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50代におすすめの転職先は「医療事務」その理由と仕事内容を解説

片桐吉晶 【キャリアアドバイザー】

医療系の職業のなかでも多くの人が希望するのが医療事務の仕事です。 これまで医療事務を経験がある人も、初めて医療事務を経験する人もまずは医療事務の仕事内容を把握しておきましょう。

目次

医療事務の求人は各地で出されていますが、その仕事内容を詳しく知ればチャレンジしてみようと思える職業です。
医療事務の年収や求められる人材、スキルなども一緒に解説していきます。
 

医療事務職に求められるスキル

医療事務職は基本的に誰でもできる仕事ではありますが、雇用する側が求めているスキルを持っているほうが採用されやすくなっています。
医療関係の仕事であるため、特別なスキルが必要かと思われますが実は資格を持っていなくても働くことができる職種です。
しかし、全く何も知らない状態で雇用するのは本当に人が不足しており困っている現場だけです。

では、どのようなスキルを持った人が採用されやすいのか一つずつ説明していきます。
 

コミュニケーション能力

医療事務は病院での受付業務も行いますので、患者さんとの基本的な会話であったり同僚や看護師・医師とのコミュニケーション能力も求められます。
コミュニケーション能力は他業種でも求められることですが、立場の違う相手と対話する医療事務では特に求められる傾向にあります。

報告・連絡・相談という仕事の基本はもちろん、専門的な分野や病院内の雰囲気などを察するスキルが高い人は病院としても長く働いてもらいたいと思われるでしょう。
 

事務処理能力

医療事務の主な仕事は事務作業になりますので、事務作業がきちんとできることも求められます。
病院では事務処理を早く終わらせる事でその後作業が楽になるだけでなく、患者さんを待たせることなくスムーズに利用してもらうことができるためです。

もちろん、速さだけでなく丁寧さや正確さも求められますので、高齢でベテランの人が採用されやすい傾向にもあります。
特に利用者が多くなる時期は事務処理の早い人は即戦力として重宝されます。
 

記憶力と応用力

日々多くの患者さんが訪れる病院で勤務するならば、記憶力と応用力があると良いでしょう。
患者さんの顔と名前をすぐに覚える事ができれば、その人のカルテや書類を手早く用意することができますし、コミュニケーションにもつながります。

作業中でも、新しい機器が入ったり新たな制度が導入されることになっても柔軟に対応することができるのは現場で求められるスキルの一つです。
医療現場は環境が変わりやすい傾向にあるので、こういったスキルは必要になるでしょう。
 

医療知識

医療事務は医療経験は不問で就職することができますが、だからといっても医療知識が一切ない状態よりも多少でも持っていたほうが業務が円滑になります。
特に歯科や耳鼻科など症状がある程度決まっている診療科になると、利用患者から診断とは関係のない簡単な質問や相談を持ちかけられることがあります。

その時にすぐに答えることができる人と逐一医師や看護師に指示を仰ぐ人であれば、断然前者のほうが良いでしょう。
だからといって根拠のない返答をしないよう、発言に責任を持つようにしましょう。
 

経験ゼロから医療事務に転職できる?

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医療事務は50代からでも十分始める事ができる職業です。

これまで医療関係で働いたことがないという場合は他の就職希望者と差を付けて採用されやすくするために資格を取得することをおすすめします。

しかし、多くの病院では資格を持っていなくても能力に応じて誰でも採用しているため、自分ができるアピールをしっかりとすることが採用につながるポイントです。
それでは次に経験ゼロでも医療事務をおすすめする理由を挙げていきます。
 

年齢・経験不問が多数

医療事務の求人情報を見てみると、「年齢・経験不問、初心者歓迎」と書かれているのをよく見ます。

この文言にウソはなく、実際に一切の経験もないのに医療事務として働いたことがある人は大勢います。
その中には50代以上の人もいるので、気になる求人があればぜひ応募してみてください。

しかし初心者や経験・知識のない人の場合、試用・研修期間として3ヶ月ほど賃金が低くなりますが、その期間が終わると他の人と同じ給料をもらうことができます。
 

全国で求人数が多い

病院やクリニックや診療所は日本全国にあります。都会でも田舎でもどんな形であれ医療機関は存在します。

そのため、どこの求人情報を見ても医療事務の仕事は大抵募集されています。
自分が住んでいる近隣にはなくても少し足を伸ばせば見つけることができるでしょう。
特に都会になれば常時募集している病院が多いので、一つの病院で不採用となってもまた別の病院に申し込む事ができるというメリットがあります。

また、医療事務の給料は全国的に安定している傾向にあるのも大きなメリットです。

専門学校や通信教育が充実している

医療事務に関する資格は現在専門学校や通信教育などで取得することが可能です。
自宅近くに専門学校がある場合や、講師からしっかり教えてほしい、実技を習いたいという場合は断然専門学校似通うことをおすすめします。
専門学校に通うことができない場合は通信教育で勉強して、試験だけ受けに行くという方法があります。専門学校に比べて専門性が低くなってしまいますが、必要な知識は蓄えた状態になるので採用にプラスとなるでしょう。
 

独学でも医療事務の資格は取得できる?

