【退職届】【退職願】の正しい書き方マニュアル|便箋や封筒はどうする?
これで安心! 退職届・退職願の正しい書き方マニュアル
お世話になった会社を退職する…できるだけ迷惑をかけず円満に退職したいものです。この記事では、自己都合や会社都合などの理由別の退職願・退職届の書き方や作成時のポイントをご紹介します。
- 目次
- 【退職届】【退職願】を書く前にすること
- 就業規則を確認する
- 便箋・封筒・ペンを用意する
- 退職理由別|【退職届】【退職願】の書き方
- 自己都合退職の場合
- 会社都合退職の場合
- 封筒の書き方
- 【退職届】【退職願】を提出する際のポイント
- 退職届を提出する前に退職の意思を伝える
- 会社都合退職の場合の退職届には明確な理由を記入する
- 会社の繁忙期はできるだけ避ける
- 「退職届・退職願・辞表」の違いとは?
- 退職届は退職が確定した後に提出する書類
- 退職願は会社に退職の意思を伝えるための書類
- 辞表は役員が役職を辞する場合や公務員を辞めるときに提出書類
- 円満退職をするための流れ
- 退職届や退職願に関するよくある質問
- 退職届や退職願はパソコンで作っても問題ない?
- 会社都合退職の場合でも退職届を提出する必要はある?
- 一度提出した退職届・退職願・辞表を取り下げることは可能?
- 退職届の提出後は同僚や取引先に退職することを話しても問題ない?
- 試用期間中に退職する場合でも退職届は必要?
- 退職願や退職届は郵送しても大丈夫?
- 直属の上司が退職願を受け取ってくれない場合はどうすればいい?
- まとめ・退職手続きは余裕のあるスケジュールで進めよう
【退職届】【退職願】を書く前にすること
退職届や退職願を書く前に、まずは以下の2点を行いましょう。
【退職届】【退職願】を書く前にすること
- 就業規則を確認する
- 便箋・封筒・ペンを用意する
勢いで作成せずに、しっかり準備をしてから書き始めましょう。
就業規則を確認する
退職の意思が固まったら、まずは就業規則を確認します。就業規則には「退職を希望する日の○ヶ月前までに申し出ること」など、退職に関する規定が記載されています。
民法上では「退職の申出をした日から起算して原則として14日を経過したときは退職できる」とされていますが、就業規則に沿って退職を進めることは、社会人として基本的なマナーの1つ。
お世話になった会社に迷惑をかけないためにも、できるだけ退職に関する規則に沿って退職手続きを進めましょう。
会社により、所定の退職届がある場合や人事部に申し出をするなど規定が異なるため、「誰に」「いつまでに」申し出るかを確認することが重要です。
便箋・封筒・ペンを用意する
退職届や退職願を書くために必要なものも用意しておきましょう。
退職届や退職願を書くために必要なもの
- 白い便箋
- 白い無地の封筒
- 黒のボールペンや万年筆
便箋のサイズはB5サイズが一般的。また、ボールペンは消せないタイプが基本です。
退職理由別|【退職届】【退職願】の書き方
早速、退職届や退職願の書き方を確認してみましょう。ここでは、退職理由別の書き方をご紹介します。
自己都合退職の場合
まずは、自己都合退職の場合の書き方です。
自己都合退職とは、会社への不満や他社への転職など自分の都合で退職した場合や、体調不良や出産育児など環境の変化などにより退職した場合が該当します。
自己都合退職の退職届の例
ポイント
- 冒頭に「退職届」と少し大きめに書く
- 1行空けて「私儀」と書く
- 理由は「一身上の都合」にする
- 日付は西暦でも和暦でもどちらでもよい
- 退職日は会社と相談して決定した退職日を記入する
- 押印はシャチハタ以外を使う
- 会社名は正式名称、社長名はフルネームを記載する
私儀には「わたくしごとですが」という意味が含まれています。退職届に書く退職届は、どんな理由にせよ「一身上の都合」としましょう。
自己都合退職の退職願の例
ポイント
- 冒頭に「退職願」と少し大きめに書く
- 1行空けて「私儀」と書く
- 理由は「一身上の都合」にする
- 日付は西暦でも和暦でもどちらでもよい
- 退職希望日を記入する
