資産運用は50代からでも遅くない!今から始める老後資金の準備
資産運用は50代からでも遅くない!今から始める老後資金の準備
50代はセカンドライフが目前に迫り、本格的に老後資金に備えたい。しかし、まだ貯蓄が進んでいない人もいるでしょう。50代からの資産運用の注意点や、ポートフォリオの組み方を解説します。
- 目次
- 50代の平均貯蓄は1,199万円
- 50代は約3割の人が貯蓄ゼロ
- 資産運用は50代から始められる?
- 65歳までに2,000万円を貯める場合
- 65歳までに1,000万円を貯める場合
- 50代からの資産運用で気をつけたいこと
- 目標額を設定する
- リスクを抑えた運用を心がける
- ライフプランを明確にする
- 手元の資金を確保しておく
- 万が一の事態への備えにも取り組む
- 50代の資産運用はどのようなポートフォリオを組むべき?
- 債券の比率を高める
- 配当・株主優待銘柄を組み入れてもOK
- バランスファンドやラップファンドを活用する方法もある
- 50代の資産運用はNISAとiDeCoどっちがおすすめ?
- 株式投資に取り組みたい人はNISA
- 税制メリットを活用したい人はiDeCo
- NISAとiDeCoは併用可能
- 資産運用は50代からでも始められる
(この記事は、アドバイザーナビ株式会社の提供による広告です。)
50代の平均貯蓄は1,199万円
そもそも50代は、どれくらいの貯蓄額を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年」によると、50代の平均貯蓄は1,199万円となっています。その内訳は下記の通りです。
金融商品 | 保有額 |
---|---|
預貯金 | 473万円 |
金銭信託 | 14万円 |
生命保険 | 154万円 |
損害保険 | 19万円 |
個人年金保険 | 100万円 |
債権 | 18万円 |
株式 | 253万円 |
投資信託 | 94万円 |
財形貯蓄 | 49万円 |
その他金融商品 | 25万円 |
引用:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年」
上記結果によると、50代では預貯金に約500万円の貯蓄を確保しつつ、株式や生命保険など異なる金融商品にバランスよく分散していることが分かります。
50代は約3割の人が貯蓄ゼロ
50代の平均貯蓄は1,199万円でしっかりと資産形成ができている一方、まったく金融資産を保有していない人も存在しています。前述の金融広報中央委員会の調査によると、50代で「金融資産を保有していない」と答えた人は、全体の28.4%にものぼる結果となりました。
金融資産を保有していない人を含めた貯蓄の中央値は260万円で、50代では貯蓄できている人とそうでない人が二極化している状況です。
晩婚化が進む現在では、50代で子供の教育資金やマイホーム取得のための支出を経験する人も多く、「貯蓄どころではない」という状況の世帯も多いのかもしれません。
資産運用は50代から始められる?
50代ではまもなく迎えるセカンドライフに向けて、老後資金の準備に取り組む必要があります。50代の約3割は貯蓄がない状況でしたが、今から資産運用を始めることは可能なのでしょうか。
ここからは、50代から老後資金を貯める場合、毎月いくら積み立てればよいのかシミュレーションしてみましょう。
65歳までに2,000万円を貯める場合
老後資金の目安は、一般的に2,000万円といわれています。仮に50歳から65歳までの15年間で2,000万円を準備する場合、毎月いくら積み立てればよいのでしょうか。下記表にシミュレーション結果をまとめました。
【65歳までに2,000万円貯めるために必要な積立金額】
運用利回り(年利) | 毎月の積立金額 |
---|---|
1.0% | 10万3,032円 |
3.0% | 8万8,116円 |
5.0% | 7万4,825円 |
50歳から65歳までに2,000万円を貯める場合、毎月およそ7万〜10万円の積立額が必要な結果となりました。毎月これだけの金額を運用に回すことは容易ではありませんが、「まったく現実的ではない」とまではいえないでしょう。
いきなりこれだけの積立金額を捻出することが難しい場合、まずは少額投資から始めてみるのもひとつの方法です。
65歳までに1,000万円を貯める場合
すでに手元資金がある場合や、退職金でまとまった収入が見込める場合、老後資金として準備する資金が2,000万円より少なくて済むことがあります。
