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60代以上の医師でも転職可能?シニアドクターが活躍できる転職事情を知ろう

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

医師として「やりがいをまだまだ感じていたい」「もっと自分ができることを試したい」という気持ちは生きる活力にもなるでしょう。 今回は高齢の医師の転職について解説をしていきます。

目次

定年を迎えたあとも医師として活躍したいと考えている方は多いと思います。
現在働いている病院で働けなくなったとしても、医師として活躍できる場は多数存在しています。
 

医師は何歳まで続けられるのか

医師は医師免許を取得すれば年齢を問わず医師として働く事が可能です。
実際に50代はもちろんのこと、60、70、80代を迎えても現役医師として第一線に立っている人も珍しくありません。

若い頃のようになんにでも積極的に参加するというようなことはできないかもしれませんが、シニアドクターとして多くの人の力になれる存在として求められている人材でもあります。
それでは、さまざまな視点からシニアドクターの需要を見てみましょう。
 

医療関係者から見たシニアドクターの需要

医療関係者から見たシニアドクターは、やはりその豊富な経験を頼りにされる存在となっています。
今と昔では環境が大きく変わっているかもしれませんが、医療に関わる精神的な部分や基本的な知識は大きく変わる事はありません。

過去の経験は他人にはない財産ですので、長年自身が体験してきた事を生かしたアドバイスができると現場でも頼もしく思われるでしょう。
もちろん技術面においても、特に若手のお手本として病院には欠かせない存在となります。
 

患者側から見たシニアドクターの需要

病院を利用する患者側の目線から見ても、シニアドクターは安心できる存在となります。
年齢が高いというだけで「この人は今までにたくさんの人を診てきたんだな」という意識を持てるので、自分の体調について不安を募らせている患者にとってありがたいのです。

原因がわからずに悩んでいる場合も、落ち着いた口調で説明をすれば説得力が増しますし、その後も頼れる存在として活躍できるでしょう。
最近ではSNSなどで口コミを投稿する人も増えていますので、人気がアップすること間違いなしです。
 

シニアドクターが求められる診療科

病院側から言えばどの診療科が特別シニアドクターを求めているということはなく、働いてくれるなら雇用するという形も多いようです。
一方で、患者側から見ればシニアドクターを求める診療科もあります。

特に「産婦人科」や「精神科」などは患者の気持ちに沿って対応しなければいけないので、経験豊富なシニアドクターのほうが言葉に重みが増すという意見も多く聞かれます。
特に女性産婦人科は若い女性の良い相談役として活躍しているようです。
 

高齢の医師の年収はどのくらい?

医師 高齢 60代 年収
医師というのは限られた人だけが就ける職種ですので、他業種のように定年後に年収が大きく下がったり、待遇面が悪くなったりするということはありません。
安定した職業である医師という仕事は、医師を続けている限り何歳になってもその恩恵を受けることができるため、医師として自分の専門分野を続けることが可能です。

それでは外科と内科に分けて年収にはどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
年収の数字は総務省の発表による平均年収データを参考にしています。
 

外科

勤務医として働く外科医の平均年収は約1200万円~1800万円と言われています。
勤務する病院や役職の有無によってその年収は上下していますが、大体このラインに収まるようです。最低賃金でも平均月収にすると約60万円程度になるでしょう。
外科医には手術の執刀が求められますし、患者数も多く拘束時間が長くなってしまうこともあり年収も上がります。
高齢になっても不当に安い賃金で働かされるということはありません。
 

内科

内科医は国内の医師の約3割が該当します。その平均年収は約1200万円~1500万円と言われており、平均月収にして100万円を超えることもあるようです。
外科医と同じく大きな病院で勤務したり、役職に就いている場合はその年収もアップします。
定年後も安定した収入を得たいと考えている場合には開業医としてスタートすることをおすすめします。
特に人口は多いのに周囲に医院がないエリアでの開業はそれなりに安定した収入となるでしょう。
 

男女で差はあるのか?

