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60代はどのように運用する?おすすめの運用プランを紹介

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60代はどのように運用する?おすすめの運用プランを紹介

60代に入り定年退職を迎えると、いよいよセカンドライフです。退職金の運用先に悩む人も多いかもしれません。60代での資産運用のポイントやプラン、注意すべきリスクについて解説します。

目次

(この記事は、アドバイザーナビ株式会社の提供による広告です。)

そもそも退職金は運用に回すべき?

セカンドライフを迎えるにあたって、「リスクを取った運用をするのは怖い」と感じる人もいるでしょう。大切な退職金となればなおさらです。

そもそも退職金は資産運用に回すべきなのでしょうか。

資産運用の主な目的は、「手元の資金を増やすこと」です。収入が限られる老後では、今手元にある資金を有効活用して増やしていく必要があります。

ここで、資産運用に取り組んだ場合と取り組まなかった場合の「資金が尽きるタイミング」を比較してみましょう。

資金1,500万円を毎月10万円ずつ取り崩す場合、資金が尽きるタイミングは利回りによって異なります。詳細は下記の通りです。

【資金1,500万円を毎月10万円ずつ取り崩す場合】

運用利回り(年利)

お金の寿命

0%

12年6ヵ月

1%

13年4ヵ月

3%

15年7ヵ月

参考:三菱UFJアセットマネジメント「取り崩しシミュレーション」

仮に65歳から取り崩しをスタートした場合、運用をしない場合は77歳でお金が尽きてしまいます。一方、毎年3%の運用ができれば、80歳までお金の寿命を延長することが可能です。

もちろん運用のリスクについては十分考慮する必要がありますが、退職金の一部を運用に回すことは、人生100年時代を生き抜くためにはもはや必要不可欠だといえます。

60代の資産運用で大切な5つのポイント

60代で資産運用に取り組む際は、次の5つのポイントを重視すべきです。

  • 適切な投資比率を保つ
  • 自分のリスク許容度を知る
  • ライフプランを明確にする
  • 老後資金をシミュレーションする
  • 手元にキャッシュを確保しておく

それぞれくわしく解説していきましょう。

ポイント①適切な投資比率を保つ

資産運用に取り組む際は、必ず「投資比率」について注意しましょう。全体の資産のうちどれくらいを投資に回すか、という割合を示したものです。

投資比率が高すぎると日々の生活費に影響を与えてしまい、反対に投資比率が低すぎると思うようなパフォーマンスが得られないデメリットがあります。

適切な投資比率を保つためには、まず自分の資産を次の3つに色分けすることが重要です。

  1. 使うお金・・・生活費などですぐに使うお金
  2. 貯めるお金・・・自宅のリフォームなど使う予定が決まっているお金
  3. 増やすお金・・・当面使う予定のないお金

資産運用に回すのは「3.増やすお金」に該当する部分です。生活費や近々使う予定が決まっているお金は、預貯金などすぐに引き出しができるところに確保しておきましょう。

ポイント②自分のリスク許容度を知る

資産運用は、自分のリスク許容度を明確にしておくことも重要です。リスク許容度とは、「どれくらいの損失に耐えられるか」という水準です。

たとえば、「退職金以外の貯蓄がない」という人が大きなリスクを取って運用することは適切とはいえません。その一方で、「しばらくは再雇用による給与で生活が成り立つ」という人は、ある程度リスクを取った運用が可能です。

自分の資産の状況や家計の収支をよく考えたうえで、自分のリスク許容度をしっかりと自覚しておきましょう。

ポイント③ライフプランを明確にする

資産運用に取り組む際は、今後のライフプランをくわしく考えておきましょう。運用計画は、ライフプランを踏まえたうえで取り決める必要があるためです。

特に、次のようなポイントは具体的に考えておきましょう。

  • 仕事を続ける年齢
  • 年金の受取開始時期
  • 自宅のリフォームの必要性
  • セカンドライフを暮らす場所
  • 施設に入居する予定
  • 持ち家をどうするか(子供へ相続する、生前に売却するなど)

仮に「いずれは老人ホームに入居したい」という意向がある場合、必要資金を想定して確保しておく必要があります。老後は収入が限られてしまうため、「いつどのようなお金が必要になるか」ということは細かく計画を立てておくことが大切です。

