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転職理由の書き方を徹底解説!ポジティブに伝えられる例文も紹介

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

働く

転職理由の例文10選!
キャリアアップやワークライフバランスを重視したい場合は?

多くの面接で聞かれる転職理由。どう答えていいのか悩んだことのある人は多いのではないでしょうか?この記事では、転職理由の書き方のポイント・例文・理由ランキングなどをご紹介します。

目次

転職理由の書き方のポイント

転職理由の書き方のポイント

転職理由は退職理由と関連するため、書き方や伝え方に注意が必要です。ここでは、採用担当者に良い印象を抱いてもらうための転職理由の書き方のポイントを解説します。

採用担当者が転職理由を聞く目的を把握しておく

1つ目のポイントは、採用担当者が転職理由を聞く目的を把握しておくことです。採用担当者がどのようなことを知りたがっているのかを理解することで、的確な回答ができるようになります。

目的①応募者が自社で活躍する人材か確認している

採用担当者は、応募者が自社で活躍する人材か確認をするために転職理由を聞くことが多いです。

採用担当者は、転職理由を通して応募者が自社で目指していることや今後のキャリアプランを読み取り、どんな活躍をしてくれるのかを想像します。

また、目指している方向性から自社との相性も確認します。応募者の考え方が企業の価値観や方針と大きく違っていると、双方にとって良くないことが起こるためです。

例えば、個々の能力で成果を挙げたいと考えている応募者がチームで1つの目標を達成することを目的とする会社に入ると、後からミスマッチであったことに気づくでしょう。

入社後に自分の目指す方向とのミスマッチに気づいた応募者は、短期間で退職してしまう可能性があります。それは、採用活動や研修に時間と労力をかけた企業側にとっても、喜ばしいことではありません。

応募者が転職理由を伝える際は、自分の目標やどのような仕事をしたいかを伝えることが多いです。採用担当者は応募者の転職理由から、長期に渡り自社で活躍してくれそうな人材なのかを見極めようとしています。

目的②応募者が短期間で退職しないか確認している

採用担当者は、転職理由を通して応募者が短期間で退職しないかを確認するケースも多いです。

転職理由と前職を退職した理由には、因果関係が存在することがほとんどです。つまり、転職理由を聞くことで、どのようなことが原因で退職したのか、自社でも同じことが起こらないかを確認しています。

作り話をしない

2つ目のポイントは、作り話をしないことです。

採用担当者に気に入られたい思いから、つい作り話をしてしまう気持ちもわかりますが、嘘をつく必要はありません。

退職経験がある以上、なにかしらの不満や事情があったことを採用担当者は承知済み。逆に、多くの応募者の面接をしてきた採用担当者は、聞こえの良い作り話を嘘と見抜かれてしまう可能性もあります。

面接は、応募者と企業側で労働条件や価値観の確認をする場でもあります。確認の場で嘘をついてしまうと、入社してから自分が苦しい思いをする可能性もあるのです。

自分のためにも、転職理由に作り話を盛り込むことはやめましょう。

ネガティブな転職理由はポジティブに変換する

3つ目のポイントは、ネガティブな転職理由はポジティブに変換することです。

転職理由は退職理由とつながりがあるため、本音を伝えると、ネガティブな表現が多くなってしまいがち。ネガティブな表現が多いと「人のせいにする」「努力をしない」などのマイナスイメージを与えてしまう可能性があります。

嘘をつく必要はありませんが、ネガティブな表現はポジティブな表現に変換して伝えることを心がけてみてください。

ネガティブ→ポジティブの例

ネガティブ

ポジティブ

給与が低い・
正当な評価をして
もらえない

年齢に関係なく、正当な
評価をしてくれる環境で
働きたい

スキルアップが望めない

御社で経験できる業務を
通して、専門性を磨きたい

自分の意見が言える
環境ではない

風通しの良い職場で、
自分の意見を積極的に
発信したい

転職理由がポジティブに聞こえるか不安な場合は、周囲の人に聞いてもらうこともおすすめです。客観的に聞くとどのように感じるか、第三者の意見を聞いてみると、自分では気がつかなかったことが見えてきます。

