と受け止めてみると、相手にもこちらの気持ちが伝わるかもしれません。
「そんなことはとっくにやってるけど改善されない」という場合や、努力してみたけれど改善されない場合は、同僚や上司に相談してみましょう。
その際、上司からハラスメントを受けている場合は、ハラスメントをしてくる上司より上の立場の人に相談することが重要。相談した結果、状況を重く受け止めた会社側が配置換えなどをしてくれる可能性もあります。
「上司に相談しても変わらない」「相談できるような雰囲気ではない」場合は、退職を検討してもいいかもしれません。
ストレスにより心身に異常をきたす前に、心機一転、違う会社で働くことが正解のケースも大いにあります。
労働条件が理由の場合は労働時間や業務の確認と相談
労働条件が理由の場合は、まず、直近数ヶ月間の労働時間や担当している業務を正確に確認してみましょう。
確認する項目
- 残業時間
- 自分の担当業務
- どの業務に時間がかかっているのか など
確認した結果、担当業務が多過ぎると感じる場合は、他の人に業務の分散が可能かどうか、上司や同僚に相談してみましょう。
また、時間を費やしている業務を効率化できないか検討してみることも大切です。
上司に相談しても変わらない場合は、人事や労務担当の人に相談してみましょう。それでも改善しない場合は、労働基準監督署に相談するという方法もありますが、そこまで話を大きくしたくない場合は退職を検討するのも1つの方法です。
生活を支えるために働いているのに過労で体調をくずしてしまっては本末転倒。自分の健康を守るために退職することは、逃げることではありません。
今の仕事が向いていないと感じる場合は自己分析と相談
今の仕事が向いていないと感じる場合は、なぜ向いていないと感じてしまうのか自己分析をしてみましょう。
原因
- ミスが多い→経験不足・注意不足ではないか?
- 仕事がおそい→知識不足や不慣れのせいではないか?
- 成果を挙げられない→今と違う手段はないのか?
原因が上記のようなことなら、自分の努力や周囲の手助けで仕事に対する意識が変わってくるかもしれません。
しかし、「本来はデータ分析がしたかったのに営業の仕事をしている」など、自分の興味や適性と全く異なる仕事をしている場合などは、どんな仕事が自分に向いているのかを改めて考えてみましょう。
もし、自分に向いていると思える仕事が同じ社内の別部署にある場合は、別部署への異動を願い出ることで辞めたい気持ちが解決するかもしれません。
また、上司に相談することで、自分では気づいていない適性に気づく可能性もあります。
今の会社に向いている仕事がないと思う場合は、やりたい仕事を明確にした上で転職することも1つの方法です。
仕事をつまらないと感じる場合は業務内容の工夫と相談
仕事をつまらないと感じる場合ややりがいを感じない場合は、なぜつまらないと感じてしまうのかを改めて考えてみましょう。
単調な作業ばかりでつまらないと感じる場合は、今よりさらに効率よくできる方法がないか考えたり提案してみてください。
自分のちょっとした工夫で周囲の人の仕事がしやすくなり、「ありがとう」と声をかけられるようなちょっとしたことでも仕事へのやりがいはみつかります。
仕事量が少なかったり担当業務の範囲が狭い場合は、気になっている業務を進めて報告してみたり、もう少しスキルアップしたいことを上司に伝えてみてください。
仕事に対して前向きな意見は迷惑と思われることは少ないはずです。
それでもやりがいがみつからない場合は転職することも1つの方法ですが、転職先で今と同じ思いを抱かないよう、仕事内容を重視して仕事探しを行うことが重要です。
社風が合わないと感じる場合は周囲の人への調査と相談
社風が合わないと感じる場合は、どのようなことに違和感を感じるのか、理由も一緒に考えてみましょう。
そして、同僚や親しい先輩が自分と同じ違和感を抱いていないか聞いてみることも大切です。
違和感を感じる内容が職場のコミュニケーション方法などの場合は、数人で改善提案を行うことで社内の雰囲気が変わるかもしれません。
ただし、違和感を感じる内容が「残業が当たり前」や「顧客より売上重視」など会社規模の場合は、上層部へかけ合う必要があるため、実際に社風を変えることは容易ではないでしょう。
改善提案をしても短期間のうちに変わらないような社風が苦痛に感じる場合は、思い切って退職した方がいいのかもしれません。
正当な評価がされていないと感じている場合は制度確認と相談
給与面などで正当な評価がされていないと感じる場合は、転職サイトなどで同じ業種の平均給与などを確認して比較してみましょう。
同時に、社内の昇給や昇格制度を確認することも重要です。
勤続年数なども考慮した結果、明らかに給与が低い場合は昇給の交渉をしたいところですが、社内で明確な昇給制度が定められていない場合、交渉するのは難しいかもしれません。
また、交渉する際は社内規定を確認し、自分が規定をクリアしている客観的事実を伝えながら交渉するよう注意してください。
「業務と給与が見合っていなく我慢できない」「交渉しても何も変わらない」「そもそも交渉できるような社風ではない」などの場合は、今より給与が高い会社への転職を検討してみましょう。
ライフスタイルによる変化があった場合は公的制度の確認と相談
結婚・出産・育児などによるライフスタイルの変化があった場合は、利用できる公的制度や社内制度があるか確認をしてみましょう。
特に、出産と育児に関しては休業が取得できるため、辞める前に制度を利用して仕事と育児の両立ができないか検討してみることが大切です。
出産・育児休業の日数
- 産休:出産予定日を含む6週間以内(双子は14週間以内)+出産後8週間以内
- 育休:子どもが満1歳になるまで
なお、育休は父母の両方が育休を取得する場合、子どもが1歳2ヶ月まで期間が延長されます。保育所に入所できないなどの理由がある場合は、最長満1歳6ヶ月まで育休の取得が可能です。
結婚を機に退職を検討する場合は、時短勤務などに切り替えできないか相談してみることも1つの方法です。
公的制度や社内制度を利用しても、仕事を辞めた方がいいと判断した場合は、堂々と理由を伝えて円満退職を目指しましょう。
※4:厚生労働省|出産育児休業
仕事を辞めない方がいいケースとは?
