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シニアの転職面接ではどんなことを質問される?よくある質問を解説

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

シニアの転職・再就職の面接で押さえておきたいポイントを紹介。どんな質問をされるのか、質問の意図や、長所のうまい伝え方について解説します。

目次

シニアの面接ではどんなことに注意すればよいのでしょうか?
社会人経験の長いシニアは、面接での受け答えは慣れているようにも思えますが、実は意外な落とし穴もあります。

即戦力であることが求められるシニアは面接でどんな質問をされるのか?シニアはどんなことを長所に自己PRすべきなのか?など、気になるシニアの面接ノウハウをご紹介します。

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シニアの面接の基本と手順を確認!

シニアが面接に挑む場合、どのようなステップが待っているのでしょうか? また、シニアの面接では面接官はどのようなことを知ろうと思って質問をするのでしょうか? そして、シニアの面接は若い世代の面接とはどう違うのでしょうか?

シニアの面接の基本事項とその手順について学びましょう。

シニアの面接で面接官が知りたいこと

シニアを面接する企業や面接官は、基本的に即戦力を求めており、若い人材のように、時間やコストをかけた教育を想定してはいません。
だからといって、経験・スキルだけを見ているわけではなく、人間性も注意深く見ています。

面接官がシニアの面接で知ろうとしているのは、次の3点です。

  • 会社が求める経験・スキルを満たしているか?
  • 会社で円滑に業務を遂行できる人間性、コミュニケーションスキルを持っているか?
  • 入社意欲や働き続ける意欲、仕事への熱意は十分か?


即戦力を求めているため、経験・スキルを求めるのは当然ですが、それが会社が求めるものと合致しているかも、面接官は詳細に確認しようとします。
そのため、自身の経験・スキルを具体的に説明する必要があります。

また、人間性やコミュニケーションスキルのみを重視するわけではありませんが、実際に業務の実践を想定したこれらのチェックが行われます。
既存のメンバーを想定したチェックとなる場合もあるため、単なるスキルの高低だけではないこともあり、注意が必要です。

さらに、意欲や熱意も見られます。
経験の少ない若手人材と異なり、シニアは経験に基づく熱意を語ることができ、同じ経験を持つ面接官であれば意気投合する場合もあるため、アピールポイントとなることもあります。
シニアの場合、何十年という勤務期間の想定ではないため、むしろ、「何歳まで働きたいか」という年齢に関する意欲のアピールが有効となります。

シニアの面接と選考の手順

次に、面接と選考の手順について解説します。

面接に進んでいるということは、基本的に書類選考は通過していると思われますが、稀に一次面接の際に応募書類を提出するケースもあります。

また、面接の前に正式な選考ではなく、会社概要や業務内容、募集条件などを説明する説明会が行われる場合もありますが、シニアの場合、説明会や一次面接で応募書類を提出することはあまり多くなく、書類選考後に面接となると思います。

即戦力を求めており、企業の求める人物像がある程度はっきりしていることから、若い人材より面接回数は少ない傾向にありますが、会社によって、一次面接、二次面接、社長(役員)面接など、複数回の面接がある場合があります。

複数回の面接がある場合は、序盤が経験・スキル、終盤になるほど人間性、意欲、熱意を見る場となりやすい傾向にあります。

シニアの場合、多くはありませんが、企業によっては適正審査や専門知識の試験があることもあります。

シニアの面接で質問されること

シニアの面接では、即戦力を求めるために、経験やスキルに関する具体的な質問が多く投げかけられるため、あまり基本的な質問についての対策は、有効ではありません。

そこで今回はもっともオーソドックスな質問のジャンルや項目について、簡単にご紹介します。

面接官の知りたいことと共通しますが、面接で質問されるジャンルも「経歴・スキルに関すること」「本人のプロフィールや人間性に関すること」「意欲や熱意に関すること」に分かれます。

