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今注目の介護脱毛とは?必要性・メリット・料金の目安を徹底解説!

多田眞理子 【介護福祉士】

ライフスタイル

ミドル・シニア世代が注目する
介護脱毛を徹底解説!

近年、40代以降の人を中心に人気のある介護脱毛。「気になるけれど費用や痛みなどが心配…」という人も多いでしょう。この記事では介護脱毛の必要性や費用、よくある質問などをご紹介します。

目次

介護脱毛とは?

介護脱毛とは?
介護脱毛とは、将来介護される立場になることを想定して、あらかじめデリケートゾーンの脱毛をすることです。近年は、テレビなどのメディアに登場する機会が増えたため、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

実際に、45歳以上の女性を対象に2023年に行われた「介護脱毛の認知・イメージに関する調査」(※1)でも、介護脱毛の認知度は64%と高めでした。また、「介護脱毛に興味がある」という質問には32.9%の人が「はい」と答えています。
興味を持った理由を聞くと、介護の経験をしたことがある人からの影響が大きい
興味を持った理由を聞くと、介護の経験をしたことがある人からの影響が大きいことがわかりました。

また、「介護の際、VIOの脱毛をしていると介護が楽になると思いますか?」の質問には、「そう思う・ややそう思う」で約7割を占め、介護脱毛に肯定的な意見が多いことがわかります。
介護の際、VIOの脱毛をしていると介護が楽になると思いますか?	 とてもそう思う	27.1 ややそう思う	42.1 あまりそう思わない	23.3 全くそう思わない	9.5
そして、「今後、介護脱毛をしてみたいですか?」の質問には、「そう思う・ややそう思う」が4割弱を占めており、強い興味を持っている人が多いことがわかりました。
今後、介護脱毛をしてみたいですか?	 とてもそう思う	14.2 ややそう思う	23.5 どちらともいえない	31.7 あまりそう思わない	15.8 全くそう思わない	14.8
これらのアンケート結果からも、40〜50代の人を中心に介護脱毛に興味がある人が多いことがわかります。

※1:【介護脱毛に関する認知・イメージ調査】3割以上が知っていると回答。介護脱毛のイメージとは?

脱毛する部位はVIOが一般的

介護脱毛は排泄介助をされることを想定して行うため、脱毛する部位はデリケートゾーンと呼ばれるVIOが一般的です。
Vライン  ビキニラインとも呼ばれる、両足の付け根と骨盤を結ぶ三角形の部分 Iライン    VとOを結ぶ、陰部の両側の部分 Oライン    肛門周辺の部分
全ての毛を脱毛した方がいいのか迷う人も多いですが、衛生的なことを考慮すると、IラインとOラインは全て脱毛することがおすすめです。

基本的にはVラインも同様ですが、全て脱毛することに抵抗のある人は、量を減らすだけでも十分なメリットを感じられるでしょう。

脱毛方法は医療レーザーや光脱毛が一般的

現在の脱毛方法は、医療レーザーや光レーザーが主流です。40代以降の人が脱毛を思い浮かべると、針のようなもので1本1本肌を刺すイメージを思い浮かべる人もいるかもしれません。

確かに少し前まではニードル脱毛と呼ばれる、1本1本の毛根に電流を流す方法が一般的でした。ニードル脱毛は脱毛効果は高いですが、痛みの強さと時間がかかることがネックになり脱毛に踏み切れない人も多かったのです。

しかしその後、短時間で広い範囲の脱毛ができるレーザー脱毛や光脱毛が誕生し、現在は短時間で効果がでる医療レーザー脱毛や光脱毛が一般的になっています。

早速、それぞれの特徴を確認してみましょう。

医療レーザー脱毛

医療レーザー脱毛とは、毛根にレーザーを当て、毛を生やすための細胞を破壊する脱毛方法のことです。レーザーは毛根の黒い色にのみ反応するため、周辺の細胞や肌を傷つけることはありません。

医療レーザーの出力パワーはとても強いため、医療行為に該当します。そのため、脱毛クリニックや皮膚科などの医師がいる場所でしか施術は受けられません。

しかし、パワーが強いだけあって脱毛効果は高く、永久脱毛が可能です。医療レーザー脱毛の場合は、5回ほどで効果が感じられる人が多いようです。

ただし、効果が高い分、痛みも伴います。クリニックによっては表面麻酔や笑気ガス麻酔を行ってくれるところもあるため、クリニックごとの特徴を調べてみるとよいでしょう。
永久脱毛を希望する人 できるだけ短い期間で介護脱毛を終わらせたい人 トラブルがあったときのために医師のいることろで施術を受けたい人
医療レーザー脱毛は、上記のような人におすすめです。

光脱毛

光脱毛とは、毛根に光の熱を当てて毛を抜けさせ、新しい毛を生えにくくする脱毛方法のことです。光脱毛は医療行為ではないため、脱毛サロンで施術が受けられます。

光脱毛は、医療レーザー脱毛と同じように毛根の黒い色にのみ反応するため、周辺の細胞や肌を傷つけることはありません。

光脱毛の中にはいくつか種類がありますが、介護脱毛の場合はIPL式の光脱毛がおすすめです。毛にダメージを与える方法は医療レーザー脱毛と基本的に同じため、デリケートゾーンの毛に効果があります。

