シニア向け!定年後の再雇用はボーナスをもらえるのか?
定年退職後に同じ職場で再雇用してもらうことはよくありますが、ボーナスが出ないなら他の仕事を探そうと思う人もいるかもしれません。そこで再雇用後のボーナス支給の実態について解説します。
- 目次
- 定年後の一般的な雇用形態
- 定年後は正社員ではない?
- 定年後の再雇用は嘱託社員となることが多い
- 定年後の再雇用でボーナスはもらえるのか
- もともとボーナスがない会社では支給されない
- ボーナスがある会社でも定年後は支給されないケースが多い
- 嘱託社員にボーナスを支給している例もある
- 嘱託社員のボーナス相場
- 正社員以外の労働者の平均額
- 正社員以外の労働者のボーナスからわかること
- ボーナスの計算方法
- ボーナスの支給は交渉できるのか
- 再雇用契約はボーナス交渉が可能
- ボーナス支給の交渉をするときのポイント
- 給与を確認して交渉しよう
- ボーナスをもらえる職場もある
- ボーナスがもらえない場合は転職を検討するのもおすすめ
定年後の一般的な雇用形態
まずは定年後に再雇用契約をする際にはどのような雇用形態になるのかを確認しておきましょう。
正社員になれるならきっとボーナスが支給されるはずだと思うかもしれませんが、定年後のシニアはどのような雇用形態になるのでしょうか。
定年後は正社員ではない?
再雇用の場合、正社員として登用してもらえないことがほとんどです。
老後に働く機会を与えるという意味合いもあるのが再雇用なので、正規雇用とは違う契約で働いてもらう仕組みになっている会社が多いのが実情です。
定年後の再雇用は嘱託社員となることが多い
定年後の再雇用で雇用形態の主流となるのが嘱託社員という形です。正社員は一般的には雇用期間の定めがない契約になりますが、再雇用契約では期間を定めるが通例です。
嘱託社員は、一定の期間を定めて契約する非正規雇用の社員を指します。契約社員の一種とも言えるでしょう。
契約社員は、フルタイム勤務が多いのに対して、嘱託社員の場合、パートやアルバイトのように週3日勤務や時短勤務などにして、労働時間を短くしている企業が多く見られます。
定年後の再雇用でボーナスはもらえるのか
嘱託社員として再雇用されると正社員ではないからボーナスをもらえないのではないかと思うかもしれません。
確かに勤務時間を考えると、パートやアルバイトのような働き方になるので支給されないのではないかと懸念するのももっともなことでしょう。
さらに非正規雇用なので正規雇用とは待遇が異なるのも頷ける点です。実際には定年後にはボーナスをもらえることがあるのでしょうか。多くの会社での実態を確認していきましょう。
もともとボーナスがない会社では支給されない
まず、正社員として働いていたときにもボーナスが支給されていなかった会社では、再雇用されてからボーナスが出ることはほとんどありません。日本国内では、支給する会社の割合は近年では減ってきています。
世界的に見ると、ボーナスを毎年出す国はあまりありません。外資系企業でも支給されないことが多くなっています。もともとボーナスがなかった場合には、定年後ももらえないと考えておきましょう。
ボーナスがある会社でも定年後は支給されないケースが多い
ボーナスが支払われていた会社の場合にはどうなのでしょうか。やはり正規雇用の社員に対する福利厚生の一環として支給されていることが多いので、非正規雇用になったシニアの嘱託社員には支給されないケースが目立ちます。ボーナスの代わりになるような報酬制度がある会社もあまりありません。定年退職をしてしまうとボーナスでまとまったお金を手に入れるのは難しい場合がほとんどだと考えておくのが無難です。
嘱託社員にボーナスを支給している例もある
しかし、会社によっては非正規雇用の嘱託社員にもボーナスを支給しています。
正規雇用か非正規雇用かにかかわらず、就業規則で支給すると定めている場合もあり、嘱託社員だけでなく契約社員やアルバイトにも払っている会社もあるのです。
再雇用した嘱託社員が活躍している現場ではこのような待遇を用意してくれる可能性が高いでしょう。
ボーナスが支給されるかはケースバイケースなので、定年前に核にしておくのが良い方法です。
嘱託社員のボーナス相場
定年後に再雇用してもらって働くとボーナスは毎年どのくらいもらえるのかが気になる人もいるでしょう。