【退職理由→転職理由→志望動機】につなげる

4つ目のポイントは、退職理由・転職理由・志望動機に一貫性を持たせることです。

面接では、自分が描いてるキャリアプランや今後やりたいことに一貫性があることがポイントになります。一貫性がなく矛盾が生じてしまうと、「この人の本音はどこにあるのだろう?」と不信感を抱かせてしまう可能性があるためです。

「〇〇できないことが理由で退職した」
      ↓
「将来は〇〇を目指しているため、転職したい」
      ↓
「〇〇ができる御社を志望した」

上記のように筋の通った内容なら、前職を退職したこともマイナスにはつながらないでしょう。

転職は、自分の理想のキャリアプランと現状の距離を縮めるために行うものです。そのことが採用担当者に伝わるよう、それぞれの理由に一貫性を持たせましょう。

【退職理由・転職理由・志望動機】の違い

「退職理由・転職理由・志望動機」は似た意味合いがありますが、どのような違いがあるのでしょうか?

「退職理由・転職理由・志望動機」の違い
  • 退職理由:なぜ、会社を辞めたのか
  • 転職理由:会社を辞めることになった原因を解決するためにはどうしたらいいか
  • 志望動機:なぜ、他の会社ではなくこの会社を選んだのか

微妙な違いですが、退職理由が過去の出来事を示すのに対して、転職理由や志望動機は今後の目標に焦点を置いていることが大きな違いです。

入社意欲をアピールする

5つ目のポイントは、入社意欲をアピールすることです。

転職理由は退職理由とつながりがあるため、面接では話づらい内容かもしれません。会社都合ではなく自己都合で退職している場合、採用担当者から厳しい質問をされる可能性もあるでしょう。

しかし、ごまかしたり嘘をついたりするのは良くありません。反省していることがある場合は正直に今の考えを伝え、「今後は反省を活かして御社で働きたい」という意欲をしっかり伝えましょう

「これまでの経験があるからこそ、御社で活躍できる」と前向きな気持ちをアピールするよう心がけてください。

【理由別】転職理由の回答例文

【理由別】転職理由の回答例文

ここまで解説してきたポイントを踏まえ、転職理由の例文をご紹介します。実際に使える内容なので、ぜひ参考にしてください。

新しいことに挑戦したい場合

新しいことに挑戦したい場合は、今後のキャリアプランをしっかり描いていることを伝えましょう。今までの経験がどのように活かせるか伝えることもポイントです。

例文

前職では、入社以来、電子機器の営業職に携わってきました。
多くのお客様と直接接する中で、自社商品に対するさまざまな要望を聞いてきました。
しかし、部署同士のつながりが薄い会社だったため、顧客から聞いた要望を基に商品の改善提案をしても、商品開発チームまで声が届くことはありませんでした。
そのような環境の中で営業を続けているうちに、自分が商品開発に強く興味を持っていることに気づき、転職を決意した次第です。
今後は今までの営業経験を活かし、顧客のニーズをとらえた商品開発業務に邁進したいと考えております。

営業経験を通して新たに挑戦したい業務が見つかった経緯がしっかり伝えられているため、採用担当者にも熱意が伝わる文章になっています。

キャリアアップやスキルアップしたい場合

キャリアアップやスキルアップをしたい場合は、前職ではそれが不可能だった理由を伝えることがポイントです。

例文①

前職では、人事アシスタントとして、面接日程の調整や労務管理などを行っていました。
個人的には採用や教育業務も経験して、人事業務のスキルアップをしたいと思っていたのですが、勤続年数の長い社員が多く役割分担が明確に決まっていたため、携われる業務に限界を感じ、転職を決意しました。
御社は人事部の領域が広く、採用から入社後の教育まで幅広い業務に携われるとうかがっております。
今後はこれまでの経験を活かしながら、人材の採用と教育業務に貢献していきたいと考えております。

前職では不可能だったスキルアップを望んでいることがしっかり伝わる内容です。

例文②

前職では、派遣社員として〇〇会社の広報を担当していました。
仕事内容は正社員の方と大きな差はありませんでしたが、派遣社員が企画を提出したり会議に出席したりすることは許されませんでした。
同じ仕事をしていても発言権のない派遣社員に仕事の限界を感じ、転職を決意しました。
今後は、御社で正社員としてより責任感を持って広報業務に従事をしたいと考えております。