医療用レーザー脱毛と異なる点は、毛根に与える熱のパワー。光脱毛は医療レーザー脱毛ほどの強いパワーではないため、永久脱毛することはできません。

ただし、繰り返し光脱毛を行うことで新しい毛が生えにくくなるため、数ヶ月お手入れをしなくても毛が生えてこなくなる人も多いです。10回程度通うと効果を十分な効果を感じられる人が多いようです。

また、パワーが少ない分痛みはそれほど強くありません。痛みを感じても「輪ゴムで肌をパチンと弾いたような軽い痛み」程度の人が多く、全く痛みを感じない人もいます。
痛みに弱い人や肌の弱い人 平日の遅い時間や土日などにサロンに通いたい人
光脱毛は、上記のような人におすすめです。

介護される人・する人の双方にある!介護脱毛のメリットとは

介護脱毛のメリットとは
近年注目されるようになった介護脱毛。注目されるようになった理由には、介護される人にも介護する人にもメリットと感じられる点があるためです。

「将来、自分が介護が必要な状態になったらどうしよう」
「近いうちに親の介護が必要になるかもしれない」

40代〜60代の人にとって介護とは、自分の問題でもあり家族の問題でもあるはず。将来のことを考えると、介護に関するさまざまな不安が生まれる人も多いのではないでしょうか?

しかし、介護脱毛を行うことでほんの少しだけ心理的負担が軽減されるかもしれません。

デリケートゾーンを清潔に保てる

まずは、介護される人のメリットを確認してみましょう。大きなメリットとして、デリケートゾーンを清潔に保てることがあげられます。
介護される人のメリット 炎症や肌トラブル、感染症の予防につながる 介護してくれる人に対する精神的負担が軽くなる
排泄介助が必要な状態になると、排泄後に拭き取りをしてもらう可能性やオムツ交換をしてもらう可能性が考えられます。

感染症や肌あれを防ぐためにもデリケートゾーンを清潔に保つことはとても重要ですが、排泄後はどうしても汚れが残りがち。特に、毛があると汚れが付着しやすいため、炎症のリスクが高くなります。

しかし、脱毛してあると汚れが取り除きやすくなり、その分、デリケートゾーンを清潔に保てます。さらに、臭いの発生を抑える効果も期待できます。

介護される人は、今まで自分でできていたことを手伝ってもらうことに対して、「恥ずかしい・申し訳ない」という感情を抱いてしまう人が多いそうです。特に、排泄の介助は尚更そのように感じる人も多いとのこと。

そんな人もデリケートゾーンを清潔に保てれば、ほんの少しだけネガティブな感情が軽減されるかもしれません。

もちろん、炎症や肌トラブル予防の観点からも大きなメリットといえます。

排泄介助の負担が少なくなる

次に、介護する人のメリットを確認してみましょう。介護する人にとっては、以下のように排泄介助の負担が少なくなることがメリットです。
介護する人のメリット 排泄後の清拭がしやすくなる 介助にかかる時間の短縮につながる 肌の状態が確認しやすい
排泄介助をする際、介護する人は排泄後のデリケートゾーンを清拭する必要がありますが、脱毛してあると、汚れが短時間で取り除きやすくなります

また、皮膚の状態を確認しやすくなるため、炎症や感染症予防、適切な治療が行いやすくなるメリットもあるのです。

介護脱毛はやるべき?必要性とは

介護脱毛はやるべき?
介護される人・介護する人の双方にメリットのある介護脱毛ですが、必ずしも必要な訳ではありません。実際に介護の現場からは以下のような声もあがっています。
「陰毛はあって当然のものなので、あまり気にしたことがない」 「作業効率に影響するケースはそれほど多くない」 「高齢になるにつれ、陰毛が薄くなる人も多い」 「介護職に就く人は、陰毛があっても陰部を清拭する技術を身につけている」
そもそも、排泄介助が必要な状態とはどのような状態なのでしょうか?自分でトイレ排泄ができない状態の目安は要介護3以上とされており、排泄・入浴・服の着替えなど、身の回りのことが自分でできない状態のことを意味します。

要介護3以上に認定される人には、認知症の人も多く含まれます

厚生労働省の発表(※2)によると、2020年の要支援・要介護認定者数は682万人。うち、要介護3以上の人は全体の34.4%です。

■2021年|要介護認定者数の割合
14.1 13.8 20.7 16.9 13.3 12.7 8.5

※2:厚生労働省|令和3年度介護保険事業状況報告(年報)を基に作成

つまり、介護が必要な状態になっても、全ての人が排泄介助を受ける訳ではありません。むしろ、手助けしてもらいながら自分で排泄できる人は全体の65.6%もいるのです。

そう考えると、介護脱毛にかける費用を健康維持のために使うことも1つの方法です。いつまでも自分で排泄可能な健康状態を保てれば、介護脱毛の必要性は低くなります。

ただし、高齢になるに連れ、健康に気をつけていても病気やケガがきっかけで介護が必要な状態になる可能性もあります。また、介護のプロではなく家族に介護を依頼するケースもあるでしょう。

