ほったらかしでもOKは本当!?50代にもおすすめの積立NISA
つみたてNISAなら 【ほったらかし投資】ができる!
「つみたてNISAはほったらかしでもOK!」という噂は本当でしょうか?この記事では、つみたてNISAがほったらかしでも大丈夫と言われる理由や最低限確認すべきことなどを解説します。
- 目次
- つみたてNISAがほったらかしでも大丈夫と言われる理由とは?
- 手動ではなく自動で決まった金額が積み立てられるため
- 取引量を自動的にコントロールしてくれるため
- 長期投資に適した制度のため
- つみたてNISA|ほったらかし長期投資におすすめの商品はこれ!
- 全世界株式インデックスファンド
- バランス型ファンド
- つみたてNISAでほったらかし投資信託を10年した場合の利益はどれくらい?
- ほったらかし投資信託でも最低限確認すべきこと
- 積立期間と資産金額を確認する
- 適切な積立金額か確認する
- 非課税投資枠の未使用分はどれくらいあるか確認する
- 2024年開始!新NISAとはどんな制度?
- 年間非課税投資枠が120万円になる
- 非課税保有限度額が最大1,800万円になる
- 非課税期間が無期限になる
- 現行のNISA制度は新制度の外枠で非課税措置が適用される
- まとめ・つみたてNISAで賢く資産形成を
つみたてNISAがほったらかしでも大丈夫と言われる理由とは?
「つみたてNISAは、一度積立設定をすれば後はほったらかしでも大丈夫」という話を聞いたことはありませんか?この話は真実に近いと言えます。
もちろん最低限確認すべきポイントはありますが、デイトレードのように日々取引を行う必要はありません。
ほったらかし投資が可能な理由は、NISA制度の特徴にあります。まずは、つみたてNISAがほったらかしでも大丈夫と言われる理由を確認していきましょう。
「50代から始める積立NISAのススメ|新制度との違いもご紹介!」
手動ではなく自動で決まった金額が積み立てられるため
1つ目の理由は、自動で決まった金額が積み立てられるためです。つみたてNISAは名前の通り、積立投資ができる制度。積立投資とは、一定の期間ごとに一定の金額を使い、同じ商品を購入する方法のことです。
一度積立購入の設定をすれば、自動的に投資額が増えていくため、ほったらかしでも問題ありません。
つみたてNISAでは、「毎月3万円」「毎日1,000円」「ボーナス月に積立金額を上乗せ」など、無理のない範囲内で積立投資が可能。無理のない範囲で積立投資を続けられます。
取引量を自動的にコントロールしてくれるため
2つ目の理由は、取引量を自動的にコントロールしてくれるためです。
「投資」と聞くと「売買のタイミングが難しいのでは?」と心配される人もいますが、積立投資ならその心配はありません。なぜなら、金融商品の値動きに合わせて取引量を自動的にコントロールしてくれるためです。
定期的に積立投資を行うことで、高いときに買ったり安いときに売ったりするリスクを最小限に抑えられ、自分で取引量を判断する必要もありません。つまり、ほったらかしで大丈夫です。
ただし、投資であることは変わりありません。基本的にはほったらかしでも問題ありませんが、時間があるときに購入している金融商品の状況を確認するクセはつけた方が安心でしょう。
長期投資に適した制度のため
3つ目の理由は、長期投資に適した制度のためです。つみたてNISAで購入できる商品は、長期投資することで利益を得られやすい特徴があります。
長期投資はローリスクローリターン、短期投資はハイリスクハイリターンが基本です。金融商品を長期間保有していると、一時的に価格が下落しても数年かけて元の価格、もしくはそれ以上になるケースがよくあるためです。
また、つみたてNISAでは、得た利益を元本に加えて再投資できる福利効果も期待できます。
結果的に、つみたてNISA制度自体が比較的リスクの低い傾向にあるため、ほったらかしでも大丈夫と言われるのです。
<NISA以外の老後資金確保、不動産売却についての外部参考サイト>
不動産売却・不動産査定なら、すまいステップ|完全無料で不動産会社に一括査定
家を売るにはどうする?高く売却するためのたった3つの注意点を分かりやすく解説
つみたてNISA|ほったらかし長期投資におすすめの商品はこれ!
では、ほったらかし投資におすすめの金融商品とはどのようなものなのでしょうか?