派遣社員では不可能だった業務に挑戦したい気持ちがしっかり伝わる内容です。

ワークライフバランスを重視したい場合

ワークライフバランスを重視したい場合は、プライベートを重視し過ぎていると思われないように伝えることがポイントです。

例文

現在の職場では、ほぼ毎日終電までの時間外労働と月2回以上の休日出勤が常態化しています。
他の社員と共に業務内容の改善や社員の増員も要望してきましたが、環境が変わることはありませんでした。
エンジニアとしてスキルアップをしたいのですが、今の環境では勉強をする時間も取れないのが現実です。
今後、長期的に働くためにもワークライフバランスを重視した企業で働きたいと思い、転職を決意いたしました。

具体的な勤務状況を伝えることで、応募者がプライベートを重視したがっている訳ではないことがしっかりと伝えられています。

人間関係に悩んで退職した場合

人間関係に悩んで退職した場合は、伝える内容をできる限りポジティブに言い換えることがポイントです。

例文

前職では、電子機器の営業を担当しておりました。
毎朝朝礼があるのですが、目標を達成できていない社員は前に立たされ全員の前で叱咤されます。
強い叱咤が毎日続くため退職する社員が後を絶たず、上司が社内にいる時間は常にピリピリした空気がありました。
営業職のため、もちろんプレッシャーはある程度重要だとは思っています。
しかし、退職者が多いと、その分顧客に迷惑がかかります。
そこで、同僚と共に朝礼の方法などについて複数回上司に相談をしたのですが、聞く耳を持ってもらえませんでした。
私は顧客満足度を上げるという方法でも営業成績を挙げられると信じています。
また、一見個人プレーに見える営業でもチームワークが大切だと考えているため、方針の違いに限界を感じ、転職を決意した次第です。

上記の例文は、問題の改善や提案を試みたが解決しなかったことが的確に伝えられています。

給与を上げたい場合

給与を上げたい場合は、前職では努力しても給与が上がるシステムがなかったことや、給与を上げたいと考えている理由を明確に伝えることがポイントです。

例文

前職は、成績よりも年功序列を重視する会社でした。
個人やチームで目標を達成してもインセンティブなどはなく、給与に反映されるのはあくまでも勤続年数のみでした。
入社年の近い先輩方に事情をうかがっても大きな違いはなく、このままでは家庭を持つことも不安なため、転職を決意した次第です。
今後は、成果が給与に反映される御社でやりがいを感じながら仕事をしたいと考えております。

前職では成果を挙げても給与に反映されていなかったことや、将来のことを考えて給与を上げたいことがしっかりと伝わる文章です。

会社の業績不振により退職した場合

会社の業績不振により退職した場合は、なぜ自分が人員削減の対象になったのかを伝えることがポイントです。

例文

前職は、アパレル業界で販売職をしておりました。
しかし、会社の業績不振により全国の販売店は閉店し、インターネット販売のみに変化した結果、私を含め多くの社員が人員削減の対象となりました。
長年お世話になった会社だったため残念な気持ちもありますが、現状を受け入れ、転職を決意した次第です。
今後は今までの経験を活かし、御社で衣料品の企画業務に邁進したいと考えております。

自分だけが人員削減の対象ではなかったことが伝わる文章です。また、前の会社への愛情も感じられるため、悪い印象を与えることはないでしょう。

家庭の都合により退職した場合

結婚・介護・転勤といった家族が関係する理由の場合は、伝えられる範囲内で正直に事情を伝えることがポイントです。

業務に支障がない場合はその旨を、なんらかの支障がでる可能性のある場合はその旨をはっきりと伝えましょう。

結婚

結婚することがきっかけで働き方や働く場所を変える場合は、結婚しても長期で働く意思があることを伝えましょう。

例文

前職は、不動産会社で一般事務に従事しておりました。
しかし、不動産業界は平日休みが基本です。結婚したことを機に家族と同じ土日休みの企業で働きたいと思い、転職を決意しました。
今後は、家庭だけでなく仕事のうえでもキャリアを築いていきたいと考えております。

