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50歳代・60歳代でも工場エンジニアに転職できる?成功のポイントを押さえよう!

片桐吉晶 【キャリアアドバイザー】

50歳代以上になっても専門職として製造に関わる仕事に転職できるのでしょうか。 50歳代60歳代のエンジニアが転職に成功するために重要なポイントを解説するので頭に入れておきましょう。

今までずっと工場でエンジニアとして働いてきた人が50歳代・60歳代になって転職したいと思うこともあるでしょう。

シニアになってからの人生設計を考えて早めに転職しておきたい、定年退職のタイミングで転職したいなど、色々な考え方があります。

そんな悩みを解決できるポイントを説明していきます。

 

50歳代・60歳代の転職は可能?

はじめに50歳代や60歳代の工場エンジニアが転職できるのかどうかを確認しておきましょう。

工場で働く技術職として若手のニーズは高い状況がずっと続いてきていますが、シニア前後になると募集がないのではないかと不安になるかもしれません。

実際には求人を見てみると応募できるものがいくつも見つかります。

しかし、応募しても採用されないのではないかと不安になりがちですが、50歳代・60歳代の転職の実態はどうなっているのでしょうか。

 

50歳代・60歳代の転職者は多い

まず、工場エンジニアに限らずに全体的な傾向を見てみると、50歳代・60歳代の転職者は大勢います。

厚生労働省によって例年統計調査が行われていますが、労働力調査の集計結果によると、2019年のデータでは全年齢合計で351万人が転職していました。

このうちで就業中の状況から転職した人は45歳以上が129万人、55歳以上に限定しても72万人となっています。

このデータでは50歳代・60歳代の数はわかりませんが、全体の3分の1近くをシニア前後の人たちが占めているのが実態です。

 

シニア世代前後のニーズが高い理由とは

50歳代・60歳代の転職者数が多いことから、希望している人がいるだけでなく、採用している企業もたくさんいることがわかります。

シニア世代前後のニーズが高いのは少子高齢化による労働力不足の影響が大きいのは確かです。

医療や福祉が充実している現代社会では年齢が高くなっても元気に働けるような健康状態を維持できるケースも多くなってきました。

そのため、経験豊富なシニア前後の世代にもっと働いてもらいたいと考える企業も少なくないのです。

 

工場エンジニアが転職する際に知っておくべきこと

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50歳代・60歳代の工場エンジニアが転職したいと思ったときには職種としての特徴や採用企業の動向について知っておくと役に立ちます。

今まで工場で様々な経験をしてきた人もいれば、一つの業務に特化して働いてきた人もいるでしょう。

どのような状況下であっても転職を有利にするための方法に大きな違いはありません。

まずは工場エンジニアという職種をどんなイメージで捉えているかを把握して方策を練ることができるようになりましょう。

 

工場での作業職とは違う高度な製造職

工場エンジニアは企業にとって価値の高い人材だと考えられています。

工場では単純作業を行う製造職も採用されていますが、この場合には作業職として認識されているのが一般的です。

高度な専門スキルを持つ工場エンジニアは作業職と違って代替が難しく、本当にこの人が必要だというエンジニアを雇い続けるのが一般的です。

これは50歳代・60歳代でも同じことで、機械設計や生産技術など、様々な専門業務に特化した能力があると重宝されます。

  

専門職のニーズは高い

50歳代・60歳代の採用に関しては同調査によると「専門性が高い」ことも重視され、「年齢は関係ない」という声も多くの企業から挙げられています。

工場エンジニアとして専門的なスキルを生かして働いてきた人はニーズが高いと考えられるでしょう。

そして、50歳代・60歳代という年齢を大きなネックとすることなく、専門能力を生かして転職活動を進められるのです。

このような企業の意向をよく理解した上で転職の方向性を考えるのが重要になります。


50歳代・60歳代のエンジニアが成功するコツは?

