知って得する!緑茶による健康効果|種類や美味しい入れ方もご紹介
緑茶ときいて、「渋み・旨味」と同時に健康に良いイメージをもつ人は多いでしょう。実際に、緑茶には驚くほどの健康効果があります。この記事では、緑茶の成分や効果、種類をご紹介します。
- 目次
こんなにある!緑茶に含まれる成分とは?
まずは、緑茶に含まれる成分を確認してみましょう。緑茶には、渋みをだすカテキン・旨味をだすテアニン・苦味をだすカフェインを中心に、ビタミンやミネラルなどが含まれています。
では、これらの成分がもたらす健康効果とはどのようなものなのでしょうか?
緑茶を飲むことで期待できる健康効果とは?
緑茶を飲むことで、大きく分けて7つの健康効果が期待できます。
がん予防効果
1つ目は、がん予防効果です。埼玉県立がんセンターの「緑茶カテキンによるがん予防、および転移抑制機構の物理学的・分子生物学的解析」によると、緑茶には以下の効果があるとのことです。(※1)
- 緑茶に含まれるカテキンが、多様な臓器のがん幹細胞性を抑制する
- 緑茶に含まれるポリフェノールの一種であるEGCG(エピガロカテキンガレート)と緑茶エキスが、併用によって抗がん剤の効果を増強する
今や、2人に1人ががんになる時代。(※2)私たちの生活に馴染みのある緑茶を飲むだけでがんを予防できるのは、嬉しい発見でしょう。
※1:埼玉県立がんセンター|緑茶カテキンによるがん予防、および転移抑制機構の物理学的・分子生物学的解析
※2:国立がん研究センター|がん情報サービス「最新がん統計・累積がん罹患リスク(2019年データに基づく)
生活習慣病予防効果
2つ目は、生活習慣病予防効果です。生活習慣病とは、食事・運動・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称です。(※3)
生活習慣病の一例
- がん
- Ⅱ型糖尿病
- 脂質異常症
- 狭心症・心筋梗塞などの心疾患
- 脳血管障害・脳卒中
- 高血圧症
- 高尿酸血症 など
※3:厚生労働省|e-ヘルスネット 「生活習慣病とは?」
緑茶に含まれるカテキンには、LDLコレステロールの低下や体脂肪の軽減、血糖値や血圧の上昇を抑える効果があります。これらの効果はすべて生活習慣病の予防につながり、ひいては、動脈硬化の予防にもつながります。(※4)
※4:国立がん研究センター|緑茶摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
認知症予防効果
3つ目は、認知症予防効果です。東北大大学院医学系研究科の栗山講師や、金沢大医薬保健研究域医学系の山田教授の発表によると、緑茶には以下のような認知症予防効果があるそうです。
- 緑茶を飲む頻度が週3杯以下の認知症になる比率を1とした場合、週4〜6杯飲む人は0.62、1日2杯以上飲む人は0.46と少ない(※5)
- 緑茶を毎日飲む習慣の人の認知症発症率は、飲まない人に比べて1/3程度(※6)
原因は明確にはされていませんが、緑茶に含まれるカテキンが活性酸素の働きを抑制したり、神経細胞が傷つくのを抑えたりする効果のためといわれています。
※5:平成18年3月4日静岡新聞夕刊
※6:日本経済新聞「緑茶に認知症予防効果か 金沢大が統計調査」
風邪予防効果
4つ目は、風邪予防効果です。緑茶に含まれるカテキンには、抗菌作用や抗ウィルス作用があります。これらの作用が鼻や喉の粘膜に付着したウィルスから感染を防ぐ働きをしてくれるため、風邪予防に効果があるといわれています。
さらに、カテキンには免疫細胞であるマクロファージを活性させる働きもあります。免疫力が上がることで、風邪にかかりにくい身体へ変化させる効果も期待できるのです。
美肌効果
5つ目は、美肌効果です。実は、緑茶にはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCといえばレモンを思い浮かべる人も多いですが、レモン1個約120gに含まれているビタミンCは約20mg。つまり、煎茶を3杯飲むことで、レモン丸1個分のビタミンCが接種できることになるのです。ちなみに、紅茶にはビタミンCは含まれていません。
そして、緑茶に含まれるビタミンCには以下の効果があります。
- コラーゲンの生成
- 皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ
- 毛細血管を正常に保つ
- 抗酸化作用による肌の老化防止
これらの効果により、肌を美しく保つ効果が期待できるのです。
ダイエット効果
6つ目は、ダイエット効果です。緑茶に含まれる以下の作用で、ダイエット効果が期待できます。
- カテキンによる脂肪吸収抑制効果
- カフェインによる基礎代謝アップ=体脂肪減少効果
- ミネラルによるむくみ予防効果
また、緑茶は0カロリーのため、他の飲料より1日の接種カロリーを抑える効果もあります。
リラックス効果
7つ目は、リラックス効果です。なにかとストレスが溜まりやすい現代の中、リラックスできる時間は大切です。特に、テアニンから発生するα波には心身をリラックスさせる作用がたくさん含まれています。
- 心身のリラックス効果
- ストレスの抑制効果
- 睡眠の質を向上させる効果
- 脳の興奮を抑える効果
- 疲労回復効果
暖かい緑茶をゆっくり飲む時間を作るだけでも、心が休まるかもしれません。
1日に何杯までなら飲んでもいい?
