シニアの職務経歴書、50代以上の転職を成功させる書き方とは?
50代以上のシニアの職務経歴書はどうすればいいの?簡単な書き方は?シニアの転職が成功する職務経歴書のポイントを解説。
- 目次
職務経歴書は、就職・転職の第一歩といっても過言ではありません。
採用選考は多くの場合、書類選考から始まりますし、特にシニアの場合は、書類選考で落ちてしまう場合が多くあるなど、重要な最初の関門となっています。
また、無事に書類選考を通過したあとも、職務経歴書の内容をベースとして面接が行われるため、職務経歴書は採用選考すべてを左右する、非常に重要なものと言えます。
ここではシニアの就職に重要となる職務経歴書のポイントや内容を解説します。
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職務経歴書の基本
まずは職務経歴書の基本から見ていきましょう。
職務経歴書とは、求人に応募する方が、自身の経歴やスキルなどを書き、応募する企業に評価してもらうための書類です。
どんな書き方があるのか? どんな項目を書けばよいのか? といったことの他に、最近では手書きすべきか? パソコンで作成すべきか? といった悩みも生まれています。
職務経歴書は手書き?パソコン?
最近は職務経歴書もパソコンで作成することが多くなり、企業の採用担当も手書きを重視することが少なくなりました。
一方でシニアの方にはパソコンが苦手で、手書きでの書類作成を好む方も多くいらっしゃいますが、パソコンと手書き、職務経歴書を書くにはどちらがよいのでしょうか?
これは圧倒的にパソコンでの職務経歴書作成が有利です。
今どきは仕事でもパソコンやスマートフォン、タブレットを活用することが多く、パソコン操作に問題のないシニアが求められるのはもちろん、シニアの長期に及ぶ経験をまとめ、企業に併せて適切な内容に修正するにはパソコンでの作業が圧倒的に有利です。
また、応募書類の送付方法も郵送ではなく、電子メールを使うことが多くなっているため、パソコンに不慣れだというシニアの方も使用方法を覚え、パソコンでの作成や電子メール等での送付を実践していく必要がありそうです。
編年体式とキャリア式、2つの表記スタイル
職務経歴書の表記スタイルは、大きく分けて「編年体式」と「キャリア式」の2種類があります。
最もオーソドックスなものは「編年体式」で、時系列に沿って経歴を書いていく、履歴書の職歴欄のようなスタイルです。
あまり職務経歴書に慣れていないシニアの方でも書きやすく、先行担当者も見慣れたスタイルで、同じ職種をずっと続けてきた方にはおすすめのスタイルですが、シニアの場合、職務経歴が膨大になり、長くなったりわかりにくくなったりするデメリットもあります。
時系列順に書く通常の「編年体式」以外にも、直近から過去へ遡っていく「逆編年体式」があり、経歴が長いシニアの直近の経歴を目立たせることができます。
シニアの場合、経歴が長くなるからといって「編年体式」でシンプルに書き過ぎると、社名のみで具体的な仕事がわからなくなってしまうこともあるため、重要な経験は別に書き出すなどの工夫が必要になります。
一方、異なる職種など幅広いキャリアを積んできたシニアにおすすめなのが、職務内容やプロジェクトごとに経歴をまとめる「キャリア式」です。
仕事の専門性を掘り下げて伝えられるだけでなく、幅広さをアピールすることもできますが、時系列がわかりにくくなったり、雑多なキャリアの印象になったりするデメリットもあるため、簡単な時系列の説明を添えたり、中核となる職務内容を強く書き出すなどの工夫が必要になります。
この他、上記の「編年体式」「キャリア式」にこだわらず、自分自身の書き方でキャリアをアピールすることもできますが、わかりやすく自己アピールできる可能性があるものの、選考担当者が見慣れておらず、書き方も難しいというデメリットがあるため、おすすめしにくいものとなります。
業種によっては職務経歴書の他に、建設業界の工事経歴書など、より詳しい職務経歴書の書面が必要となる場合もあります。
職務経歴書の基本項目
表記スタイルによって、職務内容や経歴の書き方は変わりますが、職務経歴書に記載する基本的な内容は、次の項目になります。
- 作成日時
- 氏名
- 要点、概略
- 資格や技能、特技
- 会社名、部門名、プロジェクト名
- 在職期間
- 業務内容や成果
- 自己PRや応募動機、入社後に貢献できること
上記のような基本項目を踏まえて、どんな技術・スキルがあり、どんな業務を、どれくれいの期間行って、どんな成果を出してきたのかがわかりやすいように記載しましょう。
【職務経歴書の自己PR】書き方と例文!思いつかない場合はどうすればいい?