自分の勤め先はボーナスを嘱託社員にも支給しているとわかったときには気にかかって当然です。正社員と比べてどのくらいの支給があるのかを確認しておきましょう。
正社員以外の労働者の平均額
労働や賃金に関わる統計調査は厚生労働省によって定期的に実施されています。
しかし、嘱託社員だけに限定してボーナスの支給額を調査した結果は厚生労働省から公開されてありません。
正社員・正職員と正社員・正職員以外という枠組みでは統計調査が行われています。
平成30年賃金構造基本統計調査では正社員・正職員では約141万円なのに対して、正社員・正職員以外の場合には約36万円という結果になっていました。
正社員以外の労働者のボーナスからわかること
正社員・正職員以外の労働者には嘱託社員だけでなく一般的な契約社員なども含まれています。
このような母集団では正社員に比べるともともと給料が低いので、ボーナスも低くなってしまうことは否めません。
ただ、正社員・正職員の賃金が平均約324万円、それ以外の賃金は平均約209万円です。
非正規雇用の労働者にもボーナスが支給されている会社での平均額を見るとおよそ正社員の1/4なので、ボーナスの支給割合は少なめだということがわかります。
ボーナスの計算方法
具体的に定年後に再雇用してもらったらボーナスをいくらもらえるのかを知りたい場合にはボーナスの計算方法を調べる必要があります。
ボーナスは企業が任意で社員に対して支給しているものなので、法律によって計算方法が定められているわけではありません。
正社員の場合には基本給で何ヶ月分かを会社がその都度決めて支給するのが一般的で、詳細は就業規則に書かれています。
嘱託社員の場合にも就業規則に計算方法が定められているので確認してみましょう。
ボーナスの支給は交渉できるのか
ボーナスが出るなら働きたいけれど、支給されないなら再雇用を諦めたいという人もいるかもしれません。
再雇用をするときには契約を交わすことになりますが、その際にボーナスについて交渉することはできるのでしょうか。
再雇用契約はボーナス交渉が可能
結論から言えば、再雇用契約のときにはボーナスの交渉が可能です。
就業規則に非正規雇用の社員に対しては支給しないと記載されている場合には、交渉しても了承を得られる可能性は低いでしょう。
しかし、正社員に対して支給すると記載されているだけであれば、嘱託社員にも支給する仕組みにして契約して欲しいと交渉すれば認められる可能性があります。
話を切り出してみなければわからないので、契約の際にはボーナスが欲しいことを伝えてみましょう。
ボーナス支給の交渉をするときのポイント
交渉の際には再雇用後の給与予定額を先に見せてもらってからボーナスの話を切り出すのがポイントです。
嘱託社員として働いている人からボーナスがないと聞いていた人は特に注意が必要で、以前まではなかったけれど今年から導入するという可能性もあります。
契約内容について一通り話を聞いた上で、ボーナスがないのが気にかかったら話を切り出すのが合理的です。
心証が悪くなってしまうと他のところの交渉をしづらくなるので注意しましょう。
給与を確認して交渉しよう
ボーナスを支給してもらえることになったとしても、結局手取りが同じではあまり魅力がありません。
交渉を始める前に、再雇用後の給与がいくらかを確認しておくのも重要なポイントです。ボーナスを出す代わりに給与を見直して減らされてしまう可能性があるので注意しましょう。
ボーナスをもらえる職場もある
会社によって再雇用後のシニア社員にボーナスを支給しているかどうかは異なります。
嘱託社員にボーナスを出す企業は少数派ですが、交渉次第ではボーナスをもらえるようになる可能性もあるので話を切り出してみましょう。
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ボーナスがもらえない場合は転職を検討するのもおすすめ
定年後に同じ職場に再雇用してもらってもボーナスを受け取るのが難しい場合には、他の職場に転職する方法もあります。ボーナスにこだわりたいなら、転職してボーナスを受け取れるようにするのも選択肢の一つとして考えてみましょう。
この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。