仕事を辞めたいと思っている人にとって「本当に辞めていいのか」判断することは大きな悩みの1つ。ここでは、仕事を辞めない方がいいケースの判断目安をご紹介します。
休暇をとることで問題解決できそうな場合
1つ目は、休暇をとることで問題解決できそうな場合です。
職場に問題があってもなくても、真面目に仕事をしていれば疲れは溜まるもの。仕事に大きな不満がなくても、日々の疲れやストレスから仕事を辞めたいと思う人も多いでしょう。
このような場合は、休暇をとって気分転換したり体を休めたりすることで仕事を辞めたい気持ちが変わる可能性が高いです。
また、結婚や育児などライフスタイルが変わったときも大きな環境の変化から疲れがたまる人も多いはず。このような場合も、休暇をとることで改めて仕事の大切さを感じる人が多いです。
「仕事に疲れた」と感じたときは、すぐに辞める判断をせず、休暇をとり元気になってから自分の気持ちを見つめ直してみましょう。
仕事を辞めた直後から経済的な不安が大きい場合
2つ目は、仕事を辞めた直後から経済的な不安が大きい場合です。
転職先が決まっていない状態や貯金が少ない場合、仕事を辞めた直後からお金の不安が生じるでしょう。
その場合、「早く働かなくては」という焦りから、条件に合わない会社に転職してしまう可能性がでてきてしまいます。
また、転職するまでのつなぎとして日中にアルバイトやパートを行うと、転職活動が思うように進まない場合もあるでしょう。
転職先が決まっていない状態で仕事を辞める場合は、数ヶ月間、転職活動に専念できる状態にしておくことが理想的です。
失業保険のもらい方を徹底解説!自己都合と会社都合の違いや期間も
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やりたいことが明確でない場合
3つ目は、やりたいことが明確でない場合です。
特に「今の仕事に大きな不満はないけれどなんとなくつまらない」ことが理由で仕事を辞めたい場合は、「自分が仕事に何を求めているのか」「やりたい仕事は何か」などを明確にした上で退職することをおすすめします。
「なんとなく」が理由で仕事を辞めてしまうと転職先も「なんとなく」決めてしまい、また同じ状況になり兼ねません。
明確な職業まで決まらなかったとしても、興味のある業界や身につけたいスキルなどを考えてから、次の仕事を探しましょう。
【ただ働きたくない】場合
4つ目は、「ただ働きたくない」場合です。
仕事をする目的は人それぞれ。やりがいや成長を求める人がいる一方で、お金のために働く人もいるでしょう。
仕事の成果は報酬です。ある程度のお金がないと一般的な生活を送ることは困難なため、お金のために働くということは当然の理由です。
自分を養ってくれる人がいたり不労所得があったりする人以外は、働かないと食っていけないのが現実なのです。
そのため、「ただ働きたくない」という理由で仕事を辞めてしまうと、最低限の生活すら送れなくなってしまいます。
月曜日の夜や連休明けの出勤日に「仕事に行きたくないな」と感じた経験は誰でもあるはず。そこは、お金のため!と割り切って仕事を続けてみましょう。
仕事を辞めた方がいいケースとは?
では、仕事を辞めた方がいいケースとはどのような場合なのでしょうか?