シニアの職務経歴書の注意点
では、シニアが実際に職務経歴書を書く場合、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?
基本的な注意点は他の年齢の方と同じですが、シニアの中には職務経歴書を書くのが久しぶり、人によっては新卒以来初めてという方もいて、特に注意すべき内容もあります。
基本的な注意点について、なぜシニアが特に注意すべきなのかも含めて、解説していきましょう。
誤字脱字は厳禁、シニアは誤変換にも注意
職務経歴書に限らず、正式に提出する文書では特に、誤字脱字に注意すべきですが、職務経歴書は求人選考に応募するために出す書類ですので、誤字脱字があるだけで落選となる可能性が跳ね上がります。
誤字脱字があると、ミスをしやすい、チェックを怠りやすい、注意散漫といった評価をされてしまうかもしれません。
また、パソコンを使って職務経歴書を作成する場合に気をつけたいことが、誤変換です。
手書きであれば失敗しない漢字であっても、パソコンでは誤変換となる可能性があり、十分なチェックが必要になります。
シニアの場合、漢字を知っていてもパソコンに不慣れで誤変換してしまい、そのまま気づかないことがあるため、十分に注意してください。
さらに、記入漏れも要注意です。
氏名など必要項目の記入漏れはそれだけで致命的ですが、基本項目で書くことが難しい項目があっても空欄のまま書き飛ばしてしまうのは避けるべきです。
職務経歴書ではありませんが、履歴書などで書くことが思いつかないからといって、用紙にある項目を未記入のままにしてしまうことも避けるべきことです。
表記は略さない、年表記も統一しよう
誤字脱字と似ていますが、職務経歴書で用いる表記は略さず、正式なものを用いるように努めましょう。
スペースが狭い場合などは、株式会社を(株)と略すことがやむを得ないこともありますが、基本的には略さずに書くべきです。
用語などの場合も、仮に略語が一般的であっても、アルファベットの略語などを用いず、極力正式名称を使用しましょう。
一方で、シニアの場合、かなり専門的な知識を持つ方もいると思いますが、一般的ではない専門用語は用いずに別の表記に置き換えるか、解説を付けるなど、わかりやすくする工夫も必要です。
また、職務経歴書の中で用いる表記は、最初から最後まで同じ表記を使うようにしましょう。
例えば、同じ会社名なのにカタカナとアルファベットの2種類をそれぞれ用いたり、年表記が西暦と年号を混在させてしまったりするのは、望ましくありません。
特にシニアの場合は経歴が長いため、つい西暦と年号を混在させてしまうことがありますので、十分に注意しましょう。
用紙や枚数、文字数なども気をつけて
職務経歴書の用紙にも注意が必要です。
パソコンで職務経歴書を作成する場合は、そもそもデータで納品する場合もありますし、印刷する場合も一般的な定形の白い印刷用紙を使うことと思いますので、それほど注意がひつようではないかもしれませんが、手書きの場合も、便箋や色のついた紙を用いるべきではありません。
パソコンで作成する場合も、用紙のサイズに注意すべきで、特に見開きのサイズと1ページのサイズを間違わないように注意しましょう。
見開きA3、1ページA4で作成したいのに、1ページA3で作成してまったり、見開きA4で作成してしまったりするミスが見られます。
また、文字サイズなども自身が見にくいからといって極端に大きいサイズにすることはお勧めできませんし、小さくし過ぎることも考えものです。
パソコンでの文字サイズは、10〜12のフォントがお勧めです。
文字数や余白も、あまり文字がぎっしり詰まり過ぎることのないようにしましょう。