仮に、50歳から65歳までの15年間で1,000万円を準備する場合、毎月必要となる積立金額は下記の通りです。
【65歳までに1,000万円貯めるために必要な積立金額】
運用利回り(年利) | 毎月の積立金額 |
---|---|
1.0% | 5万1,516円 |
3.0% | 4万4,058円 |
5.0% | 3万7,413円 |
15年間で1,000万円を貯める場合、毎月約3万〜5万円の積立が必要な結果となりました。この水準であれば、支出を見直すなどして捻出できる人も多いのではないでしょうか。
この金額は、2024年から始まる新NISAであれば、非課税の範囲内で積み立てられるのも嬉しいポイントですね。
50代からの資産運用で気をつけたいこと
50代から資産運用に取り組む際は、次の5つのポイントに気をつけましょう。
- 目標額を設定する
- リスクを抑えた運用を心がける
- ライフプランを明確にする
- 手元の資金を確保しておく
- 万が一の事態への備えにも取り組む
それぞれくわしく解説していきます。
目標額を設定する
資産運用では、まず目標額を設定することが重要です。目標額をきちんと定めていなければ、目指すべき利回りや毎月の積立金額が決められません。
また、目標額は何となく決めるのではなく、将来必要となるお金をきちんと試算したうえで設定する必要があります。具体的には、将来受け取れる年金額や退職金などを把握したうえで、「老後の生活にどれくらいの貯蓄が必要となるか」ということを試算してみましょう。
特に、年金は老後の生活を支える大切な収入源となります。現時点での見込額は日本年金機構の「ねんきんネット」ですぐに算出できるため、ぜひ一度確認しておくことがおすすめです。
リスクを抑えた運用を心がける
資産運用を始めると、「早く資産を増やしたい」という気持ちになるかもしれません。
しかし、50代の資産運用ではリスクを積極的に取るのではなく、安定的に運用することを心がけましょう。50代は、若年層のように長い運用期間を確保することが難しいためです。
とはいえ、運用資産のすべてを保守的な金融商品に投じる必要はありません。たとえば、「株式と債券の割合を6:4にする」など、一部を安定的な商品に分散するとよいでしょう。
この株式と債券のバランスは、年齢を重ねるごとに徐々に債券の割合を高めていくことが望ましいといわれています。資産運用に取り組む際は、どのタイミングでポートフォリオのバランスを変更するか目安を作っておくことがおすすめです。
ライフプランを明確にする
適切な資産運用に取り組むためには、ライフプランを明確にしておくことも欠かせません。大きな出費が発生する時期や、ライフスタイルが変化する時期を把握しておかなければ、正確な運用計画が立てられないためです。
50代では、次のようなライフプランを明確にしておきましょう。
- いつまで働くのか
- 何歳から年金をもらい始めるのか
- 自宅をリフォームする必要性があるか
- セカンドライフも今の場所で暮らすのか
- 介護が必要になったらどうするのか
- お墓や葬儀費用の準備は? など
特に、仕事を続ける年齢や老後の暮らし方は、セカンドライフの収支にかかわる重要なポイントです。それによって準備すべき老後資金も異なるので、なるべく早いうちに具体的なライフプランを立てましょう。
手元の資金を確保しておく
資産運用は手元にあるお金を全て投資に回すのではなく、一部現金として確保しておきましょう。すべて投資に回すと、突発的な出費などに対応できなくなってしまいます。
資産運用に取り組む際は、まず自分の保有資産を次の3つに区分しましょう。
- 使うお金 ⇨ 生活費などですぐに使う予定があるお金
- 貯めるお金 ⇨ 車の買い替えなど具体的に使う時期が決まっているお金
- 増やすお金 ⇨ 当面使う予定がないお金
資産運用に回すことができるのは、このうち「3.増やすお金」に該当する部分。「1.使うお金」と「2.貯めるお金」は、預貯金などを活用して手元に確保しておくようにしましょう。
万が一の事態への備えにも取り組む
50代は資産を増やすための取り組みも必要ですが、万が一の事態への備えも重視したいですね。病気のリスクも高まってくる年代ですので、いつどのようなタイミングでまとまった医療費が発生するか分かりません。
「自分は大丈夫だろう」と楽観視するのではなく、しっかりと民間の医療保険などを活用して備えておくようにしましょう。
50代の資産運用はどのようなポートフォリオを組むべき?
