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ボーナス(賞与)の平均額を徹底調査!給与の何ヶ月分?新卒は?

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

お金

ボーナスは給与の何ヶ月分?平均額は?
年代別・業種別のデータもご紹介!

会社員にとって楽しみなイベントの1つがボーナス。「今回はいくらもらえるのか?」「給与の何ヶ月分もらえるのか?」「他の人はいくらくらいもらっているのか?」など、気になる人は多いでしょう。 この記事では、2024年の夏季・2023年の冬季ボーナスの平均額を中心に、年代別・業種別・企業規模別のボーナスの平均額や公務員のボーナス事情などをご紹介します。

目次

ボーナス(賞与)とは?

ボーナスのイメージ

まずは、ボーナス(賞与)がどういうものなのか、概要や手取り額などを確認しておきましょう。

ボーナスとは基本給とは別に支給される報酬のこと

ボーナスとは、基本給とは別に支給される報酬のことです。国税庁では以下のように定義されています。

賞与とは、定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するものをいいます

国税庁|No.2523 賞与に対する源泉徴収    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2523.htm

ボーナスが支給される時期は夏季と冬季の年2回基本給の1〜2ヶ月程度の金額が支給されることが一般的です。

ただし、ボーナスの有無や支給時期などに定めはありません。そのため、正社員でもボーナスのない会社も存在します。

ボーナスの金額は「基本給×支給月数」で決定することが多い

ボーナスの金額は「基本給×支給月数」、もしくは「基本給×支給月数×評価係数」で計算されることが一般的です。

基本給には役職手当などは含まれますが、通勤手当や残業手当などは含まれません

評価係数とは、従業員の貢献度をランク分けしたもの。「Aが1.2、Bが1.0、Cが0.9」などと係数を設定するため、従業員の業績に応じてボーナスの金額が変動します。

評価係数の他に、役職や部門の業績を反映させる計算方法を導入する企業もあります。

手取り額は額面の8割程度が一般的

ボーナスは給与と同様に社会保険料や税金が差し引かれるため、額面の金額が手取りとなる訳ではありません。一般的には、額面の8割程度が手取り額になります。

ただし、ボーナスの額面金額が100万円を超えると差し引かれる所得税が増えるため、手取り額は7割程度になります。

ボーナスから差し引かれるもの
  • 厚生年金保険料
  • 健康保険料
  • 雇用保険保険料
  • 介護保険料
  • 所得税

なお、住民税は差し引かれません

2024年夏・2023年冬ボーナスの平均額はいくら?

2024年夏・2023年冬ボーナスの平均額はいくら?

民間企業のボーナスの平均額はいくらくらいなのでしょうか?ここでは、厚生労働省のデータを基に、夏季・冬季のボーナス平均額をご紹介します。

2024年夏季ボーナスの平均額は414,515円

2024年夏季ボーナスの平均額は414515円、支給月数は1.05ヶ月です。前年に比べると、平均額は17,386円、支給月数は0.04ヶ月上昇しています。

※1:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等

2023年冬季ボーナスの平均額は395,647円

2023年冬季ボーナスの平均額は395,647円、支給月数は1.05ヶ月です。前年に比べると、平均額は2,672円、支給月数は0.01ヶ月上昇しています。

※2:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等

【20代・30代・40代・50代】年代別のボーナスの平均額はいくら?

さまざまな世代のイメージ

ボーナスは基本給を基に計算されるため、年齢によっても大きく異なります。

新卒の夏季ボーナスは7〜10万円と寸志程度

一般的に夏季ボーナスが支給される時期は7〜8月頃。新卒で入社した場合の夏季ボーナスが支給される時期は在籍期間が短いため、ボーナスではなく「寸志」として支給する企業が多いです。

実際に産労総合研究所が発表している「2024年度決定初任給調査」からは、新入社員に何らかの夏季賞与を支給する企業は77.5%、支給しない企業は12.2%と、大半の企業でボーナスに値するような特別手当が支給されていることがわかりました。

なお、新卒の夏季ボーナスの平均金額は、大卒の人が94,112円、高卒の人が75,076円と、学歴で多少差が生じていることもわかります。

※3:産労総合研究所|2024年度決定初任給調査

年齢別では50代がもっとも高い

では、年齢別ではどの程度違いがあるのでしょうか?