2023年5月現在で、つみたてNISAで購入できる金融商品は228本あります。(※1)
つみたてNISAで購入できる金融商品
- インデックス投資信託:192本
- アクティブ運用投資信託等:28本
- 上場株式投資信託(ETF):8本
つみたてNISAの対象商品は、金融庁が定めた基準をクリアした商品です。数ある商品の中から、金融のプロが「長期投資に適している」というお墨付きの商品のみ扱っているため、基本的には価格が暴落するリスクは高くありません。
ここでは、つみたてNISA対象商品の中でも特にほったらかし投資におすすめの金融商品をご紹介します。
全世界株式インデックスファンド
1つ目は、全世界株式インデックスファンドです。
まずは、インデックスファンドの意味から確認しておきましょう。投資信託には、大きく分けてインデックスファンドとアクティブファンドがあります。
現在、全世界株式インデックスファンドの平均利回りは5〜7%ほどのため、安定した利益も期待できるでしょう。
バランス型ファンド
2つ目は、バランス型ファンドです。バランス型ファンドとは、複数の金融商品に分散投資する投資信託のこと。1つのバランス型ファンドで、株式・債権・REITなど複数の金融商品への投資が可能です。
■バランス型ファンドの一例
バランス型ファンドとインデックスファンドの大きな違いは、リスクの内容です。インデックスファンドは1つの金融商品の中で複数の銘柄に分散投資しますが、バランス型ファンドは投資する金融商品が複数あります。
では、この違いがどのような影響を及ぼすのでしょうか?
投資の世界では、株価が下落すると相対的に他の金融資産が値上がりする傾向にあります。つまり、株価が下落した場合は全世界株式インデックスファンドも下落します。
しかし、株価と相対的に値上がりする金融資産を含むバランス型ファンドでは、全世界株式インデックスファンドほどの大きな影響はありません。
ただし、逆も言えます。株価が値上がりしている場合は全世界株式インデックスファンドは大幅に値上がりします。
しかし、金融資産自体を分散しているバランス型ファンドでは、全世界株式インデックスファンドほどの大きな上げ幅は期待できません。
両者とも比較的リスクの低い商品ではありますが、リターンよりリスクを最小限に抑えたいと考える人は、バランス型ファンドがおすすめかもしれません。
つみたてNISAでほったらかし投資信託を10年した場合の利益はどれくらい?
つみたてNISAを利用する目的は人それぞれですが、「今あるお金を投資信託で増やしたい」と考えて始める人は多いでしょう。では、実際にどのくらいの利益が生じるのでしょうか?
ここでは、つみたてNISAで資産運用を行った場合のシミュレーションをご紹介します。
以下は、つみたてNISAで10年間積立投資した場合の運用成果シミュレーションです。(※2)
月1万円 | 月2万円 | 月3万円 | |
---|---|---|---|
年利2% | 1,327,197円 | 2,654,393円 | 3,981,590円 |
年利4% | 1,472,498円 | 2,944,996円 | 4,417,494円 |
年利6% | 1,638,793円 | 3,2775,87円 | 4,9163,80円 |
年利8% | 1,829,460円 | 3,568,921円 | 5,488,381円 |
年利10% | 2,048,450円 | 4,096,900円 | 6,145,349円 |
「月1万円の積み立て・年利2%」でも、10年間で12.7万円増えることがわかります。「10年間で12.7万円…想像より増えていない」と思う人もいるかもしれません。しかし、超低金利時代の今、銀行に10年間預けても1,000円も増えないのが現実です。
その点、つみたてNISAで運用すれば、銀行より高い増え幅が期待できます。さらに、つみたてNISAなら運用利益を元本に加えるため、年数が経過すると共に運用利益も上がりやすい複利効果も期待できるのです。
■「年利10%・月3万円×10年間」積立投資した場合の運用利益の推移シミュレーション
仮に、投資する金融商品が年利10%を継続した場合、10年後には約254.5万円の利益が得られることになります。
年収500万の人の生活|手取り額や割合・住宅ローンやふるさと納税まで解説!
ほったらかし投資信託でも最低限確認すべきこと
基本的にはほったらかしでOKなつみたてNISAですが、買付設定をした後に完全放置することはおすすめできません。
ほったらかしにしている間に金融資産の下落が続き、「気がついたらマイナスになっていた」ということが起こる可能性もあるためです。
ここでは、ほったらかし投資でも最低限確認すべきことをご紹介します。最低限確認すべきことを覚えておき、気がついたときに短時間で確認を行うよう心がけましょう。
積立期間と資産金額を確認する
1つ目は、積立期間と資産金額の確認です。
確認内容
- どれくらいの期間積み立てをしてきたのか
- 「元本+運用利益」がどれくらいの金額になっているのか
上記の2点は、必ず定期的に確認をしておきましょう。
つみたてNISAでは基本的にはリスクの低い商品のみ扱っているため、大幅な下落の可能性は低いです。しかし投資である以上、100%安全という保証はありません。
また、現在の資産金額を確認することで、今後の投資計画も立てやすくなるメリットもあります。
適切な積立金額か確認する
2つ目は、積立金額が適切かどうか確認することです。つみたてNISAには年間非課税投資枠が40万円あり、1年間に40万円を超える投資を行わなければ、いつでも積立額の変更が可能です。
そのため、収入に余裕のある場合は、年間非課税投資枠をフル活用するまで積立金額を上げてみるのもいいかもしれません。
逆に、突発的な出費やライフスタイルの変化で出費が増えることが予想される場合には、積立額の減額を検討してみましょう。
非課税投資枠の未使用分はどれくらいあるか確認する
3つ目は、非課税投資枠の未使用分はどれぐらいあるか確認することです。先ほどもお伝えした通り、つみたてNISAでは年間40万円以内の投資で得た利益は非課税になります。
一方、NISA口座以外で得た運用利益の場合は約20%の税金が課せられます。また、NISA口座に未使用分の非課税投資枠があっても、翌年に繰り越すことはできません。
そのため、資金に余裕のある人は、運用利益が非課税になる恩恵を最大限利用することをおすすめします。
特に、賞与がでた月や年末などは、未使用分の非課税投資枠を確認してみましょう。
2024年開始!新NISAとはどんな制度?