資産運用に取り組む際は、ポートフォリオの組み方にも注意が必要です。ポートフォリオとは、自分が保有している資産の配分をいいます。
50代では、どのようなポートフォリオを組めばよいのでしょうか。ここでは、考慮したい3つのポイントを紹介しましょう。
債券の比率を高める
20代や30代などの若年層では、株式の配分を高めて積極的に運用しても問題ありません。しかし、セカンドライフが近づいている50代では、ポートフォリオの債券比率を高めることを心がけましょう。
株式と債券の割合は投資意向や投資経験などによっても異なりますが、一般的に「100-自分の年齢」が理想的な株式の割合だといわれます。たとえば55歳の場合、全体の資産の45%を株式で保有することが理想です。
あくまでひとつの目安ですが、ポートフォリオを組む際の参考にしてみましょう。
配当・株主優待銘柄を組み入れてもOK
50代のポートフォリオは債券比率を高めることを意識する一方で、配当・株主優待銘柄などを取り入れることも検討しましょう。定期的に配当金や株主優待を受けられる銘柄は、収入源が限られるセカンドライフにおいて、貴重な収入源となり得る投資先です。
たとえば、公的年金は偶数月に支給されますが、配当銘柄を上手く組み合わせれば、毎月収入が入るようにすることができます。
NISA口座で買い付ければ配当金にかかる税金も非課税となるため、ぜひNISA制度の活用も併せて検討してみましょう。
バランスファンドやラップファンドを活用する方法もある
「自分でポートフォリオを組むのが難しい」という人は、バランスファンドを活用するのもひとつの方法です。バランスファンドとは投資信託の一種で、株式や債券、REITなど複数の金融商品を組み合わせながら運用するものです。
1つのファンドを通じてさまざまな金融商品に分散投資できるため、運用初心者でも手軽に分散投資ができるメリットがあります。
また、その他にラップファンドを活用することもおすすめです。ラップファンドとは、金融機関に運用を一任する金融商品です。中には、売買の判断をすべて任せられるものもあるため、「投資の判断を下す自信がない」、「なるべく資産運用に手間を掛けたくない」という人はラップファンドの利用を検討してみるとよいでしょう。
50代の資産運用はNISAとiDeCoどっちがおすすめ?
資産運用を後押しする制度として知られる「NISA」と「iDeCo」ですが、「どちらを利用すればいいのだろう」と悩む人も少なくありません。ここからは、それぞれの制度がおすすめの人の特徴について紹介します。
株式投資に取り組みたい人はNISA
iDeCoは投資信託による運用のみが非課税の対象でうが、NISAでは株式投資から得た利益も非課税となります。そのため、先ほど紹介した配当・株主優待銘柄や、外国株式への投資を検討している人はNISAを利用することがおすすめです。
ただし、NISAで購入できる商品のラインナップは証券会社によって異なります。NISA口座は1つの金融機関でしか開設できないため、開設手続きを行う際は複数の金融機関の取扱商品を比較して決めるようにしましょう。
税制メリットを活用したい人はiDeCo
iDeCoは、NISAよりも税制メリットが大きいことが特徴です。iDeCoの税制メリットは、主に下記の3つです。
- 投資信託による運用益が非課税
- 掛金が全額所得控除される
- 受け取り時も所得控除が適用される
特に、現役世代にとって嬉しいのが「掛金が全額所得控除される」という点です。たとえば、iDeCoに毎月2万円拠出した場合、年間24万円が所得から控除されるため、所得税や住民税の負担が軽減できるメリットがあります。
資産運用に加えて税負担の軽減にも取り組みたいという人は、iDeCoの加入を検討してみましょう。
NISAとiDeCoは併用可能
NISAとiDeCoはどちらか一方だけでなく、併用することも可能です。運用する目的に合わせて、2つの制度を使い分けるのもよいでしょう。
ただしiDeCoで注意したいのが、年金の受け取りには10年以上の加入期間が必要となる点です。60歳時点で加入期間が10年に満たない場合は、受給開始年齢が繰り下げられる点を理解しておきましょう。
資産運用は50代からでも始められる
資産運用は「若いうちから取り組むべきもの」として語られることが多いですが、マイホームの取得や子供の教育資金など大きな出費に追われ、「なかなか若い頃に貯蓄ができなかった」という人も多いでしょう。
実際に、50代は約3割が金融資産を保有していないという結果も出ており、「これから資産運用を始める」というケースも少なくありません。50代は、人生100年時代で考えればまだ折り返し地点に過ぎないのです。
「今さら始めても遅いのでは」と思わずに、ぜひNISAやiDeCoを活用した資産運用にチャレンジしてみましょう。
また、50代の資産運用はプロへ相談することもおすすめです。アドバイザーナビ株式会社が運営する「わたしのIFA」では、投資意向や投資経験など意向に沿って金融アドバイザーを検索することができます。
無料で利用できるため、ぜひ気軽に相談できる先を探してみましょう。
退職金運用と退職金アドバイザーに関連する記事
この記事の監修者
シニアタイムズ編集部 【編集部メンバー】
シニアの再就職・転職活動に役立つ情報、老後のお金・住まい・趣味に関する話題など、幅広い情報をお届けします。