ライフスタイルの変化による転職であることや、長期的に働きたいという意欲が伝わる文章です。

家族の介護

家族の介護がきっかけで転職を決意した場合は、業務への支障の有無をはっきりと伝えましょう。

例文

前職では商品企画に携わっていましたが、毎日の時間外労働が常態化しておりました。
そんな中、一人暮らしの母の介護が必要になり、今の環境では介護に費やす時間が取れないと思い、転職を決意いたしました。
現在は、週に数回はデイサービスや訪問看護を利用し、夜は兄弟と交代して介護をするため、基本的に業務に支障はきたしません。
ただし、万一のことがあったときのためにワークライフバランスの整った御社で働き、サポートできる体制は整えておきたいと考えております。

業務への支障の有無がはっきりと伝わるため、介護が必要なことがマイナスに働くことは少ないでしょう。

転勤したくない

転勤したくないことが原因で転職を決意した場合は、理由をはっきりと伝えることがポイントです。

例文

入社以来、金融機関で働いてきました。
非常にやりがいのある仕事でしたが、5年ごとの転勤がつきものでした。
今までは家族も一緒に引越しをしておりましたが、子どもが大きくなるに連れ、同じ場所で生活させてあげたい思いが強くなり、転職を決意した次第です。
今後は、今までの金融関係の知識を活かし、長期に渡り御社に貢献したいと考えております。

家族のために転勤をしたくないことや、転勤のない会社で長期間働きたいことが伝わる文章です。

退職(転職)理由ランキング

退職(転職)理由ランキング

では、実際に転職した人が前職を辞めた理由はどのようなことが多いのでしょうか?ここでは、厚生労働省のデータを基にした2022年の退職理由ランキングをご紹介します。

※1:厚生労働省|令和4年雇用動向調査結果の概況

20代で多い退職理由は労働条件の悪さ

20代男性の退職理由の上位5位は以下の通りです。

■20代男性の退職理由トップ5

20〜24歳

25〜29歳

理由

割合(%)

理由

割合(%)

1位

その他の個人的な理由

29.0

その他の個人的な理由

22.8

2位

労働条件が
悪かった

14.3

労働条件が
悪かった

16.9

3位

仕事内容に興味を
持てなかった

9.6

その他の理由

9.7

4位

会社の将来が不安

7.5

会社の将来が不安

9.2

5位

契約期間満了

6.7

人間関係が好まし
くなかった

8.9

20代男性の退職理由は、「労働条件が悪かった」ことや「会社の将来が不安」であることが上位に入っています。新入社員が多い20代は仕事に慣れるまでに時間がかかり、労働条件がきつく感じることが原因かもしれません。

20代女性の退職理由の上位5位は以下の通りです。

■20代女性の退職理由トップ5

20〜24歳

25〜29歳

理由

割合(%)

理由

割合(%)

1位

その他の個人的な理由

24.6

その他の個人的な理由

25.2

2位

その他の理由

15.4

労働条件が
悪かった

11.1

3位

労働条件が
悪かった

13.5

収入が少なかった

9.8

4位

人間関係が好まし
くなかった

8.3

契約期間満了

7.9

5位

収入が少なかった

7.4

その他の理由

7.7

20代女性の退職理由は、「労働条件が悪かった」ことや「収入が少なかった」ことが上位に入っています。

「仕事が大変な割に想像より収入が少ない」と感じてしまう人が多いのかもしれません。

30代で多い退職理由は労働条件と人間関係

30代男性の退職理由の上位5位は以下の通りです。

■30代男性の退職理由トップ5

30〜34歳

35〜39歳

理由

割合(%)

理由

割合(%)

1位

労働条件が
悪かった

17.2

その他の理由

19.5

2位

その他の個人的な理由

16.8

その他の個人的な理由

18.8

3位

その他の理由

14.9

会社の将来が不安

15.4

4位

収入が少なかった

13.4

人間関係が好まし
くなかった

9.7

5位

人間関係が好まし
くなかった

9.4

労働条件が
悪かった

8.9

30代男性の退職理由は、「労働条件が悪かった」ことや「人間関係が好ましくなかった」ことが上位に入っています。

仕事に慣れてくる30代。先輩も後輩も多い世代のため、人間関係に悩む人が多いようです。

30代女性の退職理由の上位5位は以下の通りです。

■30代女性の退職理由トップ5

30〜34歳

35〜39歳

理由

割合(%)

