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創刊記念 シニアジョブ代表・中島康恵スペシャルインタビュー2

シニアタイムズ編集部 【編集部メンバー】

シニアジョブ代表の中島にインタビューする創刊記念企画第2弾、シニア転職を成功させる7つのポイントについて聞きました。

目次

シニアの転職や就職を応援し、シニア転職や企業のシニア採用のノウハウや最新情報を紹介する新しいメディアサイト、シニアタイムズを運営する、株式会社シニアジョブの代表取締役 中島康恵にインタビューするスペシャル企画の第2弾です。

前回のスペシャルインタビューでは、シニア転職支援サービスを始めた経緯や、シニアタイムズを創刊した目的などについて聞いてみました。

今回はこれまで2万人を超えるシニア求職者を見てきた中島に、シニアの転職ノウハウを聞いてみたいと思います。

シニア転職成功7つのポイントとは?

―― 単刀直入に聞きます。シニアの方は転職・就職で、何に気をつければいいのですか?

シニアジョブ代表取締役・中島康恵(以下、中島) いえ、そんなに簡単に「これだけ気をつけておけば大丈夫」といったものはありません。若い方でも誰一人同じ経歴・スキルの人はいないように、シニアの方はむしろ経験が長い分、一人一人違った課題や背景を持っています。

しかし、大勢のシニアの方を見てきた結果、あくまでも全体的な傾向として「シニアの方はまず、これに気をつけるべき」というポイントが浮かび上がってきているので、それをご紹介しようと思います。

―― どんなポイントなのか、発表をお願いします!

中島: 何度か別のメディアでも語っているのですが、シニアが転職を成功させるためのポイントは7つあります。

  1. 表彰歴は書かない
  2. 最終役職以外の役職を書かない
  3. 在職会社の売上、利益規模、上場非上場を書かない
  4. 前職の年収から30%の減少は覚悟する
  5. 職歴を3分で説明できるようにまとめる
  6. 経験×謙虚さが若さにも勝てる秘訣
  7. 若さをアピールせず、熱量を伝える


これが「シニア転職の7つのポイント」です。

シニアの履歴書に表彰歴はNG?

―― 表彰歴を書いてはいけないのですか? MVPを取るなどしていたらプラスになりそうですが。

中島: 逆です。MVPをアピールしても、偉そうとか使いづらそうなどと思われて、かえってマイナスになってしまいます。「〇〇年度MVP受賞」と書いてあっても、具体的にどんなことをしたのか、どのくらいのすごさなのか、イメージできないですよね? 権威がありそうなだけの表彰歴など書かないほうが良いのです。

履歴書に書くべきなのは、具体的な仕事内容や件数がわかる内容です。例えば建設業ならば、どんな工事現場を何件担当したのか、規模はどのくらいか、どんな工法か、といった具体的な内容があれば、企業は任せたい仕事ができる人かを判断できます。

―― 役職を書かない、というのも、表彰歴と同じような理由でしょうか?

中島: そうですね。役職が課長でも部長でも、仕事の中身やスキルは伝わらないでしょう? 間違っても「最年少で課長に昇進」などと書いてはいけません。何が評価されたのかまったくわかりませんし、わかったところで応募する会社が求めるものと合致する保証はないのですから。

もちろん、建設業の現場監督のように、一般作業員とは立場も、必要な資格も異なる場合は、役職を書く必要が出てきます。

在職会社の売上、利益規模、上場非上場を書かないというのも同じです。上場企業に勤めたから偉いということはありませんし、上場も売上も利益も、その方一人の成果ではないので、評価もできなければ、スキルも読み取れません。シニアはただでさえ「目上の存在」として、特に年下の上司となる人物からは扱いにくいと思われがちなので、自慢気に取られてしまうことはできる限り避けるべきなのです。

シニアの転職条件と面接対策

―― 次のポイントですが、シニアの転職では前職より30%も年収が下がるものなのですか? 

中島: これはあくまでも「覚悟」の話です。30%の年収ダウンを覚悟すれば、それだけ転職先の幅も広がるでしょう。逆に年収は妥協せず、それ以外の条件も希望のままで、となってしまうと、なかなかシニアの転職は難しいかもしれません。実際、一般的な60代の転職ケースでは、30〜40%の年収ダウンも珍しくありません。

もちろん、私たちシニアジョブはできる限り年収がダウンしないように努力しているので、ダウンする幅が10%程度にとどまることが多いのですが、それでも年収ダウンが難しいと言う方は内定獲得まで時間がかかる傾向があります。

―― 職歴を3分で語る、というのは面接対策ですね?

中島: はい。シニア転職の最大の関門は書類選考で、それに比べれば、面接はかなり通過しやすいのですが、それでもシニアだけに職歴が長くなりやすいんです。

シニアだから話が長い、ということはあまりないと思っているのですが、どうやっても若い方より経歴は長いわけですから、説明も長くなりがちです。話が長いためにマイナス評価となってしまってはもったいないので、3分程度でポイントを絞って簡潔にアピールする準備が必要です。事前に一回、実際に話す練習をしておくと良いでしょう。

シニアの若さアピールは効果なし?

―― 次の2つのポイントでは、若さアピールがダメなように言われていますが、シニアなのでより若い印象のほうが良いのではないのですか?

中島: いえいえ、いくら年齢より若々しい方でも、実際の若者と比べて勝てるわけではないでしょう? シニアの若さアピールは意味がないんです。健康もそうですが、「若いです、健康です、体力もあります」と言ってみたところで、病気にならない保証にもなりませんし、ましてや、仕事のパフォーマンスには一切関係ありません。マラソンを走りきれても仕事で粘り強いかは別です。

企業がシニア人材を採用する場合、即戦力として期待しています。若者と違って今後の成長幅などはまず見ません。一方で、シニアを採用する際の懸念は、使いづらさです。これは思い込みが大きいのですが、誰でも年配の部下のマネジメントには躊躇があります。

そのため、シニアがアピールすべき若者にも勝てるポイントは、経験と謙虚さになるのです。何十年という経験は若者がどうやっても手に入れられないものですし、使いづらさの懸念を拭うには真摯で謙虚な姿勢が必要です。

そして、仕事を頑張ることができる姿勢を示すには、若さや体力などはなく、「熱意」が有効です。この「熱意」は根性のようなものではなく、学ぶ姿勢など積極性や、仕事や技術へのこだわりです。

例えば、この「熱意」、企業はそれが「何年続くのか」も気にしています。シニアなので今後何十年と働くとは思っていなくとも、1、2年しか働くつもりがない方と、5、6年働きたい方では選考結果も違ってきます。現在、70歳までの就業を確保する法律も成立しましたが、シニアの転職者の方には、その気概だけでも「動けるうちはずっと働きたい」という思いを持って、選考に挑んでいただきたいと思っています。

シニアの転職市場は年々活発化しており、転職ノウハウも日々更新されています。例えば、働きたい年齢に関する注意などは、1年前は私たちも重視していませんでした。このように環境はどんどん変わっていくので、シニアの方は仕事の技術だけでなく、転職情報についても常に新しい情報を仕入れ続けてほしいと思っています。

もちろん、私たちも常に新しいノウハウを検証して、発信し続けることで、シニアの転職を支援していきたいと思っております。

この記事の監修者

シニアタイムズ編集部 【編集部メンバー】

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