年代  賞与額  20〜24歳  349,000円  25〜29歳  804,900円  30〜34歳  963,400円  35〜39歳  1,218,500円  40〜44歳  1,349,000円  45〜49歳  1,563,300円  50〜54歳  1,795,700円  55〜59歳  1,907,600円  60〜64歳  1,063,000円  65〜69歳  552,700円

■年代別年間ボーナス平均額(2023年・大卒者)

年代

賞与額

20〜24

349,000

25〜29

804,900

30〜34

963,400

35〜39

1,218,500

40〜44

1,349,000

45〜49

1,563,300

50〜54

1,795,700

55〜59

1,907,600

60〜64

1,063,000

65〜69

552,700

※4:令和5年賃金構造基本統計調査を基に作成

年代別年間ボーナス平均額は年齢を重ねるごとに上昇し、50代でピークを迎えます。60代以降は定年を迎える人が増えることもあり、徐々に減少していくことがわかります。

ボーナス平均額の高い業種は【電気・ガス業】や【情報・通信業】

さまざまな業種のイメージ

では、業種によってはどの程度の違いがあるのでしょうか?

以下は、業種別の2024年夏季ボーナスの平均額と支給月数です。

鉱業・採石業  558,769円  建設業  543,670円  製造業  547,928円  電気・ガス業  881,533円  情報通信業  739,621円  運輸業・郵便業  395,736円  卸売業・小売業  382,412円   金融業・保険業  703,753円  不動産・物品賃貸業  588,824円  学術研究  645,387円  飲食サービス  75,897円    生活関連サービス  186,504円  教育・学習支援業  567,828円  医療・福祉  282,874円  複合サービス事業  429,741円  その他サービス業  241,311円  全体平均  414,515円

■業種別|2024年夏季ボーナスの平均額と支給月数

業種

賞与額

支給月数

鉱業・採石業

558,769

1.12

建設業

543,670

1.12

製造業

547,928

1.03

電気・ガス業

881,533

1.82

情報通信業

739,621

1.32

運輸業・郵便業

395,736

0.97

卸売業・小売業

382,412

1.03

金融業・保険業

703,753

1.61

不動産・物品賃貸業

588,824

1.5

学術研究

645,387

1.28

飲食サービス

75,897

0.39

生活関連サービス

186,504

0.71

教育・学習支援業

567,828

1.52

医療・福祉

282,874

0.89

複合サービス事業

429,741

1.63

その他サービス業

241,311

1.16

全体平均

414,515

1.05

※1:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等を基に作成

全体平均414,515円に対し、電気・ガス業は881,533円、情報通信業は739,621円と倍近くのボーナスが支給されています。

一方で、飲食サービスは75,897円と平均額の20%程度、支給月数も0.39月と基本給に満たず、業界により大幅に差が生じていることがわかります。

大企業と中小企業でボーナスの平均額に違いはある?

ボーナスの平均額は、企業規模によっても異なります。

企業規模  賞与額   5〜29人  271,429円    30〜99人  348,192円  100〜499人  455,878円  500人以上  664,508円

■企業規模別|2023年夏季ボーナスの平均額と支給月数

企業規模

賞与額

支給月数

5〜29人

271,429

0.98

30〜99人

348,192

1.10

100〜499人

455,878

1.21

500人以上

664,508

1.48

※5:厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等を基に作成

企業規模が大きくなるほど賞与額と支給月数は多くなり、企業規模が30人未満の会社と500人以上の会社では約2倍の差が生じていることがわかります。

公務員のボーナス平均額は民間企業平均額の1.5倍程度

公務員のイメージ

民間企業の場合は企業ごとにボーナスの支給額が異なりますが、国家公務員の場合はボーナスの支給額や支給日が定められています

内閣官房内閣人事局の発表によると、2024年夏季ボーナスの平均額は約659,400円2023年冬季ボーナスの平均額は674,300円でした。

民間企業の夏季ボーナス平均額414,515円、冬季ボーナス平均額395,647円に比べると、約1.5倍多いことがわかります。

なお、地方公務員のボーナス支給額や支給日は自治体により異なります

※6:内閣官房内閣人事局
※7:内閣官房内閣人事局

まとめ・ボーナスの平均額は企業により大きく異なる

社会人にとって楽しみの1つでもあるボーナス。ボーナスの手取り額は額面の8割程度が一般的です。

厚生労働省のデータによると、2024年夏季ボーナスの平均額は414515円、支給月数は1.05ヶ月。2023年冬季ボーナスの平均額は395,647円、支給月数は1.05ヶ月でした。

ボーナスは、年齢や企業規模、業種によっても異なります。仕事探しをする際は、ボーナスの平均額を参考にするのもいいかもしれません。

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参考資料

厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和6年9月分結果速報等
厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等
産労総合研究所|2024年度決定初任給調査
令和5年賃金構造基本統計調査
厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等
内閣官房内閣人事局
内閣官房内閣人事局

この記事の監修者

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 年金制度や税金制度など、誰もが抱える身近な問題の相談業務を行う。 得意分野は、生命保険・老後の生活設計・教育資金の準備・家計の見直し・相続など。

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