- 押印はシャチハタ以外を使う
- 会社名は正式名称、社長名はフルネームを記載する
退職願の場合は、自分が退職を希望する日を記入し、「お願い申し上げます」と記入します。
会社都合退職の場合
次に、会社都合退職の場合を確認してみましょう。
会社都合退職とは、会社の倒産や事業縮小による解雇など、自分の意思とは関係なく勤め先の都合により退職せざるを得なくなった場合が該当します。
基本的には自己都合退職と同じですが、退職理由の部分だけが異なります。事業縮小のためや早期退職のためなど、会社都合による退職であることをしっかり記入することがポイントです。
会社都合退職の場合、会社所定の用紙があることが一般的です。ない場合は上記のように記載しましょう。
なお、会社都合退職の場合、退職願を提出する必要はありません。
封筒の書き方
封筒の書き方にもマナーがあります。
封筒は、郵便番号枠のない白い封筒を選びましょう。
サイズは長形4号が基本。便箋がA4サイズの場合は長形3号を選びましょう。
ポイント
- 封筒の表面の中央に「退職届」「退職願」と記入する
- 裏面には部署と名前を記入する
- 便箋をいれたら封をして「〆」と記入する
■折り方
便箋は上記のように3つ折りにして封筒に入れます。
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【退職届】【退職願】を提出する際のポイント
では、退職届や退職願を提出する際にはどのようなことに注意すればよいのでしょうか?
退職届を提出する前に退職の意思を伝える
1つ目のポイントは、退職届を提出する前に退職の意思を伝えることです。
自分の中で退職の意思が固まったからといって、いきなり退職届を提出するのはマナー違反です。まずは、直属の上司に退職の意思を伝えましょう。
直属の上司を飛び越えてさらに上の立場の人に最初に伝えることは、トラブルの元になる可能性があるため、気をつけてください。
伝える際はその場で伝えるのではなく、「お話がございますので、お時間をいただけないでしょうか?」とアポイントを取ります。
退職希望日の2ヶ月前を目安に伝えると、引き継ぎなどの時間がしっかり作れるでしょう。
自己都合退職の理由を伝える際は個人的な理由を伝える
2つ目のポイントは、自己都合退職の理由を伝える際は個人的な理由を伝えることです。自己都合の場合、退職届や退職願には「一身上の都合」と記入しますが、直接伝える際は本当の理由を言うのがマナーです。
ただし、会社や上司への直接的な不満や批判を伝えるのは避けましょう。雰囲気を悪くしてしまうだけでなく、「不満要素を改善するから退職を考え直して」という流れになり兼ねません。
「今後は異なる分野で働きたい」「〇〇の資格を取得したのでそれを活かせる仕事をしたい」など、今の会社ではできない仕事に興味があるという理由は比較的納得してもらえやすいでしょう。
他に、結婚や引越しなどの場合も本来の理由を伝えて問題ありません。
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会社都合退職の場合の退職届には明確な理由を記入する
3つ目のポイントは、会社都合退職の場合の退職届には明確な理由を記入することです。
自己都合退職の場合は「一身上の都合」で問題ありませんが、会社都合退職の場合は理由を明確に書く必要があります。退職理由により、転職時の印象や失業保険の条件が変わるためです。
会社の倒産や事業縮小による解雇など、自分の意思ではなく「やむを得ない状況だったため退職した」ことを明確に記入してください。
会社の繁忙期はできるだけ避ける
4つ目のポイントは、会社の繁忙期はできるだけ避けることです。
繁忙期には上司も部下も気持ちの余裕がなくなりがち。そんなときに「退職したい」という思いを伝えると、会社にも同僚にも迷惑をかけてしまう可能性があります。
次の仕事の都合や家庭の都合などでどうしても退職時期が繁忙期とぶつかってしまう場合は、「忙しい時期に恐縮ですが」という思いと「今、退職しなければならない理由」を伝えるようにしましょう。
「退職届・退職願・辞表」の違いとは?
