シニアの転職にハローワークは使える?メリットやデメリットをご紹介!
転職活動をする際によく利用されるのが「ハローワーク」です。果たしてハローワークはシニアの転職に効果的なのか、メリットやデメリットをご紹介!
- 目次
- ハローワークってなに?
- ハローワークを利用するメリットは?
- 全国にあるので行きやすい
- 対面で対応してもらえるから安心
- さまざまな仕事内容で探してくれる
- 場合によっては失業手当がもらえる
- 失業者や求職者向けのセミナーなどが開催されている
- 全国の求人を見ることができ、紹介してもらえる
- 掲示板でも一部の求人情報を確認できる
- ハローワークを利用するデメリットは?
- 直接行く必要があるので移動時間がかかる
- 応募する際に紹介状が必要になるので、手間がかかる
- 基本的に混んでいるため、待たされることがある
- 営業時間に行けないことがある
- 掲載されている求人の中に悪質な企業が紛れ込んでいる可能性がある
- シニア層向けの求人はあるが、シニア限定の求人はない
- 応募できる求人数に制限があるハローワークもある
- 就職活動に関して特段アドバイスや支援はなく、応募の手続きなども自分で行う必要がある
- まとめ
お仕事探しの際、どのようなものやサービスを活用して探しますか? 求人サイトや転職エージェント、フリーペーパーも含めた求人誌など様々なものがありますが、多くの方が一度はハローワークを使っているのではないでしょうか。多くの方が使う公共のサービスのイメージがあるため、安心して利用できるイメージがあるかもしれません。
しかし、中には「良い求人ばかりではない」という話を耳にすることもあります。果たしてハローワークを利用した仕事探しは効果的なのか、メリットやデメリットをご紹介します。
ハローワークってなに?
ハローワークの正式名称は公共職業安定所といい、厚生労働省の所管です。
主なサービスとして下記のようなものがあります。
・雇用保険の手続き
・求人情報の提供
・求人票の条件や不明点など企業側へ問い合わせ
・応募書類の添削指導、面接準備(マナー・心構えなど)のアドバイス
・各種支援セミナーの実施
・職業訓練(ハロートレーニング)のあっせん
・紹介状の発行
このように、ハローワークでは国民の勤労の権利を守る雇用のセーフティネット(安全網)として、無償で職業紹介・雇用保険・雇用対策の支援をしています。
ハローワークを利用するメリットは?
ここでは、ハローワークを利用する際のメリットについてご紹介します。
全国にあるので行きやすい
ハローワークは、令和3年4月1日時点で全国に544所あり、ハローワークがない市町村には、「ふるさとハローワーク(地域職業相談室)」が市区町村庁舎や公共施設内などに設置されています。
また、国と連携した地方公共団体が運営する「地方版ハローワーク」でも無料で職業紹介を受けることができます。
対面で対応してもらえるから安心
ハローワークでは対面で就職に関することを直接相談できます。
履歴書や職務経歴書の書き方についてアドバイスを受けることができたり、気になる求人票に分からない点などがあれば職員が企業側へ電話で確認してくれたりなど、安心して相談できる環境があります。
さまざまな仕事内容で探してくれる
常時80万件以上の求人情報の中にはさまざまな業種・職種があり、地元企業の募集が多いことも特徴です。
ハローワークで求職の申込をした際、希望する職種・勤務時間・賃金・勤務地・資格・経歴などを詳しく用紙に記入します。職員がその情報をもとに求人を検索し、その方に合った求人の提案をしてくれます。
場合によっては失業手当がもらえる
ハローワークではお仕事紹介以外にも様々な手続きを行ってくれます。失業手当の手続もその一つです。
ハローワークでは、生活の安定と早期再就職の促進のために、雇用保険を利用して求職者給付金(失業手当)を受給するための手続きを行うことができます。
手続きには、以下の注意点がありますので、手続きをする際にはご確認ください。
・退職した会社から離職票を発行してもらい、離職票の提出をしなければならない。
・現住所を管轄するハローワークでしか手続きが行えない。
失業手当を受給できる条件は、「現在仕事をしておらず、働きたいけれど仕事に就くことができていない人」です。
受給できる金額や期間は、人によって異なります。
受給期間中には、失業状態を確認する「認定日」が4週間ごとにあり、就労の有無、求職活動の実績(職業相談・セミナー参加・企業への応募など活動した内容)といった、就職活動をしていることを申告する必要があります。
失業者や求職者向けのセミナーなどが開催されている
1日も早い再就職を目指す支援として、月に数回セミナーが開催されます。
地域によって異なりますが、自己分析の方法、履歴書・職務経歴書の書き方、面接の模擬練習などがあります。
定員に数が限りあるため、人気のセミナーはすぐに締め切られる可能性があります。
セミナーへの参加は求職活動の実績にも使えるため、気になるセミナーがあれば早めの申込みをするとよいでしょう。
全国の求人を見ることができ、紹介してもらえる
ハローワーク内に設置されているパソコンで全国の求人すべてを探すことができます。
登録情報を入力することで、自宅のパソコン・タブレット・スマートフォンでも全国の求人を閲覧できます。
また、気になる求人に関して質問することも可能で、自分の応募状況がどのようになっているかも確認できます。
掲示板でも一部の求人情報を確認できる
ハローワーク内の掲示板には、最新の求人情報や、職員がピックアップした求人が掲載されています。
自分で求人を探す時間がなかなか取れない人やパソコンの操作に時間がかかる人でも、掲示板を見るだけで最新情報を確認することができるので便利です。
その週の最新版の求人が、紙でプリントアウトされている場合もあります。
ハローワークを利用するデメリットは?