「この歳になって学校に通うのは気恥ずかしい」と思う場合、極論ですが独学でも資格取得は不可能ではありません。
書店に行けば医療事務資格に関する参考書は多数販売されていますし、インターネット上で必要なスキルを学ぶことも可能です。
しかし、専門的な用語や作業が多い分理解力が必要となります。
まずは一冊だけ参考書を買ってみて内容が理解できない場合は通信教育などの方法にシフトチェンジすることをおすすめします。
 

医療事務職の年齢層

病院に行って受付を見て目につくのは若い女性ばかりですが、よく見ると高齢の人も受付業務を行っています。
大きな病院や、利用者の多い病院、地方にある病院などは特に若い女性ばかりではないことがわかります。
医療事務として採用されるのは若い子ばかりだと思って諦めてはいけません。年齢不問と書いているのであれば応募資格はありますので、積極的に応募していきましょう。

まずは医療事務と年齢について詳しく見ていきたいと思います。
 

雇用側が求める年代

医療事務職を雇用する病院側としては特に年齢は気にしていない傾向にあります。
というのも、病院としては医療事務作業を的確に遂行してくれたら他に言うことはないというのが正直なところです。
美容医療のように、若い女性を中心に展開している業種であれば採用する年齢に制限を設けていることがありますが、一般的な内科や外科などの場合は年齢不問がほとんどです。
50代の人も仕事ができると判断できれば即採用も珍しくありません。
 

医療事務の年収は?

医療事務員の収入は働く場所によって実にさまざまです。高給で雇っているところもあれば、最低賃金で募集しているところもあります。
政府の統計を見ると、平均的な年収は約300万円前後となっています。地方は安く、都心は高くなるのは最低賃金の関係です。

しかし、あまりに高額な年収とは言えないこの仕事でより高い収入を得るにはどうしたらいいかについても詳しく説明して致します。
 

場所や雇用形態によって変化する

先程も触れましたが、最低賃金が都道府県によって設定されている以上どうしても地域の収入格差は生まれてしまいます。
例えば沖縄県では平均年収は258万円ですが、東京都になれば平均年収は451万円になります。

これは大げさな比較ではありますが、地域差があるということは理解できると思います。
少しでも高額な収入を得たい場合は、周辺地域の求人をチェックしてより通勤に無理の無い範囲で応募することがポイントです。
 

年収を上げる働き方

医療事務で高い年収を得たいのであればいくつかのポイントを踏まえましょう。


大きい病院、もしくは人口の多い場所の病院を選ぶ

全国にグループのある大きな病院は地方であっても給与を高く設定しているケースが多く見られます。
人口の多い場所は単純に利用者が多い事で収益があるので賃金も高くなるのです。
 

医療事務資格を取得する

やはり資格は目に見える実績ですので、取得しているほうが給与は高くなります。病院によっては働きながら取得することも可能です。
 

シフトを多く入れる

単純な方法ではありますが、時間を余していたり事務作業をあまり苦に感じないのであれば「いつでも働けます」と申し入れして勤務時間を伸ばしてもらうことも可能です。
 

医療事務の雇用形態

医療事務 50代 転職 雇用形態
医療事務として働くには大きく分けて3つの雇用形態が選べますが、それぞれに長所と短所がありますので紹介していきます。
雇用形態によって働き方も変わりますので自分に合った働き方を選びましょう。
 

正社員

正社員として雇用されるのは収入面でも待遇面でも最も良いものとなります。
収入面においては基本給が高くなるだけでなく、ボーナスの支給もありますし、退職時には退職金を受け取ることも可能です。
正社員になって貢献すれば昇進や役職につくことも期待でき、さらに昇給となるでしょう。
デメリットとしては、50代で正社員雇用してもらうことは少し難しいかもしれません。しかし、パートタイムから始まって正社員になるという可能性もあります。
 

アルバイト・パート

求人情報で最も多く掲載されている形態です。福利厚生などの待遇面が乏しい分、勤務する時間や日時をある程度決められるという自由度がメリットです。
50代をすぎると突然体の調子が悪くなったり、急な用事が入って休みが必要になるということもありますが、アルバイトやパートタイムになるとそういった事態にも柔軟に対応することができます。
デメリットとしては収入がやや低くなってしまうことですが、きちんと働けば十分な賃金を得ることができるでしょう。
 

派遣社員

派遣会社に登録をして、指定された病院で期間を決めて働くという雇用形態です。
雇用に関しては派遣会社が間に立つので、比較的採用されやすい傾向にあります。

派遣社員は10代から80代以上のとても幅広い年齢が登録しているので、50代前後であればまだ若いうちに入ります。
期間限定ですが、病院が希望すれば延長で働く事もできますし別の病院を紹介してもらうことも可能です。
派遣社員として医療事務職に就いている人は意外と多く、40代~60代の人も活躍しています。

まとめ:医療事務は転職に向いている仕事!

医療事務は仕事に慣れるまでは覚えることの多い仕事になります。
しかし現在はパソコンの能力が進化しているので、基本的なパソコン操作ができるだけでも十分働くことができるとも言われています。

これまで働いてきた仕事とは別の仕事を始めたい人や、事務経験のある人、医療事務の資格を持っている人などが転職しやすい仕事だと言えるでしょう。

この記事の監修者

片桐吉晶 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談5,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間800名の履歴書、職務経歴書を作成。建設業界や自動車業界、医療・介護業界の人材市場を熟知。「シニア人材の適切な採用・育成方法」などのテーマで、企業セミナーに講師として登壇中。

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