実際に介護脱毛をした人に理由を聞くと「できるだけ家族の負担を減らしたい」という声も多いため、同じような考えの人は介護脱毛の必要性が高いのかもしれません。

いずれにせよ、介護脱毛はマストではありません。時間や費用がかかるのも事実です。必要性の高さは、状況や考え方によって大きく異なるため、「自分にとってはメリットが多く、必要だ」と感じる場合に具体的な検討を始めましょう。

介護脱毛の料金の目安

介護脱毛の料金の目安
なにかと出費の多いこの時代。介護脱毛には一体いくらくらいの費用が必要なのでしょうか?ここでは、一般的な脱毛クリニックやサロンの料金を参考に、介護脱毛にかかる費用の目安をご紹介します。

医療レーザー脱毛の場合は8〜10万円程度

脱毛クリニックで受けられる医療レーザー脱毛の場合、5回で8〜10万円程度が相場です。また、多くのクリニックでは分割払いも可能です。

介護脱毛のメリットを考えると、約10万円の費用をそれほど高く感じない人も多いのではないでしょうか?

光脱毛の場合は10〜20万円程度

脱毛サロンで受けられる光脱毛の場合、10回〜12回で10〜12万円程度が相場です。施術1回当たりの料金はクリニックより安いですが、効果がでるまでに回数がかかるため、総額は同等もしくは高くなる傾向にあります。

定期的にキャンペーンを行っているサロンも多いので、うまく利用すれば少し費用を抑えられるでしょう。

介護脱毛を始めるのにおすすめの時期はある?

介護脱毛を始めるのにおすすめの時期はある?
介護脱毛を始めるのにおすすめな時期は、明確には決められていません。ただし、できるだけ早い段階で始めることをおすすめします。特に、40代以降の人はデリケートゾーンに白髪が生える前に始めることがおすすめです。

レーザー脱毛や光脱毛は、黒や茶色のメラニン色素に反応して熱を放射します。そのため、白髪には反応せず、十分な脱毛効果が得られません。

少量の白髪なら生えていても気にならない、目立たないから気にならない、と考える人は問題ありませんが、デリケートゾーンの全てを脱毛した人は、早めに開始しましょう。

施術はクリニックやサロンに複数回通う必要があることからも、身体が元気に動かせるうちに行うことがおすすめです。

介護脱毛に関するQ&A

介護脱毛に関するQ&A
最後に、介護脱毛に関するよくある質問と回答をご紹介します。

1回の施術時間はどのくらいですか?

1回の施術時間は30〜45分程度が一般的です。施術の前後の着替えの時間を含めて、1時間程度と考えておくとよいでしょう。

効果がでるまでにどのくらいの期間がかかりますか?

効果がでるまでの目安は、クリニックの場合は6ヶ月〜1年・サロンの場合は1〜2年程度です。ただし、毛の量が人それぞれ違うため、個人差は生じます。

規定回数で効果を感じられなかった場合、多くのクリニックやサロンでは追加で施術が受けられます。

クリニックで介護脱毛した場合は保険適用されますか?

医療レーザー脱毛は医療行為ですが、自由診療になるため、健康保険や介護保険は適用されません

男性も介護脱毛できますか?

男性の介護脱毛も可能です。ただし、女性専用のクリニックやサロンも多いため、あらかじめ確認しましょう。近年は、男性専用の脱毛サロンも増えています。

また、男性の場合はヒゲの手入れも大変なため、介護脱毛と同時にヒゲの脱毛を行うこともおすすめです。

自分で介護脱毛できますか?

近年は自宅で脱毛できる機械も販売されていますが、介護脱毛に関しては自分で行うことは難しいでしょう。

家庭用の脱毛器は、安全のため出力パワーが低く設定されています。顔のうぶ毛や手足などに効果はあっても、毛が太いVIOラインにはあまり効果を発揮しません。

衛生面や安全面から考慮しても、介護脱毛はプロに依頼することがおすすめです。

まとめ・介護脱毛で不安を軽減させよう

介護脱毛とは、将来自分が介護されることを想定して、あらかじめVIOラインの脱毛をしておくことです。近年、40代以降の人に人気がありますが、必要性は人それぞれ。もちろん、脱毛しなくても介護の現場で迷惑な顔をされることはありません。

しかし、介護脱毛を行うことで介護される人・介護する人の双方にメリットがあるのも事実です。

子育てがひと段落する40代や50代の人は、将来のことを考えるといろいろ不安になるものです。介護脱毛することが、少しでも不安を軽くさせるお手伝いになるかもしれません。

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参考資料

この記事の監修者

多田眞理子 【介護福祉士】

15年以上介護職に携わる介護福祉士。 特別養護老人ホーム・デイサービス・訪問介護などさまざまな介護施設に従事してきた経験から、介護の現状や問題点を痛感している。現在は子育てをしながら介護職を継続中。

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