理由

割合(%)

1位

その他の個人的な理由

20.0

その他の個人的な理由

21.0

2位

人間関係が好まし
くなかった

12.8

労働条件が
悪かった

13.4

3位

労働条件が
悪かった

12.3

人間関係が好まし
くなかった

11.6

4位

その他の理由

9.1

契約期間満了

8.9

5位

会社の将来が不安

8.4

会社都合

8.1

30代女性の退職理由は、「労働条件が悪かった」ことや「人間関係が好ましくなかった」ことが上位に入っています。

男性と同様、人間関係に悩む人が多い世代なのかもしれません。

40代で多い退職理由は収入の少なさ

40代男性の退職理由の上位5位は以下の通りです。

■40代男性の退職理由トップ5

40〜44歳

45〜49歳

理由

割合(%)

理由

割合(%)

1位

その他の理由

18.9

その他の理由

28.3

2位

収入が少なかった

14.6

その他の個人的な理由

18.9

3位

人間関係が好まし
くなかった

12.9

人間関係が好まし
くなかった

10.7

4位

会社都合

11.1

会社都合

10.1

5位

その他の個人的な理由

10.0

収入が少なかった

6.7

40代男性になると、「収入が少なかった」ことや「会社都合」が上位に入ってきます。なにかと出費が多い世代。今後のことを考え、「最後の転職」を検討する人が多いようです。

40代女性の退職理由の上位5位は以下の通りです。

■40代女性の退職理由トップ5

40〜44歳

45〜49歳

理由

割合(%)

理由

割合(%)

1位

その他の個人的な理由

34.1

その他の個人的な理由

23.2

2位

労働条件が
悪かった

13.3

労働条件が
悪かった

15.1

3位

契約期間満了

9.8

収入が少なかった

10.2

4位

その他の理由

9.2

人間関係が好まし
くなかった

9.9

5位

収入が少なかった

5.8

会社都合

8.8

40代女性の退職理由には、「労働条件が悪かった」ことが上位に入っています。仕事と家庭の両立をしている人が多い40代女性には、働くうえで労働条件が重要なことがわかります。

50代で多い退職理由は会社都合や契約期間満了

50代男性の退職理由の上位5位は以下の通りです。

■50代男性の退職理由トップ5

50〜54歳

55〜59歳

理由

割合(%)

理由

割合(%)

1位

その他の理由

25.1

その他の理由

26.9

2位

人間関係が好まし
くなかった

14.9

その他の個人的な理由

16.3

3位

その他の個人的な理由

14.7

収入が少なかった

12.1

4位

会社都合

9.9

会社都合

11.2

5位

能力や資格を
活かせなかった

6.7

定年・
契約期間満了

8.3

50代男性の退職理由には、今まで少なかった「会社都合」が上位に入っています。それだけ社員の早期退職を望む企業が多いということでしょう。

50代女性の退職理由の上位5位は以下の通りです。

■50代女性の退職理由トップ5

50〜54歳

55〜59歳

理由

割合(%)

理由

割合(%)

1位

その他の個人的な理由

25.7

その他の個人的な理由

23.3

2位

定年・
契約期間満了

13.6

人間関係が好まし
くなかった

12.1

3位

人間関係が好まし
くなかった

12.4

会社都合

10.7

4位

その他の理由

10.0

その他の理由

10.3

5位

会社都合

8.1

定年・
契約期間満了

9.6

50代女性になると、「契約期間満了」「人間関係が好ましくなかった」ことが上位に入っています。

契約年齢の上限を60歳未満にしている企業も多いのかもしれません。

60代で多い退職理由は定年

60代男性・女性の退職理由の上位5位は以下の通りです。

■26代の退職理由トップ5

60〜64歳男性

60〜64歳女性

理由

割合(%)

理由

割合(%)

1位

定年・
契約期間満了

58.3

定年・
契約期間満了

36.1

2位

その他の理由

11.8

その他の個人的な理由

19.1

3位

その他の個人的な理由

9.0

人間関係が好まし
くなかった

18.0

4位

会社の将来が不安

4.4

労働条件が
悪かった

8.3

5位

人間関係が好まし
くなかった

4.1

会社都合

6.7

60代の退職理由は、「定年」が半数以上を占めます。60〜65歳を定年としている企業が多いため、当然の結果といえるでしょう。

転職理由が思いつかない場合はどうすればいい?