ここまでつみたてNISAの解説をしてきましたが、2024年からは新しいNISA制度が始まります。(※3)
基本的な考え方や制度に大きな違いはありませんが、つみたてNISAと一般NISAが1本化され、非課税枠や期間など拡大する部分も大きくなります。
現行のつみたてNISAと新しいNISA制度の主な違いは以下の通りです。
現行NISA | 新NISA | |
---|---|---|
名称 | つみたてNISA | つみたて投資枠 |
年間非課税投資枠 | 40万円 | 120万 |
非課税保有限度額 | 800万円 | 1,800万円 |
非課税保有期間 | 20年間 | 無期限 |
※3:金融庁|新しいNISA
年間非課税投資枠が120万円になる
1つ目の違いは、年間非課税投資枠が120万円になることです。現行のNISAの年間非課税投資枠は40万円。一般NISAの年間非課税投資枠120万円との併用はできません。
一方、新しいNISAの年間非課税投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。両者は併用可能なため、最大で年間360万円まで投資可能になります。
非課税保有限度額が最大1,800万円になる
2つ目の違いは、非課税保有限度額が最大1,800万円になることです。現行のNISAの非課税保有限度額は800万円ですが、新しいNISAでは1,800万円に拡大されます。
成長投資枠のみ1,200万円までの内数制限はありますが
また、新制度は取得価格で枠を管理するため、金融商品を売却した場合は買付金額分の枠が復活します。新制度の非課税保有
非課税期間が無期限になる
3つ目の違いは、非課税期間が無期限になることです。現行のNISAの非課税期間は20年間ですが、新しいNISAでは期間の制限がなくなります。つまり、NISA口座で得た利益は無期限に非課税となります。
今まで期限が気になりNISAを始められなかった人にとっては大きなメリットではないでしょうか?50代からでも
現行のNISA制度は新制度の外枠で非課税措置が適用される
新しいNISAが始まるからといって、2023年中につみたてNISAを始める予定の人やすでにつみたてNISAを利用している人が心配する必要はありません。
なぜなら、現行のNISA制度は新制度の外枠で非課税措置が適用されるためです。
新制度のNISAの非課税保有限度額は1,800万円。現行のつみたてNISAを利用している場合、この1,800万円とは別枠で年間40万円の非課税枠が適用されるため、最大1,840万円までの非課税投資が可能になります。
2024年以降、つみたてNISAで新規積立はできませんが、運用は引き続き可能です。新しいNISAとは別枠で運用できるため、非課税投資枠は1,840万円になります。
そのため、NISAを始めたいと思っている人は、2024年まで待つ必要はありません。ただし、現行のNISAから新しいNISAへのロールオーバーはできないので、注意しましょう。
新NISAを徹底解説!いつから?デメリットは?つみたてNISAからの移行は?
まとめ・つみたてNISAで賢く資産形成を
つみたてNISAは、長期投資に適した仕組みになってます。自動的に積立投資をしてくれたり取引量をコントロールしてくれるため、基本的にはほったらかしでも問題ありません。
ただし、積立金額や資産状況の確認などの最低限チェックした方がいい内容もあるため、完全に放置することだけは避けましょう。
また、2024年から始まる新しいNISAでは、今までより非課税投資枠が拡大されたり非課税期間が無期限になったりと、幅広い世代の人が利用しやすい制度になっています。
「NISAは若い世代のため」と思っている人もいるようですが、非課税期間が無期限になる新NISAでは年代は関係ありません。
今は、自助努力でお金を増やす時代です。この機会に、つみたてNISAを始めてみてはいかがでしょうか?
資産運用に関連した記事
50代向け|おすすめの資産運用とポートフォリオ!運用例や注意点も
【2023年】50代平均貯金額や中央値から考える!老後資金の増やし方
つみたてNISAとiDeCoの違いとは?2022年のiDeCo制度改正も解説します
シニアこそ株式投資を始めるべき!株式との向き合い方とは?
100万円で投資信託した場合の1年後はいくら?仕組みや注意点も!
参考資料
この記事の監修者
岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 年金制度や税金制度など、誰もが抱える身近な問題の相談業務を行う。 得意分野は、生命保険・老後の生活設計・教育資金の準備・家計の見直し・相続など。