シニアライフを考えて50代頃に転職したい、もう50代になってしまったけれど新しい仕事にチャレンジしたいという人もいるはずです。
この記事では50代で未経験の仕事に転職できるのかどうかをわかりやすく解説します。

50代未経験でも転職は可能？

50代で未経験の仕事に転職できるのかどうかについて、まずは事実に基づいて可否を考察してみましょう。
一見すると50代というだけでも転職が困難と言われているのに、未経験となっては不可能と思い込んでしまいがちです。
しかし、冷静になって近年の状況を考えてみると転職できる可能性があることがわかります。
どのような根拠で50代未経験でも新しい仕事にチャレンジ可能だと判断できるのかを解説するので参考にしてください。

50代以上でも求人応募は可能

まず大前提として中途採用で50代の人が募集されているのかを見てみましょう。
ハローワークや各種求人サイトを参照してみれば一目瞭然で、年齢を問わずに募集している求人は無数にあります。
最近では高年齢層を雇う動きも強くなっているので、定年前や定年後の人材を募集している求人も決して少なくありません。
50代以上になったとしても求人に応募することはできるので、重要なのは本当に転職に成功できるかどうかだとわかります。

50代以上でも転職している

50代以上でも本当に転職できるのかについては、厚生労働省の発表した「労働力調査（詳細集計）」が参考になります。

2019年（令和元年）平均（速報）結果の概要を参照すると、45歳～54歳における就業者の転職者数は57万人、
55歳～64歳では51万人となっています。

つまり、50代以上になっても転職している人はかなりの数がいることがわかります。
求人を出すときに年齢制限はない為、企業としても採用意志があると考えられるでしょう。

50代になると未経験は厳しい

50代以上でも転職者がいるのは確かですが、未経験でも大丈夫なのかも問題点です。

50代の人材採用において重要なのは「豊富な経験」が条件として企業はトップに挙げられています。
47.7％の企業が掲げている条件で、「専門性が高い」が29.5％を占めていることを考慮しても
50代になると未経験の仕事にチャレンジするのは難しいとわかります。

未経験でも不可能ではない

50代ではもう未経験の仕事に転職することはできないと思うかもしれません。
しかし、もう少し詳しく結果を見てみると安易にそうとは言い切れないことが見えてきます。
「年齢は関係ない」と挙げた企業が34.9％にも上っているからです。
また、50代を採用する理由として「モラルや責任感が高い」と挙げている企業も27.6％を占めていることから、年齢を問わずに年齢的な特徴を生かせば転職でき鵜r可能性があるとわかります。

50代未経験が転職するコツ

50代でも未経験の仕事に転職できる可能性があるとはいえ、厳しい状況があることに変わりはありません。
50代の人はどのような考え方で次の仕事を探したら良いのでしょうか。

転職に成功するためには事前準備が必要になります。
ここでは50代で未経験の仕事に挑戦したいと思ったときに押さえておきたいコツを紹介します。
何をすれば転職に成功できる可能性が高まるのかを十分に理解した上で転職活動を始めましょう。

業種未経験か職種未経験のどちらかにする

未経験というときにも「業種未経験」と「職種未経験」の二種類があります。
両方とも完全に未経験の場合には採用してくれる企業がかなり少なくなるでしょう。

しかし、異業種でも職種は経験済み、職種は違っていても同業種で働いた経験が豊富にあるとなると企業の見方は大きく変わります。
業界の動向をよく理解していたり、専門の職種としてのノウハウを持っていたりすると期待できるからです。
業種未経験か職種未経験のどちらかにすることで転職の成功率は飛躍的に高まります。

新しいことを学ぶ力があるかを確認する

未経験の仕事にチャレンジするときには必ず新しいことを学ばなければなりません。
同業種、同職種に転職するときでも新しい現場に慣れるために教わることや覚えることがたくさん出てきますが、それとは比べ物にならない量の学習が必要です。
その勉強をする力やモチベーションが自分にあるかをよく考えましょう。
転職後に本当に成功できるかどうかを分ける重要なポイントです。
短期間で学ぶことを求められる可能性が高い点にも注意が必要です。

汎用性の高いスキルを探し出して生かす

転職のときには自分の優れている点をアピールして魅力的な人材として捉えてもらわなければなりません。
50代で未経験の仕事を選ぶなら、汎用性が高いスキルを持っていないかをよく考えてみましょう。

自己分析をしてマネジメントスキルやコミュニケーションスキルなど、どの職場でも生かせるスキルを探し出すのが大切です。
特に50代になると管理系の仕事を任せたいと考えている企業が多いので、マネジメントスキルがあると伝えられる職歴や経験を見つけ出すのが効果的です。

転職エージェントを利用する

企業の約1/3が年齢を問わずに採用しようという意思があります。

その企業に出会えることが重要なので、50代の転職では転職エージェントを利用した方が良いでしょう。
企業が求人を出している意図や、過去の採用状況から判断した50代という年齢に対する捉え方、経験の有無による採用意志のあり方などをよく理解しているからです。
転職エージェントのサポートを受ければスムーズに転職先が決まると期待できます。

50代未経験での求人選びのポイント

50代で未経験の仕事の求人に応募するときには選び方も重要になります。
せっかく転職に成功しても、想定していたような職場ではなかったと後悔しては意味がありません。
この転職で新しい人生を歩み始めることができたというくらいに満足できる転職にするにはどうしたら良いのでしょうか。

50代未経験の人が求人選びをするときに押さえておくと良いポイントを3つ紹介します。
これらを念頭に置いて自分なりの方針を立ててみましょう。

こだわるポイントを明確にする

50代かどうかにかかわらず、転職するときにはこだわりを明確にするのが肝心です。
未経験の仕事にチャレンジしたいときには特に必要な観点で、何が満たされたら満足できるのかを考えてリストアップしましょう。

ただし、全ての希望を叶えられる職場があるとは限りません。
そのため、優先順位を付けて少なくともこの条件は満たしている職場にするという方針を定めましょう。
そのこだわりを満たす求人を探して応募するときっと納得して働けるようになります。

定年退職後に再雇用がある職場を選ぶ

50代になると転職した後、定年までの期間は決して長くはありません。
特に50代後半になっていると転職したら間もなく定年を迎えてしまうでしょう。
本当にやりたい仕事を選ぶために転職し、魅力的な企業で働き続けたいと思うなら、再雇用制度がある職場にするのが重要です。
定年退職後に再雇用をしているか、制度が運用されているかは企業によって異なります。
定年退職後に再雇用された人たちが活躍しているかを調査してから応募しましょう。

老後に向けたスキルアップにする

実際には再雇用がない職場でも転職先の候補にできます。
50代で転職して定年を迎え、またシニアとして新たに転職活動をすることも可能だからです。
老後になってからやりたい仕事をできるようにするためのスキルアップの数年間として位置付けるなら、再雇用がない転職先を選んだ方がかえって老後の仕事を選びやすいでしょう。
定年を境にしてどのような形で仕事と付き合いたいかを十分に考えた上で転職先を決めるようにしましょう。

まとめ：50代未経験の転職は成功できる！

50代になると未経験の仕事に転職するのが厳しくなるのは確かです。
しかし、年齢を問わずに募集している企業も決して少なくはありません。
シニアになってからも働きたい人が増えている影響で、再雇用制度を整えている企業も増えています。
50代で未経験の仕事に転職し、老後も関連する仕事に従事していくという方針も十分に考えられます。
シニアライフまで考慮して満足して働ける職場に転職することを目指しましょう。