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50歳代・60歳代のエンジニアが納得して働ける職場に転職するにはコツがあります。

ただ闇雲に求人に応募してもなかなか採用してもらえなかったり、採用されても仕事が長続きしなかったりすることもあるので注意しなければなりません。

ここでは工場で働いてきたミドルシニアのエンジニアが転職して成功するために欠かせないポイントを紹介します。

一つずつ丁寧に考えていき、これからの人生を豊かにする道を歩めるようになりましょう。

 

工場での仕事への携わり方をよく考える

50歳代・60歳代になってから転職するときには工場でどのような仕事に従事するかをよく考えましょう。

今までと同じでも大丈夫な場合もありますが、年齢を考えると体力や集中力の低下が懸念されるようになってくるでしょう。

一日中立ち仕事をするのはつらい、長時間労働は避けたいという場合もあります。

コンサルタントや管理職を選んで立ち仕事の負担を減らしたり、パートタイムで働く道を選んだりすることも可能なので、今後の仕事との付き合い方を熟慮しましょう。

 

生かせるスキルをリストアップする

ミドルシニアの場合には今までの経験から生かせるスキルがたくさん見つかる可能性があります。

自分の今の認識としては生産技術全般のスキルしかないとしても、今まで現場で経験してきたことを思い返してみると、やる気になれば機械設計もできるという場合もあるでしょう。

実務経験の有無で分類して、工場で生かせる可能性があるスキルをリストアップしてみるのが大切です。

この年代層になると幅広いスキルを持っていることが期待されるケースもあるので、多数のスキルを持っているのは強みになります。

 

シニア向けの転職エージェントに相談する

シニア向けの転職エージェントを活用するのも工場エンジニアにとって重要です。専門職はスキルのマッチングが成立しないとなかなか採用してもらえないのは若手でもシニアでも同じです。企業の希望を詳しく理解していて、自分のスキルもわかってくれるエンジニア向けの転職エージェントを使いましょう。その中でもシニア向けのサービスを提供しているエージェントなら、50歳代・60歳代の人材も獲得したいと考えている企業からの求人をたくさん持っていると期待できます。


50歳代・60歳代での転職での注意点

50歳代・60歳代になってから工場エンジニアが転職するときには注意すべきポイントもいくつかあります。

転職の目的によってはシビアな問題になる可能性もあるので、以下に挙げる2つの注意点は押さえておきましょう。

 

給与は下がるリスクがある

50歳代・60歳代の転職で気を付けなければならないのが給与です。

この年齢で転職をすると現職よりも給料が下がるリスクが高いのは確かです。

企業はシニアを採用する理由として「給与を安く抑えられる」ことを挙げている企業が目立ちます。

特にこの傾向は60歳代以上になると強くなるので注意が必要です。

60歳代になると定年後でフルタイムでなくなる人も多いのも一因ですが、念頭に置いておくべきポイントでしょう。

 

定年退職に対する留意が必要

50歳代の場合には定年退職についても留意して転職先を選ぶのが肝心です。

転職をしても数年後には定年になってしまうので、その後の働き方も考慮しておく必要があります。

工場エンジニアは現場のノウハウをよく理解している人材として貴重なので、嘱託社員として再雇用する企業も少なくありません。

新しい職場でシニアになってからもずっと働きたいと思っているなら、再雇用制度が整備されている職場を選んで転職しましょう。

 

まとめ:50歳代・60歳代は転職の方針が重要!

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50歳代・60歳代になっても工場エンジニアは専門職として重宝されています。

経験が豊富なら採用したいと考えてくれる企業がきっと見つかるので積極的に転職活動を進めましょう。

自己分析をしてアピールできるスキルをまとめた上で、今後の仕事との付き合い方をよく考えて転職先を決めるのが大切です。

これからの人生をより良いものにしていくために慎重に転職の方針を決めましょう。

この記事の監修者

片桐吉晶 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談5,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間800名の履歴書、職務経歴書を作成。建設業界や自動車業界、医療・介護業界の人材市場を熟知。「シニア人材の適切な採用・育成方法」などのテーマで、企業セミナーに講師として登壇中。

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