経験ありの仕事なら60歳以上のシニアでも働きやすい
経験を積んだ60歳以上であれば安定して雇用が可能と期待している人もいるでしょう。 専門職なら可能ですが、実態はどうでしょうか。 ここでは医療・士業系職種について解説致します。
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60歳以上でも経験ありなら仕事を得やすい
まず全般的な傾向として60歳以上になっても経験ありの仕事なら働けるのかどうかを確認しておきましょう。
市に名になってからの働き方は不安になりがちですが、十分な経験さえ積んでいれば簡単に勤務先を獲得できるのでしょうか。
初めに経験ありなら本当に仕事を獲得して働き続けやすいのかどうかを確認しておきましょう。
そもそも経験とは?
経験ありなら仕事を得やすいかどうかを判断する上で重要なのが、「経験」とは何かを明確にすることです。
一般的に若い頃の経験では3年以上あれば一人前と言われています。
ただ、企業によって考え方はまちまちで、実務経験に関して決まった年限はなく、企業によっては3ヶ月でも実務経験と見なしているという見解を示しています。
そのため、定年退職までに経験してきた仕事なら候補にできると考えて良いでしょう。
仕事の種類による違いが大きい
現実的な問題として経験ありなら仕事をしやすいかどうかはケースバイケースです。
若手や中堅の人材が溢れていて十分に確保できている業界ではシニア世代のニーズがあまりありません。
ベテランで魅力があったとしても、世代交代を考えて事業継続をしやすくすることを重視する企業もたくさんあります。
そのため、どの業界でどんな仕事に従事してきたかによって仕事を得やすいかどうかは大きく左右されているのが現状です。
資格がある専門職は有利
シニアでも資格を保有していて専門職としての経験ありの場合には重宝されている場合が多くなっています。
以下で紹介する医療や士業の他にも土木や建築など、有資格者が欠かせない現場では資格を持っているシニアの人がずっと活躍している場合が多いのが実態です。
60歳で一応は退職することになりますが、再雇用をしているケースが目立ちます。
資格の種類によっては老後も独立して自分のペースで働いていることも珍しくありません。
医療系の資格ありなら強みになる
医療系の資格を持っていて現場経験もあるシニアの人は大勢活躍しています。
一般的に医療系の有資格者が不足している現場が多いのが原因です。
60歳以上になっても働きたいときには資格を持っていることが強みになるので、自分で希望する形で働ける可能性が高いでしょう。
ここでは医師・薬剤師・看護師についてどのような状況があるかを概説します。
医師は地方を選べば引く手あまた
医師の免許を持っていて臨床経験があれば60歳でも引く手あまたです。
医療の需要が高騰しているにもかかわらず人材不足の状況があるからです。
どの専門医かによってニーズの高さには違いがありますが、地方では特に医師不足が顕著になっているので、地方医療に貢献する道を選べば働きやすい病院を選ぶことが可能です。
都市部では若手医師が増えているので再就職も難しい場合があります。
しかし、開業医になれば都市部でも活躍し続けられるでしょう。
薬剤師は全国各地でニーズが高い
薬剤師は全国的に不足しているため、調剤薬局で働くならどの地域でも働けます。
医師と同様に薬剤師の場合にも専門を考慮する必要がありますが、今まで専門にしてきた診療科に着目して門前薬局を選べば問題はありません。
再雇用だけでなく新しい薬局に転職しているシニアも大勢います。
自宅の近くで通いやすい薬局や、シフトの自由が大きい薬局などを選んで働きやすい状況を作れば長く働いていくのも大変ではなくなるでしょう。
看護師は再雇用を狙うのがコツ
看護師は大病院を除くと不足していて、医療施設だけでなく介護施設からも重宝されています。
老後になってから新しい職場に転職することも可能ですが、再雇用を狙って働き続けている看護師が目立ちます。
理由として職場の慣習に慣れるのに苦労することが多いからです。
ベテラン看護師として認めてくれるため、指導的な立場に立って働く場合が多くなります。
新しいやりがいが生まれてくるという点でも同じ職場で再雇用を狙うのは魅力的な選択肢です。
士業系の資格も仕事をしやすい
弁護士・税理士・公認会計士などの士業系の資格を持っているシニアの人も晩年まで仕事をしていることが多くなっています。
仕事をしやすいのは確かですが、経験や資格によってシニアになってからの働き方には違いがあります。
経験の内容に応じて自分が希望する働き方をしやすいかどうかをよく考えなければならないので注意が必要です。
弁護士経験、会計事務所経験の二つについて状況を見ておきましょう。
弁護士は自営業の継続が決め手
弁護士は法律事務所に勤めるか、居候弁護士をするか、開業して自営業をするかの三通りの選択肢があります。
60歳になるとあまり法律事務所に継続勤務できることはありません。
ただ、自分で開業した方が自由があって顧客も取りやすく、自分のペースで働きやすいのが一般的です。
そのため、老後に向けて開業して自営業を継続するのが仕事を続けるのに適しています。
会計事務所なら広く事務所を選べる
会計事務所で経験を積んできたシニアの場合には60歳以上になっても再雇用のオファーを受ける場合がよくあります。
特に税理士資格を持っている人を雇用していると事務所としては強みになるので、幅広く専門科目を合格していると再雇用をしたいと言われる場合が多いでしょう。
公認会計士でも実務担当として経験豊富な人がよく求められています。
アドバイザーとしての立場で受け入れてくれることも多いので、他の事務所も広く選ぶことが可能です。
資格がないシニアも経験ありなら大丈夫か
医療や士業のようなニーズが高くて高度な専門性を持つ資格を持っていれば60歳になっても仕事をしやすいのは事実です。
しかし、資格がないとシニアになったら仕事をするのが厳しいのでしょうか。
経験はあるけれど資格がないときの状況についても概況を解説します。
職種による違いが大きい
60歳以上の人にとって資格の有無が仕事のしやすさにどのくらい大きい影響を与えるかは経験してきた職種によって大きく異なります。
もともと資格が存在しなかったり、簡単に誰でも取得できるような資格しかなかったりする職種も少なくありません。
その場合には資格があってもなくても大きな違いはなく、経験年数や実績の多さが重視されます。
再雇用の話をもらえるかも、転職して同じ仕事で働いていけるかも職種次第と考えると良いでしょう。
待遇にも注意が必要になる
資格がない場合に特に気を付けなければならないのが待遇です。
資格がある人の場合には有資格者でなければできない業務を任せられるのでシニアになっても価値が高いと考えてもらえます。
しかし、資格がないと若手にも代替可能という考え方をされる傾向があるので注意が必要です。
60歳以上でも迎え入れてくれる可能性はありますが、給料が低めになってしまう、満足な勤務時間を確保できなくなるというケースもあります。
契約期間も短くなりがちなので注意しましょう。
<定年後の就職と資格についての外部参考記事>
60歳から資格を目指す方必見!定年後に役立つ資格とは?|フォーサイト
まとめ:経験ありで資格があれば60歳以上も働きやすい
仕事の経験があるかどうかはシニアを雇う上で重要なポイントと考えられています。
医師や薬剤師などの医療系の資格や、弁護士や税理士などの士業系の資格があれば60歳以上になっても働きやすいのは事実です。
資格がないとできない業務が存在する場合には特に有利になります。
ただ、資格や経験の種類によってニーズにも違いがあるので注意しましょう。
老後に向けて自営業を始めるなどの準備をした方が働きやすくなる場合もあるので検討してみるのが大切です。
この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。