A4サイズ1ページの職務経歴書で10ページを超えるようなものは多過ぎますので、多くても5〜6ページ程度に収まるよう、なるべく簡潔にまとめましょう。
職務経歴書を書き終えたら
職務経歴書の提出にあたって、シニアが注意すべきことをまとめます。
職務経歴書とその他の応募書類
職務経歴書だけが必要な書類ではありません。
職務経歴書以外の応募書類には、履歴書、自己PR書、志望動機書などがあり、また郵送の場合などには添え状を揃えて送る場合があります。
しかし、あまり大量の書類を送っても、選考担当にとって必ずしもプラスとは限らないため、できる限りシンプルにまとめるべきでしょう。
シニアの場合には、履歴書と職務経歴書程度にまとめ、自己PR書や志望動機書の内容は、履歴書や志望動機書の中に併せて盛り込むようにすべきですが、経歴などが長くなりがちなシニアは、1つの書類が長いものとならないようにも気をつけましょう。
履歴書は連絡先や年齢、学歴、職歴、プロフィールなどの略歴をわかりやすくまとめたもの、職務経歴書は職務の経験や能力・スキルをまとめたものと、それぞれ役割が異なります。
この他、建設業の工事経歴書などのように業界特有の書式が必要な場合もあるため、応募前には求められる応募書類の内容確認が必要となります。
応募書類それぞれの内容や作成日時などが違ったものにならないよう、応募前には必ず確認しましょう。
応募書類は郵送する?メールで送る?
職務経歴書を含む応募書類の送付には、郵送の場合と電子メールなどでデータを送付する方法とがあります。
郵送の場合、一般的に応募書類を折るのは好まれないため、折らずに(開くとA3になるA4サイズなどは二つ折りで)郵送できるサイズの白の封筒に、クリアファイルなどで保護して送ることが、もっとも問題のない贈り方になります。
応募書類だけでなく、送り状も同封し、封筒には赤く「応募書類在中」と記載しましょう。
切手の料金や、郵送に要する期間なども十分であるかを確認する必要があります。
電子メールなどデータで応募書類を送る場合には、ソフトやそのバージョンに関わらず見え方が変わらないPDFの形式で送ることが一般的ですが、送付する前に、どのファイル形式で送るべきか確認するとよいでしょう。
また、個人情報の流出を避けるため、ファイルをパスワードで保護し、パスワードを別のメールで送るといった慎重な手順が求められます。
件名やファイル名は、誰が何を送ったのか開かずにわかるよう、明確なものにしましょう。
メールはセキュリティに気をつける一方で、企業からの返信メールが確実に受信できるよう設定を確認しておきましょう。
職務経歴書は必ず読み返そう
職務経歴書など応募書類を送付し、書類選考に通過すると、面接に進むことになります。
もちろん、面接では応募書類をもとにした質問や、自己PRを行うことになるため、自分自身が職務経歴書の内容をしっかりと把握しておく必要があります。
データであれば送った書類と同じデータが手元にありますが、紙面で一部しか作成せずに、郵送で送ってしまってあとから確認できないといったことがないよう、必ず同じ書類を手元にももう一部、残すようにしましょう。
書類選考通過後の面接を想定し、また、書類でも間違った内容や適切でない内容を書くことがないよう、職務経歴書を提出する前に、一度、声に出して読んでみるとよいでしょう。
当然、書類選考を通過したあと、面接の前には改めて職務経歴書を読み返し、何も見なくとも内容を語れるようにしておく必要があります。
ご自身でも何度も内容を見直し、人材紹介サービスなどを使っている場合は、その担当など他の信頼できる人物にもチェックしてもらうことで、適切な職務経歴書を作成し、就職や転職の成功を目指しましょう。
この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。