ポイント④老後資金をシミュレーションする

セカンドライフに突入する60代は、家計の収支にも大きな変化があります。収入源が給与から公的年金に変わると、多くの人が収入の減少を実感するでしょう。

まずは、毎月の生活費を年金だけでまかなえるのか計算してみましょう。もし赤字が出る場合、毎月貯蓄を取り崩しながら生活することになります。

現役時代と同じように暮らしていると、あっという間に貯蓄がなくなってしまいかねません。

たとえば毎月10万円を貯蓄から取り崩す場合、65歳から80歳までの15年間で1,800万円の貯蓄が必要です。老後の生活費をシミュレーションしたうえで、今手元にある貯蓄で対応できるのか確認しましょう。

ポイント⑤手元にキャッシュを確保しておく

60代は資産運用に取り組む一方で、手元にキャッシュを確保しておくことも意識しましょう。セカンドライフでは、「介護に合わせて自宅のリフォームが必要になった」、「急遽長期入院することとなった」など突発的な支出を経験することも多くあります。

もちろんこうした出費は公的な制度でサポートを受けることもできますが、中には対象外となる費用も少なくありません。もし「手元の資金をすべて運用に回している」となれば、金融商品を売却して支払いを行わなければならなくなります。

金融商品の現金化は数営業日かかるうえに、常に利益が出ているとは限りません。市況によっては、マイナスの状況で売却することになってしまう可能性もあるでしょう。

突発的な支出にスムーズに対応するためには、一定のキャッシュを確保しておくことを意識しましょう。

60代の資産運用で気をつけたいリスク

60代で運用に取り組む際は、次のようなリスクについても考えておきたいものです。

  • ハイリスク運用で生活資金に影響が出る
  • 医療費・介護費の発生
  • 収入の減少

ひとつずつ確認していきましょう。

リスク①ハイリスク運用で生活資金に影響が出る

金融商品には多くの種類があり、その中には「高いリスクを取ってリターンを狙う」というものも少なくありません。もちろん投資意向によってはハイリスク商品を取り入れることもひとつの方法ですが、セカンドライフでの運用はなるべくリスクを低減することを心がけましょう。

仮にハイリスク商品をメインで運用する場合、大きな損失を抱えたときに生活資金にまで影響が出かねません。ポートフォリオの一部にハイリスク商品を取り入れることはあってもいいですが、資産全体のリスクが高くなりすぎないように注意しましょう。

リスク②医療費・介護費の発生

セカンドライフでは、医療費・介護費への備えを軽視することはできません。資産運用で増やすことだけでなく、万が一の事態への備えに取り組むことも意識しましょう。

公益財団法人生命保険文化センターの「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、介護にかかる一時費用と月々の費用の平均額は下記の通りです。

  • 一時費用・・・74万円
  • 月々の費用・・・8万3,000円

同調査によると、介護の平均期間は61.1ヶ月(5年1ヶ月)となっているため、トータルの費用は次の通りとなります。

74万円 + 8万3,000円 ✕ 61.1ヶ月 = 581万1,300円

仮に手元の資金で対応する場合、これだけの金額が貯蓄から出ていくのは不安も大きいでしょう。誰もがいずれ経験する医療や介護への備えは、民間の保険商品などを活用することも検討しましょう。

リスク③収入の減少

現在は、60代で定年退職を迎えたあとも再雇用などで働き続ける人も少なくありません。ライフプランを立てる際に「70歳まで働く」ということを前提にしている人もいるでしょう。

しかし、給与を受け取れることを前提にライフプランを立てている場合は、収入が減少するリスクについても考なければなりません。

たとえば、「契約更新のタイミングで給与が減少する」、「体調面の不安から退職のタイミングが早まった」ということも十分起こり得ます。その場合は、あてにしていた収入がなくなるため、その後のライフプランにも変更が生じてしまいます。

老後の資金は「◯歳まで働くから大丈夫」と楽観視するのではなく、「もし仕事を続けられなくなったら」というリスクについてもきちんと向き合うようにしましょう。

60代におすすめの運用プラン

資産運用にはさまざまな方法があり、どのような運用意向を持っているかで投資すべき金融商品も異なります。とはいえ、投資経験が浅い人にとっては「自分にどのような運用が向いているか分からない」ということも多いでしょう。