一方、デメリットの方はどのようなものがあるでしょうか。
直接行く必要があるので移動時間がかかる
雇用保険の手続きや失業の認定日など、決められた期間に必ずハローワークに行く必要があります。
また、セミナーもハローワーク以外の会場で行う場合があるため、家から遠い、交通の便が悪い、多忙で時間がなかなか取れないなど、移動時間が長いと負担に感じてしまうこともあるかもしれません。
応募する際に紹介状が必要になるので、手間がかかる
ハローワークに登録されている求人に応募する場合、紹介状を発行してもらう必要があります。
そのため、自宅からインターネットで求人を見つけた場合でも、ハローワークに出向く必要があることもあります。
また、紹介状があるからといって、必ずしも採用されるわけではありません。
ハローワークで見た求人が、他の転職サイトや人材派遣会社で掲載されているケースもあるため、そちらから応募をすることによって、紹介状をもらう手間を省くことができます。
基本的に混んでいるため、待たされることがある
ハローワークは常に順番待ちで待たされることが多く、失業の認定日の午前中などは、人が集中し混雑します。
朝いちや午後など、比較的空いていそうな時間帯を狙うのもおすすめですが、事前に予約が可能かなど電話で確認してみると、よりスムーズに動けるでしょう。
営業時間に行けないことがある
ハローワークによって変わりますが、基本的には8時30分~17時15分までの営業が多いようです。地域によっては、平日でも19時までや土曜日も開庁しているところがあります。(※土曜日が祝日の場合は閉所)
せっかく行ったのに閉まっていたと残念な結果にならないよう、事前に営業時間を確認しましょう。
掲載されている求人の中に悪質な企業が紛れ込んでいる可能性がある
ハローワークは無償支援のため、募集をかけたい企業も無料で求人を載せることができます。手続きさえ踏めば誰でも登録できるため、まともな求人ではなかったりダミー求人だったりと、求人票だけでは判断しにくいケースがあります。
応募の段階で少しでも不安に感じる点があれば職員にどんどん質問して、企業側へ確認してもらいましょう。
可能であれば、応募前にスマホなどで求人企業のホームページなどを確認するようにしましょう。
シニア層向けの求人はあるが、シニア限定の求人はない
厚生労働省の雇用対策法では、「労働者の募集および採用は、原則として年齢不問としなければならない」と決められているため、掲載されている求人に関しては全年齢が応募できるようになっており、シニアを対象とした求人の掲示やお仕事検索で出てきた求人であっても、応募する求職者がシニアだけでないことが一般的です。
もちろん、シニアが応募することは問題ありませんが、若い人材も応募している求人の場合、シニアが採用される確率が下がってしまうため、注意が必要です。
応募できる求人数に制限があるハローワークもある
地域によっては応募する数に制限がある場合があります。
制限がある場合、優先順位を決める必要があるので、事前に職員に確認してから応募しましょう。
ハローワークの求人では、人気の求人には数十人の応募があり、また、求人の期間も長く設定されていることが多いため、1社の選考に何日も要する場合があります。
仮に1回の応募者数が制限されていてなかなか内定を取れない場合、仕事探しが何ヶ月にも及んでしまうこともあります。
就職活動に関して特段アドバイスや支援はなく、応募の手続きなども自分で行う必要がある
ハローワークが行う「紹介」は、求人票を見せ、紹介状を発行し、簡単な質問を求人企業に問い合わせてくれるのみです。
応募書類の送付や、条件交渉、その他のサポートなどは一切なく、基本的には求職者自身で行う必要があります。
複雑な手続きなど、すべてを自分自身で行う必要があるので、手続きに難しさを感じてしまうこともあるかもしれません。
まとめ
ハローワークの求人情報は、他のどこよりも多く、ハローワークにしか出ていない求人情報もあるため、中高年が転職活動でハローワークを利用することは、良い選択肢の一つと言えるでしょう。
しかし、ハローワークでは同じようなお仕事の紹介であっても、人材紹介サービスのような手厚く細やかなサービスは受けられず、自分自身で行わなければならないことや、長い時間がかかることを覚悟しなければならない部分もあります。
年齢を重ねるほど、転職の道のりが険しくなるのは事実のため、シニアの転職や再就職の場合、ハローワークだけではなく選択肢を幅広く持つことが必要かもしれません。
ハローワークに加えて、シニアに特化した求人サイトや人材紹介サービスと併せて活用しながら仕事を探していくことがシニアの転職や再就職を成功させるための第一歩となるでしょう。
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この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。