自分の努力だけでは問題解決できない場合
1つ目は、自分の努力だけでは解決できない場合です。
ここまでの説明でもお伝えした通り、仕事を辞めたいと感じさせる問題が自分の努力で解決できない場合もあります。
自分の努力だけでは解決できない主なケース
- 職場の人間関係
- 労働条件
- 社風
- 会社の将来性 など
上記のような理由で、ある程度の努力をしても問題解決に至らなかった場合は、仕事を辞めて新しい1歩を踏み出す勇気も必要です。
ストレスや過労から体調に支障をきたした場合
2つ目は、ストレスや過労から体調に支障をきたした場合です。
精神的ストレスからうつ病になってしまったり、過労から大きな病気を発症してしまったりすることは、決して珍しいことではありません。
体は資本。仕事のせいで体を壊してしまっては本末転倒です。
精神的ストレスや労働条件の悪さから体を壊してしまうような場合は、仕事を辞めた方がいいでしょう。
1年以上勤務したが今の会社が自分に合ってないと感じる場合
3つ目は、1年以上勤務したが今の会社が自分に合っていないと感じる場合です。
同じ職場で1年間働いていると、「仕事内容・人間関係・社風」などが一通りみえてくるでしょう。尊敬できる先輩がいたり仕事で目標ができたりする場合は、今の仕事が充実しているということです。
しかし、「尊敬できる上司や先輩がいない」「このままではスキルアップも望めない」と感じてしまう場合は、今の会社が自分に合っていない可能性が考えられます。
もちろん、人によって意見はさまざまなため「1年」というのはあくまでも目安。自分の担当業務はもちろん、会社の方向性などが把握できた段階で判断してみましょう。
「転職」がめずらしくない今の時代、合わない会社とは縁を切り新しい出会いに期待することも必要です。
やりたいことが明確な場合
4つ目は、やりたいことが明確な場合です。可能であれば、在職中に即戦力になるような資格を身につけておくと理想的です。
今は通信講座などもたくさんあるため、仕事をしながらでも資格の取得は可能です。
新しい夢が見つかった場合は計画的に夢の実現に備えて、新しい一歩を踏み出しましょう。
ライフスタイルの変化があった場合
5つ目は、ライフスタイルの変化があった場合です。
ライフスタイルの変化の例
- 結婚による引越しで通勤時間が長くなった
- しばらくは子育てに専念したい
- 家族が増えたため収入を増やす必要がある など
上記のような個人的な理由で仕事を続けることが困難になった場合は、正直に事情を話して、円満退職を目指しましょう。
ただし、家族の介護が必要になった場合は注意が必要。介護に費やす時間は必要ですが、仕事を辞めて自分の収入が無くなってしまうと共倒れになり兼ねません。
介護のために仕事を辞める検討をする場合は、「生活に困らないくらいの収入があること」を最優先に考えましょう。
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辞める前にやっておくべきことはある?
悩んだ末に仕事を辞めることを決めた場合、辞めてから後悔はしたくないものです。ここでは、辞める前にやっておくといいことをご紹介します。
現職でキャリアを作っておく
1つ目は、現場でキャリアを作っておくことです。
転職する際の入社面接では、前職の内容を聞かれるケースが多いです。その際、現職でのキャリアをアピールできるようにしておくと「この人は会社に貢献してくれそう」という印象を残せるでしょう。
「売上上位になった」など目立った活躍でなくても、「営業事務として営業さんが仕事をしやすいような書類を毎日作成した」など、必ず会社に貢献できていたことがあるはずです。
思いつかない場合は、自分のやってきた仕事を細かく振り返り、退職までにできることを考えてみましょう。
資格の取得やスキルアップのための勉強をする
2つ目は、資格の取得やスキルアップのための勉強をすることです。
転職の際には履歴書や職務経歴書が必須になります。履歴書は、面接の前に自分をアピールできる重要な書類。資格欄に資格を記入することで、自分が即戦力になれることをアピールできます。
今は働きながら取得できる資格がたくさんあります。
簿記・語学・特殊な運転免許・IT系の資格・介護の資格など、できれば希望する仕事で役立つ資格の取得を目指しましょう。
転職活動を行う
3つ目は、転職活動を行うことです。
ライフスタイルの変化などでしばらく仕事を離れるケースを除いては、仕事を辞めるのは転職先を決めてからの方が理想的です。
求人の情報収集は仕事をしながらでも可能です。面接などは有給休暇を活用しながら進め、安心して仕事を辞められるよう転職先をみつけましょう。
まとめ・仕事を辞めたい場合はよく考えて後悔しない選択を
社会人なら多かれ少なかれ、仕事を辞めたいと思ったことがある人はいるでしょう。しかし、辞めたい理由は人それぞれ異なります。
辞めたいと悩んでいる場合は、自分の気持ちを見つめ直すために辞めたい理由をリストアップしてみましょう。
そして、辞めたい理由が自分で解決できないことの場合は、次のステップに向けて新たなスタートを切るのもいいかもしれません。
大切なのは、辞めてから後悔しないこと。縁があって入社した会社です。勢いで辞めるようなことはせずに、十分検討してから後悔のない道を選択してください。
参考資料
厚生労働省|令和4年雇用動向調査結果の概況
全国健康保険協会:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
厚生労働省|全国労働基準監督署の所在案内
厚生労働省|出産育児休業
この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。