「経歴・スキルに関すること」では、次のような質問がされやすいです。

  • 職務経歴の説明
  • 応募企業での今後の貢献について


「本人のプロフィールや人間性に関すること」では、次のような質問がされやすいです。

  • 退職理由、転職理由
  • 自身の長所と短所について
  • 成功経験や失敗経験について


「意欲や熱意に関すること」では、次のような質問がされやすいです。

  • 自己PR
  • 志望動機について
  • 今後のビジョン
  • 他の応募企業について


シニアの面接の回答方法

では、ご紹介したシニアの面接で質問されやすい項目の中から、特に重要となる、

  1. 職務経歴の説明
  2. 退職理由、転職理由
  3. 自己PR、志望動機について


これらの項目の回答方法、伝え方について、ご案内します。

1.職務経歴の説明

シニアの面接では、経験・スキルが大きく評価されるため、この質問の回答や伝え方はもっとも重要になります。

シニアの経歴は長くなるため、すべてを説明する必要はなく、応募企業との関連が薄い経歴については省略し、長くても3分以内の説明にとどめるようにしましょう。

一方で、応募企業の業務と同じ業務の経験や、応募企業に貢献できる経験については、どんな仕事を経験したのかできるかぎり具体的に話すべきです。

当然ですが、面接官は履歴書、職務経歴書などの応募書類に目を通しながら面接を行いますので、応募書類に記載した内容は自分自身でも頭に入れておく必要があります。

むしろ、応募書類よりも詳しい内容の説明を求められることが多いため、詳細な説明ができるよう、事前に練習しておくことをお勧めします。

2.退職理由、転職理由

退職理由や転職を考えた理由も、必ず聞かれる質問です。

嘘はいけませんが、できる限りネガティブな表現を避け、ポジティブな表現を使う必要があります。

退職理由もシニアになると複数回におよぶことがありますが、特別質問されなければ、直近のものに絞って簡潔に答えるべきで、順番にすべて答える必要はありません。

退職からブランクがある場合は、その期間の状況も必ず聞かれるため、答えられるように準備しておきましょう。

3.自己PR、志望動機について

自己PRもシニアの場合、単なるやる気だけでは伝わらず、経験・スキルとセットで伝える必要があります。

シニアの転職では即戦力が求められるため、これまでの経験の中から応募企業に貢献できるエピソードを、相手に合わせて語ることが有効です。

熱意ややる気も、若者とは違って単なる力強い伝え方では意味がなく、根拠を持って伝えるべきですし、シニアとは言え、学ぶ姿勢や将来への視点も必要となり、働き続けたい年齢を伝えることも有効です。

シニアだからといって、つい、若さや健康をアピールしてしまいがちですが、これらはむしろ逆効果となるので程々にしましょう。

志望動機も若い人材とは異なり、理念や社風への共感などは余り効果がありません。

給与など条件面の話は当然避けるべきですが、シニアの活用などの制度については企業研究をして触れてみてもよいでしょう。

志望動機についても、具体的にどう即戦力になれるのかをベースに組み立てることがお勧めです。

<企業の面接担当者が求職者に質問する際の具体例がわかる外部参考サイト>
【企業側】カジュアル面談の質問集と伝えるべき内容|失敗例やコツも紹介

シニアの面接の注意点

基本的な質問とその回答のアドバイスについてお伝えしましたが、シニアの面接では専門的な経験・スキルについて重点的に質問されることが多いため、基本の質問項目はあくまでも基本と考えてください。

次は、そうした質問の受け答え以外に、シニアの面接で注意すべき点についてお伝えします。

シニアの面接のマナー

これまで長く社会人経験を積んできたシニアであっても、面接のマナーは必ず今一度確認が必要です。

むしろ、シニアの方の場合は、転職経験や面接の経験が少なく、会社員として過ごした期間が長いことで、ご自身で常識だと思っていたマナーが、面接の場合の常識とずれてしまっていることも珍しくありません。

シニアの方は、面接官や採用部門の上司よりも年上となる可能性があり、普通にしていても偉そうに見られる可能性があります。

そのため、足を組むなどはもってのほかですし、表情も笑顔を心がけ、暗い・不機嫌そうといった印象に映らないよう心がけることが大切です。

ハキハキと明るく明快な話し方を心がけ、気持ち大きめの声で話しましょう。

服装も、服のシワなどがないよう気をつけ、スーツやネクタイは地味なものにし、ワイシャツは白いものが無難です。
即戦力を求められ、職場見学などもともなう場合があるため、職種によって服装は作業着などとなる場合もありますので、そうした職種の場合は事前に確認をしましょう。

通常の勤務では常識的な服装や態度であっても、面接は通常の場とは異なるのだということを心に留めて、最大限の注意を払いましょう。

<採用面接の服装に関連する記事>


経歴を長く語るのはNG

経歴については何度も繰り返しとなりますが、長々と話さず、要点については掘り下げながらも簡潔にまとめる必要があります。

そのためには事前の企業研究と、自身の経歴のまとめ作業、そして、経歴を話す練習が必要になります。

おおむね3分以内で、経歴の概要を話し終えられるよう、事前に数回、練習しておきましょう。

履歴書・職務経歴書などの応募書類について、実際に提出したものと同じものを自分用の控えとして手元に用意しておくことは必要ですが、それ以外にも詳細説明用に、より詳しく記載した経歴書を用意しておくとよいかもしれません。

しかし、手元の資料を見なくとも話せる準備をしておきましょう。

シニアでも学んで成長する姿勢を

そして、シニアが意外と気をつけるべきなのは、コミュニケーションスキルでごまかさないことかもしれません。

長年、社会人経験を積んだシニアの場合、指摘を受けた場合でも、どうにか対応できるコミュニケーションスキルを持っている方が多くなります。

こうした対応力は企業にとっても評価対象となる場合がありますが、しかし、それがごまかしや嘘になってしまう場合は反対に評価が下がります。

曖昧なその場限りの対応でごまかすのではなく、わからないながらも今後学ぶ姿勢を示すことが評価につながる場合もあります。

誠実で真摯な対応を心がけ、できない、わからないことは正直に伝えつつ、現在できないこと、わからないことでも学んでいきたいという姿勢を伝えることが、結果的にご自身にとってもプラスとなることが多いでしょう。

面接は自己PRや条件交渉だけの場ではなく、お互い信頼が築けるかを確認する場でもあることを忘れずにチャレンジしてみてください。

この記事の監修者

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。

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