本来であれば年収の差は男女で発生してはならないものですが、現状として女性のほうが男性よりも年収は少なくなっています。
また、年齢を重ねるごとにその差は開いていき、女性の高齢医師が少なくなっている原因とも言われています。
特に大学病院などの大規模な人員を抱える現場では収入の格差が激しい傾向にあります。
女性医師として定年後も安定した収入を得ながら働きたいという希望がある場合は、条件面や待遇などをしっかり確認した上で転職活動を行いましょう。
 

医師であるキャリアを生かした転職

医師 高齢 60代 キャリア
医師免許は誰もが取れるようなものではないことは十分わかっていると思います。
医師として今まで活躍してきたのであれば、他にどうしてもやりたいと思える仕事がない限りそのキャリアを十分に生かした転職をしましょう。
医師が定年を迎えたあとに転職している業種をまとめてみました。
医師として患者さんと付き合い続ける道以外にも、医師というキャリアを生かした仕事は多数あります。自分のやりたい道を選びましょう。
 

勤務医や開業

医師のまま働きたいと言う人は、開業医としてクリニックを開いたり、別の病院に臨床医として勤務する道を選んでいるようです。
大学病院などの大きなところで働いていた人にとっては年収が下がったり、周囲の医師と同じ立場になることを嫌う人もいらっしゃると思います。

ですが新たな気持ちで医師を始めることができるため、一つの区切りができるという声もあります。
最近では在宅医療や訪問医療の動きも活発になっているので、多くの医師が求められています。
 

施設管理者

医師として「現場で勤務することに限界を感じている」「別の働き方で医療に携わりたい」
という場合は病院長や施設の管理者として働くという人が多くいます。
病院長はなろうと思ってすぐになれるものではありませんが、施設管理者の求人は意外とございます。

特に最近では介護医療や健康促進施設などの管理責任者を募集していることもあり、定年間近になるとその役職を打診されることもあるようです。
経験が必要となる現場ですので、キャリアが役立つこと間違いなしです。
 

健康アドバイザー

医療の現場から思い切り離れながらも医師の経験を活かしたいという人は、健康アドバイザーとして活躍しています。
テレビなどでコメンテーターとして活躍している医師も多数います。

近年では動画を使って自分の意見をコンテンツとすることが気軽になっており、健康促進に関するアドバイスを医師の目から解説した動画を作ったり、ブログなどで文章を公開したりと発表の場が多数あります。
動画作成やホームページ作成は自分で行う事ができますし、プロに依頼して本格的なものを作ることだってできます。
 

転職の時に使える便利ツール

転職を考えた時に医師のキャリアを活かせる求人をどうやって探せばいいのか悩むこともあるでしょう。
特にこれまで一つの病院で長年働いてきた人にとって、転職というのは未知なる世界だと思います。

そんな転職を助けてくれるツールをご紹介します。
オンラインで閲覧して相談することもできるので、自宅にいたまま次の仕事を探すことができるのが大きな利点です。
 

高齢医師向け求人情報サイト

インターネットで検索をすれば、定年後の医師に向けた転職サイトがあります。
年代別や業種別などニーズに沿った検索をすることができますし、そもそも高齢の医師の採用を行っているという病院を中心に掲載しているので無駄な時間もカットできます。
医師の求人情報は多くても、高齢医師は採用しないというスタンスの病院もあるため、最初から高齢だとわかっている病院のほうが早く転職先を見つけることができるのです。

別業種は受け入れられる?

全く関係のない業種に就く場合、基本的に前職が医師だからといって断られることはないでしょう。
医師になる為に偏差値の高い大学を出て、医師として長年病院勤務をしていたという実績は何物にも代えがたい経験・知識だからです。
しかし、あまりにもかけ離れた職業になると雇用する側も「なぜ医師をやめるんですか?」という質問を受けるため、その問いにはっきりと答えられるのであれば、問題ありません。

医師の経験を生かした転職を

医師として働いてきた経験を活かして、できるだけ医師のキャリアを活かせる転職のほうが現実的で安定感もありますよね。
現代は医師のセカンドキャリアの道も多数存在しているため、自分が経験したことない職種で医師のキャリアを活用できるチャンスでもあります。

50代・60代・70代となると、職種関係なく転職活動は大変なものです。
自信がどうしたいか一度相談してみて、納得のいく転職活動ができることをお祈りします。

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この記事の監修者

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。

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