ここからは、60代の運用プランについて5つのパターンを紹介していきます。

プラン①投資信託のバランスファンドで安定運用する

投資信託には株式型や債券型など多くの種類がありますが、60代の運用では「バランスファンド」を活用するのもひとつの選択肢です。

バランスファンドとは、株式や債券、REITなど複数の商品を組み合わせて運用するものです。1つのファンドに投資するだけで分散投資の効果が得られるため、「リスクを抑えて運用したい」という人に向いています。

ただし、バランスファンドとひとくちにいっても「株式の割合が多いもの」や「株式・債券・REITに等しく分散投資するもの」などさまざまです。投資配分についても、「ファンドマネージャーの判断で変更されるもの」もあれば、「一定の割合から変動しないもの」もあります。

商品によって運用方針が異なるため、複数のファンドを比較したうえで自分の投資意向に合うものを探してみましょう。

プラン②配当・優待銘柄で投資の醍醐味を楽しむ

株式投資では、配当金や株主優待を楽しみにしている人も多いです。収入が限られるセカンドライフでは、配当金によって一定の収入を得られるメリットもあります。

たとえば、公的年金は偶数月に入金されますが、上手く配当銘柄を組み合わせることで毎月収入が入るような仕組み作りをすることもできます。国内株は年1・2回の配当頻度が一般的ですが、米国株のなかには年4回の配当を実施する銘柄も珍しくありません。

もちろん投資リスクは十分考慮する必要がありますが、配当金を目的に米国株をポートフォリオに加えるのもよいでしょう。

また、国内株の中には、食品や日用品、商品券などを株主優待として受け取れる銘柄もあります。日常生活で使いやすいものを提供している銘柄を選べば、生活費の節約として役立てることもできます。

プラン③債券中心に低リスク運用に取り組む

低リスク運用には債券投資を活用しましょう。債券とは企業や国、地方自治体が発行するもので、あらかじめ満期や利回りが定められていることが特徴です。

債券投資は資金が戻ってくるタイミングや得られる利息に見通しがつきやすいことから、安定的な運用に向いているといわれています。「あまり大きなリスクを取るのは怖い」という人は、債券を中心に投資することを検討してみましょう。

また、債券は途中で売却できるものもありますが、基本的には満期まで保有しておくことが前提です。満期が到来したら、原則投資した元本がそのまま償還されるため、株式投資のように売却のタイミングに悩まなくていいのもメリットのひとつです。

プラン④貯蓄性保険で万が一の事態にも備える

「万が一の事態に備えながら資産運用にも取り組みたい」という人には、貯蓄性保険がおすすめです。貯蓄性保険とは、死亡や高度障害などのリスクへの備えと貯蓄機能の両方を兼ね備えた保険商品です。

たとえば、60歳で退職金を受け取ったときに「70歳まで働くので、当面退職金を使う予定がない」という場合、10年満期の貯蓄性保険に加入することで70歳まで安定的に運用することができます。

定額タイプの保険であれば、申し込み時に満期保険金の金額が確定するため、「◯年後にいくらになる」という見通しが立てられるのも嬉しいポイントです。

プラン⑤当面使わない資金でリスクを取って運用する

「当面使わない」という資金がある場合は、リスクを取って運用することも検討できます。60代はリスクを低減しながら運用することが大切ですが、人生100年時代で考えればおよそ40年もの時間があります。

資産全体のリスクを高めることはおすすめできませんが、保有資産の一部であればリスクを取って運用するのもひとつの選択肢です。

ただし、ハイリスクの商品を取り入れる際は、「◯万円まで」など投資ルールを作ってリスクが高まりすぎないように注意しましょう。

60代の資産運用は計画を立てて取り組もう

60代を迎えてセカンドライフに突入した後も、資産運用に取り組むことは欠かせません。人生100年時代といわれる現在、長生きのリスクに備えるためには、資産の一部を運用に回すことが必要不可欠ともいえます。

しかし、収支に大きな変化が起こりやすい60代では、リスクとリターンのバランスにも十分注意が必要です。まずは、しっかりと運用計画を立てたうえで投資に取り組むようにしましょう。

また、60代の運用では金融のプロへ相談することも検討したいものです。アドバイザーナビ株式会社が運営する「わたしのIFA」では、細かい条件を指定したうえでアドバイザーを検索することができます。

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