転職理由が思いつかない場合はどうすればいい?

「文章を考えることが苦手だから転職理由が思いつかない…」そんな人は、まず退職を考え始めたきっかけを思い出してみてください。そして、紙に書き出してみましょう。

一通り書き出したら、不満ポイントの裏にある理想像を考えてみます

例えば「時間外労働が多すぎる」場合は「勤務時間内で効率的に働きたい」、「上司に指示が腑に落ちない」の場合は「自分が決定権を持って働きたい」、「人間関係が良くない」場合は「風通しの良い会社で働きたい」などに変換できるはず。

そして、変換後の理想像が転職理由になります

転職理由が見つかったらさらに深堀し、今後自分がどのようになりたいのかを考えてみましょう。

「5年後には昇進したい」でも「今より収入を上げたい」でも構いません。なりたい自分が見つかったら、どのようなキャリアを積めばなりたい自分になれるのかを考えてみると、転職理由から志望動機にうまくつながるはずです。

転職回数が多い人でも採用される理由とは?

転職回数が多い人でも採用される理由とは?

転職回数が多いと採用されづらいのでは?という印象をもっている人は多いのではないでしょうか?採用する際に重視するポイントは企業によって異なるため、一概には否定も肯定もできませんが、必ずしも採用されづらい訳ではありません

ここでは、転職回数が多い人でも採用される理由を解説します。

転職回数を重視しない会社を受けたため

1つ目は、転職回数を重視しない会社を受けたためです。

スキル・実力主義の会社や常に人材が不足している会社は、比較的転職回数を重視しない傾向にあります。

スキルを重視する職業
  • 営業職
  • 技術職
  • 専門職 など

実力主義の業界・職業
  • 外資系企業
  • 不動産・保険業界
  • コンサルタント
  • クリエーター など

人材が不足しがちな業界・職業
  • 医療・介護業界
  • 配送業
  • 飲食業
  • 施工管理 など

あくまでも一般論ではありますが、これらの業界や職業は他の業界や職業に比べると、転職回数を重視しない可能性があります。

即戦力になれるスキルや資格があるため

2つ目は、即戦力になれるスキルや資格があるためです。

新卒とは違い、中途採用では即戦力を求めているケースがほとんどです。転職回数が多いということはそれだけ経験が豊富と考える企業もあります。

入社してすぐに即戦力になれるような人材は、転職回数が多くても採用される可能性が十分にあるでしょう。

転職理由に一貫性があるため

3つ目は、転職理由に一貫性があるためです。

明確なキャリアプランを掲げて転職をしている人は、退職理由や転職理由に一貫性があるはず。「退職→転職」にストーリー性があれば、転職回数が多くても採用される可能性は十分にあります。

人柄の良さやコミュニケーション能力が人一倍高いため

4つ目は、人柄やコミュニケーション能力が人一倍高いためです。

先ほど中途採用は即戦力を求めているとお伝えしました。しかし、会社は人の集まり。どんな職業でも人柄の良さやコミュニケーション能力は必要です。

良い評価をされやすい人の特徴
  • その人がいるだけで雰囲気が良くなる
  • 考え方がポジティブ
  • 笑顔が絶えない
  • 人の良い部分を引き出せる
  • ユーモアがある など

人生経験は人柄にでます。応募職種にもよりますが、即戦力になれなくても人を惹きつける魅力のある人は採用される可能性が高いでしょう。

まとめ・転職理由を伝える際はポジティブ変換を意識して

採用担当者は、転職理由を聞くことで「応募者が自社で活躍する人材か」「短期間で退職しないか」を確認しています。企業側は、自社で長期間活躍してくれる人材を探しているため、面接の中で転職理由はとても重要なポイントなのです。

転職は退職とつながりがあるため、何も考えずに本音で話すとネガティブな内容になってしまいがち。嘘をつく必要はありませんが、できるだけポジティブに変換して伝えることを心がけましょう。

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参考資料

厚生労働省|令和4年雇用動向調査結果の概況

この記事の監修者

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。

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