退職に関する届出でよく聞く言葉には「退職届」や「退職願」や「辞表」などがあるでしょう。では、この3つにはどのような違いがあるのでしょうか?
退職届は退職が確定した後に提出する書類
退職届とは、退職が確定した後に提出する書類のことです。
法的には口頭での意思表示のみでも退職は可能ですが、明確な証拠として書面で残すことが一般的。会社所定の退職届があるケースも多いため、就業規則の確認後に提出しましょう。
退職願は会社に退職の意思を伝えるための書類
退職願とは、会社に退職の意思を伝えるための書類のことです。
退職願も口頭でも問題ありませんが、退職に対する強い意思を伝えるためには書面で伝えることが有効的。転職先が決まっていて退職を急いでいるときなどは、退職願があるとスムーズに手続きが進みやすくなります。
辞表は役員が役職を辞する場合や公務員を辞めるときに提出書類
辞表とは、役員が役職を辞する場合や公務員を辞めるときに提出する書類のことです。つまり、役職のない一般社員が辞表を使うことはありません。
円満退職をするための流れ
お世話になった会社を去るのであれば、できるだけ円満に退職したいものです。ここでは、円満退職するための流れをご紹介します。
円満退職するための流れ
- 退職の意思を固める
- 就業規則を確認する
- 退職願を書く
- 直属の上司に退職の意思を伝え、退職願を提出する
- 退職の承認を得て、退職日の決定をする
- 退職届を書き、提出する
- 業務の引き継ぎを行う
- 退職
退職の意思を伝えた後は、上司と相談して業務の引き継ぎを効率よく進めることが重要です。
退職届や退職願に関するよくある質問
最後に、退職届や退職願に関するよくある質問をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。
退職届や退職願はパソコンで作っても問題ない?
退職届や退職願をパソコンで作成しても問題ありません。
ただし、一般的には手書きが好まれる傾向にあります。パソコンで作成した場合でも、署名の部分は必ず手書きしてください。
また、文章は縦書きが基本とされています。
会社都合退職の場合でも退職届を提出する必要はある?
会社都合退職の場合、退職届の必要の有無は会社により異なります。退職に関する説明を受ける際や就業規則などで、確認しておくとよいでしょう。
一度提出した退職届・退職願・辞表を取り下げることは可能?
一度提出した退職に関する書類を取り下げることは、基本的にはおすすめしません。退職を迷っている場合は、退職願や退職届を書く前に上司に相談をし、自分の考えを見つめ直しましょう。
万一、提出した後に気が変わった場合は、退職願であれば取り下げることが可能かもしれません。
退職届の提出後は同僚や取引先に退職することを話しても問題ない?
社員の退職は、社内社外とさまざまな場所に影響する可能性があります。たとえ退職届を提出した後でも勝手に口外せず、上司に確認をとってから話すように心がけましょう。
取引先に伝える場合は今後の体制や後任者が決定してから伝えれば、マイナスの印象が少なくなるはずです。
試用期間中に退職する場合でも退職届は必要?
試用期間中に辞める場合でも入社したことに変わりはないため、退職届は必要です。意思が固まった段階ですぐに申し出ましょう。
退職願や退職届は郵送しても大丈夫?
退職願や退職届は手渡しが基本ですが、体調不良や遠方にいて手渡しが難しい場合は郵送しても問題ありません。
上司に郵送する旨を伝えてから、送付状を同封して郵送しましょう。
直属の上司が退職願を受け取ってくれない場合はどうすればいい?
就業規則を守っている場合は、会社に退職を拒否する権利はありません。
直属の上司が退職届を受け取ってくれない場合は、さらに上の上司や人事部へ相談してみましょう。
まとめ・退職手続きは余裕のあるスケジュールで進めよう
会社の一員として働いている以上、ルールを守って退職の手続きをすることは社会人としてのマナーです。
退職届や退職願を提出する際は就業規則を確認し、余裕のあるスケジュールで退職手続きを進めましょう。
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この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。