健康効果が高い緑茶ですが、1日に何杯までなら飲んで問題ないのでしょうか?緑茶の成分で注意すべき成分は、カフェインです。
カフェインを過剰摂取すると、めまい・心拍数の増加・興奮・不安・不眠・下痢・吐き気などが起こる可能性があります。(※7)緑茶にはカフェインが含まれているため、摂取量に注意しなければなりません。
世界保健機関(WHO)やカナダ保健省(HC)の発表によると、成人の1日のカフェイン摂取量の目安は300mg〜400mg程度までといわれています。(※8)
湯呑み1杯の緑茶に含まれるカフェインは約20mgのため、他の飲み物や食べ物からも摂取することを考えると1日10杯程度なら問題ないといえるでしょう。
ちなみに、100mlのコーヒーに含まれるカフェイン量は約60mgです。
※7:農林水産省|カフェインが含まれるもの
※8:厚生労働省|食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
ペットボトルの緑茶でも効果は同じ?
スーパーやコンビニで必ず目にする、ペットボトルの緑茶。茶葉から抽出する緑茶は飲まなくても、ペットボトルの緑茶なら頻繁に飲む人も多いのではないでしょうか?現在は、複数のメーカーから数えきれないほどの種類が販売されています。
そんな手軽で美味しいペットボトルの緑茶でも、茶葉から抽出した緑茶と同じ効果が期待できるのでしょうか?
京都光華女子大学短期大学の発表によると、茶葉から抽出した緑茶とペットボトルの緑茶では含まれている成分量が異なることがわかります。(※8)
4種類の煎茶から抽出した緑茶と11種類のペットボトルの緑茶の成分含有量を比較した場合、以下の違いがありました。
ちなみに、今回の発表ではタンニンの成分量をお伝えしていますが、タンニンを形成する成分の一部がカテキンのため、カテキンと似た意味合いとお考えください。
※8:京都光華女子大学|ペットボトル緑茶のカテキン、カフェイン、テアニン含量を基に作成
ペットボトルの緑茶はタンニン・テアニン・カフェインが少ないものの、ビタミンCは2倍以上の成分が含まれていることがわかります。
ビタミンCが多い理由は、製造工程で緑茶本来のビタミンCが失われてしまうため、化学的なビタミンCであるL―アスコルビン酸カルシウムを添加しているから。これによりお茶の味や風味が劣化するのを防ぐ効果がありますが、茶葉本来のビタミンCとは異なるようです。(※9・10)
※9:厚生労働省|L-アスコルビン酸カルシウム
※10:東京都福祉保健局|食品衛生の窓「酸化防止剤」
好みはどれ?緑茶の種類
緑茶とは、チャの木から作った茶のうち、摘み取った茶葉を加熱処理して発酵を妨げたもの。一言で緑茶といっても、複数の種類があります。ここでは、緑茶の種類をご紹介しますので、ぜひ、自分好みの緑茶を見つけてください。
玉露
高級な緑茶ときいて、玉露を思い浮かべる人も多いでしょう。玉露とは、新芽が開き始めた段階の茶葉を、日光を遮って育てた緑茶のこと。日光を遮ることで、豊富な旨味がでることが特徴です。
煎茶
緑茶の中でもっとも馴染みがあるのが煎茶。緑茶の流通量の中で8割以上を占めています。日光を遮らずに育てた茶葉を蒸して、揉みながら乾燥させてつくられます。
旨味や渋み、苦味や香りがバランスよく整えられていることが特徴です。
番茶
番茶とは、新芽を刈り取った後の茶葉や成長して硬くなった茶葉、夏や秋などの採取時期の遅い茶葉を使って製造した緑茶のこと。
他の緑茶に比べテアニンやカフェインの量が少ないため、くせのないさっぱりとした味が特徴です。
抹茶
抹茶とは、日光を遮って育てた若葉を乾燥させ、茶臼で挽いて粉末にした緑茶のこと。強い甘味と旨味、鮮やかな緑色が特徴です。近年は、スイーツに使われることも多いです。
ほうじ茶
ほうじ茶とは、煎茶や番茶を強火で焙煎した緑茶のこと。お茶の色は茶色で、すっきりした味と香ばしい香りが特徴です。
苦味や旨味が異なる!緑茶の美味しい入れ方
緑茶は、入れ方によって苦味や旨味が異なります。同じ茶葉なら、できるだけ美味しいお茶を飲みたいもの。ここでは、緑茶の美味しい入れ方をご紹介します。
まず、大前提として、カルシウムやマグネシウムの少ない軟水を使いましょう。お湯の温度や量、茶葉の量や抽出時間は以下をご参考ください。
美味しい緑茶を入れるコツは、「茶葉の量・湯の温度・湯の量・抽出時間」にこだわることです。ぜひ、試してみてください。
まとめ・手軽で美味しい緑茶の効果で健康維持を!
昔から、私たちの生活に浸透している緑茶。病気の予防やダイエット、美肌効果やリラックス効果まで、驚くほどの健康効果が期待できます。また、多少成分が異なるものの、ペットボトルの緑茶でも健康効果は期待できます。
外ではペットボトル、家では抽出した緑茶など、気軽に使い分けして緑茶ライフを楽しみましょう。春の時期には、ご友人と新茶を楽しむのもおすすめです。
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参考資料
この記事の監修者
高橋正美 【健康管理士一般指導員】
日本FP協会所属のファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)として相談業務にあたる中、お客様の急死や、若い仲間の大病による入院などを目の当たりにして、生活習慣病予防の大切さを痛感。医療費等の支出削減を図るためにも、健康管理が重要であることに気づき、健康管理士一般指導員の資格を取得。お客様相談の中で、必要に応じて健康寿命延伸のための情報も提供している。